幕岩・悟空スラブ
幕岩・悟空スラブ 15,11,27・28
天王岩クライミングに20名もの参加とか、今岩練習会は大変な
盛況である。この外岩での練習は月に一度程度だが、室内・ジム
では二組が隔週火曜日と隔週木曜日に練習している。
そしてまた東久留米市のスポーツセンターとか昭島市の体育館の
壁などで月一くらいで練習会がある。
更には各自が自主的に外岩とか近くのジムで練習しているのだろう
から、クライミングに熱心に取り組んでいる人は相当な数に登る。
スポーツクライミングとしてこれを楽しむのももちろんありで、目の
前の壁をどう登るかだけでも難しいしまた面白い。課題、グレードを
歩一歩と上げる努力が実を結べばこれも単純にうれしい。最近は
若者たちがボルダリングの難しい課題に嬉々として挑戦し、あっと
いう間に上手くなるのを見せ付けられ、年は取りたくないと思い知ら
されることも多い。ただむやみにグレードを上げることに無理する
のでなければ、息の長い取り組みが出来る。
しかし私たちは山屋であるからこのクライミング練習で培った岩登
りの力を実際の山を登るために活用したい。多分そう思って岩練習
に励んでいる人が大半だろう。
例えば谷川岳東尾根を登るならいきなり危ない崖を降りてマチガ
沢に入る。そして目の前の大滝を登らなければならない。
シンセン沢左俣に入れば2級程度の沢状の崖を確保なしで登ってい
く力が欲しい。2、3人ならともかくそれ以上で、ここでロープを出して
いては時間がかかりすぎるのである。時間を掛けすぎるのも大きな
リスクであるから。
そして沢最後の崖は、ロープを出して先頭がリードし、ビレイ支点を
作って後続を引き上げる、文字通りマルチクライミングの力が要求
されるし、ロープワークなど一連の流れを、後続も知っていなければ
ならない。また上からビレイされているとはいえ4級程度の崖を登れ
なければ前に進まないのだ。
出来るならこういう場合は次のピッチはリードを交代する、ツルベで
登っていきたいものだ。
更にその先も脆い岩と草付きの嫌らしい急峻な登りが待っている。
落石も危ないし、場合によってはロープを出すことも必要になるのだ
が、基本は自分の力でこれを登らなければならない。
夏場の楽しみ沢登りも基本は滝を登るためのクライミングの力が
どうしても必要だろう。
雪山でも危ない雪壁の登り降りではアンザイレンする以上、ロープ
ワークが不可欠である。
10月に企画された御在所岳の前尾根・中尾根クライミングなどは
マルチピッチクライミングだし、クラックを登る練習も必要なうえ、ツル
ベで登れること(つまりリードが出来ること)が条件だったはずだ。
総じてアルパインクライミングに一歩を踏み出すことが問題だ。
基本はリードクライミング(リードのビレイも含む)に挑戦していくこと、
そしてマルチピッチクライミングのロープワークの基礎を練習するこ
とが必要だろう。岩教室でその基本は教えてもらっているだろうが、
やはり実際に数ピッチでも岩場を登る練習をすることが求められる。
可能な人はまずはガイドに岩場に連れて行ってもらうのもいい経験
になることだろうし、そうしている人も結構いると聞く。しかしこの場合
はほぼリードすることはなくフォローで着いていくのだろう。
* 悟空スラブ
そんなわけでマルチピッチクライミングに興味を持っているらしい人
に声をかけ幕岩の悟空スラブに行く事になった。ついでに幕岩での
練習もやりたいということで、まずは幕岩で練習しその晩はしとど庵
駐車場を借りてキャンプし、次の日悟空スラブで練習する企画とする。
しとど庵はこの時期やってないが、事前に申し込めば駐車場を貸し
てくれる。トイレと水(洗面所)あり。この日はちょうど車1台テント一
張りにぴったりの5名。(幕山公園一帯はキャンプ禁止。)
27日幕岩ではいつもの桃源郷で練習する。久しぶりの人も易しい
ルート、シルクロード(5.7)とかいんちきするな(5.8)あたりをリードで
