谷川岳東尾根 3
シンセン沢左俣から東尾根 15,10,18 (続き)
12:15頃観倉台に登り着いた。
西黒尾根の向こうに天神平。
その名の通りここは一ノ倉沢の展望地だ。
急峻に立ち上がるのは一ノ倉尾根だろう。もうかなり前初めて烏帽
子岩南稜を登り、この一ノ倉尾根を這い上がり一ノ倉岳に抜けたこと
がある。南稜は谷川岳岩登りの入門ルートだが、その先はレベルと
しては高いわけではないものの、あまり登られず酷く脆い岩場で危な
い岩稜が続き長く厳しかった。一ノ倉岳に抜けた後ここから下山する
力は既になかったので、谷川岳の肩の小屋に泊めてもらったが、確
か12時間くらい掛かったのではなかったか?
今眺めても信じられないほど急な尾根ですね。
ここまで7時間を過ぎている。あまり休まず先に進む。
先に第1岩峰が目前に見えてきて、先程の若者が取り付いて登って
いるのが見える。12:25頃。
私たちが岩峰下に着いた頃からフォローの女性が登り始めた。
彼女はまだこうした岩登りには慣れてないらしく悲鳴を上げながら
登っていった。
私たちはSリーダーがシューズを履き替えリードで取り付く。
12:40過ぎくらいから。
他のメンバーは登山靴で行く。ちょっと被り気味だが短くフォローなら
難しくはない。
むしろ足元が切れ落ちていて取り付きに要注意。待つ間もセルフ
ビレイが欠かせない。
Sさんのコールがあってフォローが続く。被っている部分を先の人が
登り終わるまで待つ。Mさんが登りCさんが続く。
Tさんが登って行き次に私。50mロープがちょうど一杯だった。
登った天辺が片流れの岩場となっていた。岩の先端を掴めば問題
ないが、私が先に行き一応ロープを固定してカラビナを掛けて通過し
てもらう。岩峰の頭でなかなか絵になります。
その後少し藪を進めば岩峰は終わり。13:20頃。
この先はオキノ耳までの草付きの斜面。オキノ耳から沢山の登山者
が覗いているのが分かる。
最後の草付きを登る。
山頂の岩場を巻くと登山道に飛び出す。登山者が一杯だ。
山頂では先の若者2人が歓声を上げて迎えてくれた。少し待っていて
くれたらしい。
巌剛新道の見晴らしで一緒になってから、大滝上、シンセン沢の
入り口、二俣、第2岩峰の先、追い越されて第1岩峰、そして山頂と
ほぼ同じようなペースで登ってきた。
途中軽く声を掛け合ってきたこともあり、特に「こんなところは初めて」
という女性はまるで一緒に登ってきた仲間のような感覚で感激した
ようだ。歓迎の握手をしてくれた。
それにしても彼女を丁寧にフォローし、引っ張って登ってきた若者は
大したものだ。
山頂です。13:50頃でした。
全員写真を彼女に撮って貰いました。ガスが出てきた。
少し休憩。17時最終のロープウェイには十分間に合う。
しかし物凄い混雑という情報で若者2人は西黒尾根を降ると言う。
私たちは草臥れたので待ちを覚悟で天神平に下ることにする。
トマノ耳通過。14:20頃。
肩の小屋14:25頃。トイレ休憩。
少し降るとガスも取れた。14:35頃。
万太郎山を見ながら。14:45頃。
熊穴沢避難小屋。15:25頃。
ロープウェイ駅に16時少し前に着いた。
情報どおり駅は長蛇の列。天気のいい休日で紅葉狩りのハイカー
がこんなに殺到するのだと改めて感心する。外国人も多い。
ここでまるまる1時間強待ってようやくロープウエイに乗れた。
じっと並んで待っているとかなり寒くなった。秋も深まっている。
乗ったのがちょうど17時頃で出発から行動11時間、待ち1時間の
12時間。
かなりきつい山行だったが、心配した股関節の痛みは出なかった。
どうやら回復したようだ。
以前からのS師匠の企画がいい形で実現した。ここは雪のある
3,4月頃に雪山アルパインで企画されることが多いようだが、しかし
紅葉の頃もなかなか素晴らしい。
左俣は基本的に岩登りです。
(雪山の場合は一ノ倉沢の一ノ沢からシンセンのコルに登るらしい。)
しかしその先の登りは岩が脆く、草付きは脆くいやらしく、落石が怖い。
私たちも2度ほど大きな落石があり、1度は自分の方に向かってきて、
次は下の若者たちの方に落ちていきヒヤッとした。幸い逸れたけど
当たれば一巻の終わりくらい大きかった。事故にならなくて良かった。
先行者がいる場合ははるか上空から石が降ってくることもありうるわ
けで「運」とか「確立」の世界ですね。
谷川岳バリエーションルート特有の脆い岩。
これがあるから夏、秋はあまりお勧めではないようです。
ロープを出す場面もあることから5人で一杯一杯で、これ以上の人数
では無理でした。
私には久々に長丁場のアルパイン。
紅葉狩りもできたし厳しかったが思い出の山行になりました。