槍ヶ岳 | 鬼川の日誌

槍ヶ岳

  初冬の槍ヶ岳  15,10,31~11,2

  この時期の槍ヶ岳は雪も積もり始めているし、とりわけ槍の穂先は
 岩稜帯でちょっとした雪山バリエーションコースとなる。さらに天気が
 悪化して雪が降り始めれば本格的な雪山だ。3000mの山を楽しむ
 と気軽には行かない。アイゼン、ピッケルの用意が欠かせない。
 穂先の登りは2,3名の班編成でロープを使ったアルパインスタイル
 での登攀の予定である。にもかかわらず今回の企画には20名もの
 人が参加した。(+1名はリハビリで横尾まで。)こうした企画に挑戦
 したいと希望する人たちが大勢いるということだ。

  上高地に電車や車で12時頃に集合して歩き始める。


  カッパ橋12:15頃。今日明日は天気がいいそうだ。
 相変わらず梓川はきれいだが、穂高連峰は雲に隠れていた。


  明神13:05頃。


  徳沢園手前。広々として気持ちがいい。


  横尾に15時過ぎに着いた。今日はここで泊りである。
 宿の前でまずは明日の穂先登攀のための班リーダーとメンバーの
 編成(7班編成)。そしてロープワークの要点をもう一度確認する。
 かなり寒くなってきた。
 屏風岩の向こうに雪の付いた山が見える。


  1日朝。天気良く明神岳がきれいに焼けた。いい色でした。


  さすがに朝は寒い。準備を整え65才以下の早足組と以上の鈍足
 組みに分かれて出発する。もちろん私は鈍足組。6:50頃か。


  屏風岩を見送り樹林帯を行く。


  しばらく槍沢沿いに歩くと槍の穂先が小さいがえらく尖って見える。
 槍見河原。7:25頃。(写真は望遠)


  直ぐに一ノ俣。


  二ノ俣。7:45頃。


  きれいな沢沿いを歩く。


  鈍足組8:20頃槍沢ロッジ到着。
 ここで上から降りてきたらしいハイカーが大集団の私たちに、「6本
 爪アイゼンを持ってないと雪で槍の穂先は登れないぞ」とご親切に
 忠告してくれたそうだ。確かに6本アイゼンは持ってない。私は聞い
 てなかったがなにせ20名もの大集団だから、全員冬山装備で来て
 いるとは思えなかったらしい。
 自分の力も省みず人に忠告するような勘違いハイカーがちょくちょく
 いるが、こんな気恥ずかしい真似はしたくないね。


  10分ほど進むと一旦槍の穂先が見えるところがある。


  その先に見事な岩壁を持つカブト岩がある。登れるらしい。
 手前の槍見岩と書かれた岩の上から先ほどの穂先が見えるようだ。


  ガレた沢を渡る。


  9:00過ぎにババ平。真新しい小屋(?)が建っていた。


  この先広々とした槍沢に付けられた道を行く。


  9:25頃沢を渡りその少し先(10分弱)辺りが水俣乗越への分岐
 だったらしいが今は標識もなく確認せずに通り過ぎた。



  水俣乗越分岐付近の先で槍沢は大きく左にカーブする。この辺が
 大曲ということだ。槍ヶ岳には槍沢ルートを通って登って以来、後は
 違うルートで登っているのでここを歩くのは随分久しぶり。登りでは
 なく降りにはその後も通ったはずだが、足も随分衰えたらしく距離感
 が全然違う。


  大曲に来ると大喰岳、南岳など白くなった山々が見えてくる。
 槍沢モレーンや大槍モレーンなど氷河の痕跡が明瞭に見てとれる。
 早足組みが先を進んでいるのが見える。


  そもそもこの谷が氷河で削られたU字谷だ。
 10時頃から登りがきつくなってくる。


  槍沢モレーンの上の天狗沢分岐辺りまで進むつもりがなかなか着
 かず途中休憩。鈍足組みは足が進まない。10:15頃。


  天狗沢分岐を10:45頃通過。


  11時頃ようやく槍沢モレーンを左手下に見る。


  11:30頃赤沢山の向こうに常念岳が顔を見せる。


  大槍モレーン(グリーンバンド)をトラバースするとようやく槍の穂先
 が見えてくる。後ろ遠く富士山の頭も見える。11:35頃。



  殺生ヒュッテ、槍ヶ岳山荘が見える。これからが長い。


  ハイマツ帯の最後辺り。この辺からみるとモレーンが何段にも繋
 がっていることが分かる。その何段かを登っていく。槍の穂先がいろ
 いろな形で現れて面白い。この辺から雪道となる。



  もう12時頃になる。空の雲がきれいだが明日の変調の前触れかも。


  12時過ぎに坊主の岩小屋。


  大喰岳からの崖錘斜面の下。後方八ヶ岳連峰、富士山、南アルプス、
 (中央アルプスは隠れた)と皆顔を出しくる。



   (続く)