頑張っていた。またその間のアリさんルート(5.7)はクラック登りで、
主にカムの噛ませ方を練習した。
(上、シルクロードとアリさんルート、下、いんちきするな)
珍しく空いていたアボリジニー(10a)に久しぶりに取り付いてみ
たが、すっかり登り方を忘れていて散々苦労した。
アリババもクリスマスローズも今日は空かなかったので、シンデレラ
(5.7)と隣のトムソーヤ(5.8)で各自リードに挑戦した。今日は易しい
ルートでもリードの練習だ。5人が代わる代わるに登ると結構時間が
かかる。
その後サンセット(10a)をリードとTRで練習。
クライミング練習後に湯河原まで買出しに行き、その後鍋料理。
私は何も出来ないのでもっぱら作ってもらい食べるだけだが、テント
の中でおいしい料理と気のおけない仲間との歓談を楽しんだ。
こういうときのお酒はともかくおいしい。
まだそう冷え込まなかったし久しぶりのテント泊はいいものだ。
翌28日はマルチクライミングは初めての人2人が新たに加わる。
(もう1人来るはずだったが都合でキャンセル。)
公園前の駐車場は早くから車が一杯で、危うくあぶれるところだった。
土曜日はやはり人出が凄い。中に私たちの岩練習会の先生2人が
来ていてびっくりした。2人はほとんど平日で土曜日に来ることは珍し
いから。2人は正面壁だろう。
私たちは計7人で悟空スラブに行くことを告げて別れる。私も悟空
スラブは何年ぶりだろう。
シャクシャインなどのある希望峰を回り込んで登っていくのだが、途
中で一度迷った。よく覚えてない。
取り付きに着き、今日は7名なので私とSさんとが初めての2人と
それぞれ組み、残りの3人は経験者なので一組で登ってもらい3班
体制。経験者組みから登っていく。
幸い他のグループは誰もいなかったからゆっくり練習できそうだ。
今日はあくまでマルチクライミングのためのロープワークを覚えて
もらうことが目的だ。そしてツルベで登るためのコールのやり方など
を確認しながら登っていく。
ここは登る壁自体は易しいので、私の班は相棒に2ピッチほどリード
もやってもらった。つまり相棒は初めてツルベで登ったわけだが順調
に登っていた。
いい天気で暖かくマルチクライミングには絶好の日だった。
終了点から相模湾の景色がとても素晴らしい。
終了点で向かって右手の結構な大木が根こぞぎになって倒れて
いた。これが下まで落ちることはないとは思うが、ルートに影響が
でなければいいのだが。
経験者3人組。
最終ピッチを登ってきた相棒。
リードするSさんとフォロー。
この後経験者組みから懸垂で降っていく。
私等も後に続いたのだが、50mロープ一杯で降り、ロープを回収
するときロープの結び目が何かに引っかかってしまった。
回収する途中でロープの末端がかなり上がってしまっているので、
やむなく末端が届くところまで登り返し、何度かロープを上下させて
引っかかりを脱してようやく回収することが出来た。今回は50mを
登り返さずすんだけれど懸垂下降はいろいろな問題が起こりやすい。
回収するルートに障害物やロープが挟まりそうなクラックなどがない
かもよく確認しなければならない。困難なルートの場合登り返すこと
自体が厄介で、思わぬ時間をロスすることがありうるからだ。
今日は土曜日だが悟空スラブは私たちの貸切だった。皆が合流
して下に降ったときは既にいい時間になっていたので、下での練習
は止めて帰ることにする。
自主練習に来ていた2人の先生たちも帰るところだった。それにし
てもさすがに熱心にやっているものだと思う。これくらいでないと上手
くはならないですね。
私たちは車組みと電車組みとに分かれ、電車組みはいつもの中華
料理屋で一杯やって帰る。
なかなかこうした企画も時間の調整が難しく実現が難しいが、折を
見てまたやりたいと思っている。
悟空スラブはゲレンデのようなものだが、マルチピッチルートに一歩を
踏み出すにはいい練習場所だと思う。
天王岩クライミングに20名もの参加とか、今岩練習会は大変な
盛況である。この外岩での練習は月に一度程度だが、室内・ジム
では二組が隔週火曜日と隔週木曜日に練習している。
そしてまた東久留米市のスポーツセンターとか昭島市の体育館の
壁などで月一くらいで練習会がある。
更には各自が自主的に外岩とか近くのジムで練習しているのだろう
から、クライミングに熱心に取り組んでいる人は相当な数に登る。
スポーツクライミングとしてこれを楽しむのももちろんありで、目の
前の壁をどう登るかだけでも難しいしまた面白い。課題、グレードを
歩一歩と上げる努力が実を結べばこれも単純にうれしい。最近は
若者たちがボルダリングの難しい課題に嬉々として挑戦し、あっと
いう間に上手くなるのを見せ付けられ、年は取りたくないと思い知ら
されることも多い。ただむやみにグレードを上げることに無理する
のでなければ、息の長い取り組みが出来る。
しかし私たちは山屋であるからこのクライミング練習で培った岩登
りの力を実際の山を登るために活用したい。多分そう思って岩練習
に励んでいる人が大半だろう。
例えば谷川岳東尾根を登るならいきなり危ない崖を降りてマチガ
沢に入る。そして目の前の大滝を登らなければならない。
シンセン沢左俣に入れば2級程度の沢状の崖を確保なしで登ってい
く力が欲しい。2、3人ならともかくそれ以上で、ここでロープを出して
いては時間がかかりすぎるのである。時間を掛けすぎるのも大きな
リスクであるから。
そして沢最後の崖は、ロープを出して先頭がリードし、ビレイ支点を
作って後続を引き上げる、文字通りマルチクライミングの力が要求
されるし、ロープワークなど一連の流れを、後続も知っていなければ
ならない。また上からビレイされているとはいえ4級程度の崖を登れ
なければ前に進まないのだ。
出来るならこういう場合は次のピッチはリードを交代する、ツルベで
登っていきたいものだ。
更にその先も脆い岩と草付きの嫌らしい急峻な登りが待っている。
落石も危ないし、場合によってはロープを出すことも必要になるのだ
が、基本は自分の力でこれを登らなければならない。
夏場の楽しみ沢登りも基本は滝を登るためのクライミングの力が
どうしても必要だろう。
雪山でも危ない雪壁の登り降りではアンザイレンする以上、ロープ
ワークが不可欠である。
10月に企画された御在所岳の前尾根・中尾根クライミングなどは
マルチピッチクライミングだし、クラックを登る練習も必要なうえ、ツル
ベで登れること(つまりリードが出来ること)が条件だったはずだ。
総じてアルパインクライミングに一歩を踏み出すことが問題だ。
基本はリードクライミング(リードのビレイも含む)に挑戦していくこと、
そしてマルチピッチクライミングのロープワークの基礎を練習するこ
とが必要だろう。岩教室でその基本は教えてもらっているだろうが、
やはり実際に数ピッチでも岩場を登る練習をすることが求められる。
可能な人はまずはガイドに岩場に連れて行ってもらうのもいい経験
になることだろうし、そうしている人も結構いると聞く。しかしこの場合
はほぼリードすることはなくフォローで着いていくのだろう。
* 悟空スラブ
そんなわけでマルチピッチクライミングに興味を持っているらしい人
に声をかけ幕岩の悟空スラブに行く事になった。ついでに幕岩での
練習もやりたいということで、まずは幕岩で練習しその晩はしとど庵
駐車場を借りてキャンプし、次の日悟空スラブで練習する企画とする。
しとど庵はこの時期やってないが、事前に申し込めば駐車場を貸し
てくれる。トイレと水(洗面所)あり。この日はちょうど車1台テント一
張りにぴったりの5名。(幕山公園一帯はキャンプ禁止。)
27日幕岩ではいつもの桃源郷で練習する。久しぶりの人も易しい
ルート、シルクロード(5.7)とかいんちきするな(5.8)あたりをリードで
頑張っていた。またその間のアリさんルート(5.7)はクラック登りで、
主にカムの噛ませ方を練習した。
(上、シルクロードとアリさんルート、下、いんちきするな)
珍しく空いていたアボリジニー(10a)に久しぶりに取り付いてみ
たが、すっかり登り方を忘れていて散々苦労した。
アリババもクリスマスローズも今日は空かなかったので、シンデレラ
(5.7)と隣のトムソーヤ(5.8)で各自リードに挑戦した。今日は易しい
ルートでもリードの練習だ。5人が代わる代わるに登ると結構時間が
かかる。
その後サンセット(10a)をリードとTRで練習。
クライミング練習後に湯河原まで買出しに行き、その後鍋料理。
私は何も出来ないのでもっぱら作ってもらい食べるだけだが、テント
の中でおいしい料理と気のおけない仲間との歓談を楽しんだ。
こういうときのお酒はともかくおいしい。
まだそう冷え込まなかったし久しぶりのテント泊はいいものだ。
翌28日はマルチクライミングは初めての人2人が新たに加わる。
(もう1人来るはずだったが都合でキャンセル。)
公園前の駐車場は早くから車が一杯で、危うくあぶれるところだった。
土曜日はやはり人出が凄い。中に私たちの岩練習会の先生2人が
来ていてびっくりした。2人はほとんど平日で土曜日に来ることは珍し
いから。2人は正面壁だろう。
私たちは計7人で悟空スラブに行くことを告げて別れる。私も悟空
スラブは何年ぶりだろう。
シャクシャインなどのある希望峰を回り込んで登っていくのだが、途
中で一度迷った。よく覚えてない。
取り付きに着き、今日は7名なので私とSさんとが初めての2人と
それぞれ組み、残りの3人は経験者なので一組で登ってもらい3班
体制。経験者組みから登っていく。
幸い他のグループは誰もいなかったからゆっくり練習できそうだ。
今日はあくまでマルチクライミングのためのロープワークを覚えて
もらうことが目的だ。そしてツルベで登るためのコールのやり方など
を確認しながら登っていく。
ここは登る壁自体は易しいので、私の班は相棒に2ピッチほどリード
もやってもらった。つまり相棒は初めてツルベで登ったわけだが順調
に登っていた。
いい天気で暖かくマルチクライミングには絶好の日だった。
終了点から相模湾の景色がとても素晴らしい。
終了点で向かって右手の結構な大木が根こぞぎになって倒れて
いた。これが下まで落ちることはないとは思うが、ルートに影響が
でなければいいのだが。
経験者3人組。
最終ピッチを登ってきた相棒。
リードするSさんとフォロー。
この後経験者組みから懸垂で降っていく。
私等も後に続いたのだが、50mロープ一杯で降り、ロープを回収
するときロープの結び目が何かに引っかかってしまった。
回収する途中でロープの末端がかなり上がってしまっているので、
やむなく末端が届くところまで登り返し、何度かロープを上下させて
引っかかりを脱してようやく回収することが出来た。今回は50mを
登り返さずすんだけれど懸垂下降はいろいろな問題が起こりやすい。
回収するルートに障害物やロープが挟まりそうなクラックなどがない
かもよく確認しなければならない。困難なルートの場合登り返すこと
自体が厄介で、思わぬ時間をロスすることがありうるからだ。
今日は土曜日だが悟空スラブは私たちの貸切だった。皆が合流
して下に降ったときは既にいい時間になっていたので、下での練習
は止めて帰ることにする。
自主練習に来ていた2人の先生たちも帰るところだった。それにし
てもさすがに熱心にやっているものだと思う。これくらいでないと上手
くはならないですね。
私たちは車組みと電車組みとに分かれ、電車組みはいつもの中華
料理屋で一杯やって帰る。
なかなかこうした企画も時間の調整が難しく実現が難しいが、折を
見てまたやりたいと思っている。
悟空スラブはゲレンデのようなものだが、マルチピッチルートに一歩を
踏み出すにはいい練習場所だと思う。