谷川岳東尾根 2
シンセン沢左俣から東尾根 15,10,18 (続き)
いいところで履き替えたと感じるほどこの先は急な岩場になってくる。
まだ水も少し流れているところもあり登山靴では滑るし。
8:25頃には本格的に岩が立ってきた。2級程度だがクライミング
の世界ですね。
何ヶ所もボルト、ハーケンがあるが、女性陣は力があるからSリーダー
もロープなどは使わずどんどん登っていく。皆もフリーで着いていく。
大分登ってきました。
8:40頃立った壁にぶち当たる。一見すると左手の壁が易しそうに
見えたのだが、Sリーダーが取り付いてみると意外に悪いらしい。
壁が逆層の岩でホールドも持ちにくいとのこと。足元はすっぱり切れ
落ちていてやり損なったら助からない。
幸いハーケンが打ってあるということなので、途中からだが私が担い
できたロープを出しビレイしてリードしてもらった。フォローで後から
登ってみても登り難い所だったから、無理しなくて良かった。
ハーケンがあるのでここを登る人もいるようだが、後から観察すると
沢状の部分がチムニーのようになっていて、中に入り込んで登るほう
が大滑落の恐れはないし易しかったかもしれない。
リーダーに上でビレイしてもらい皆がこの壁を登ると写真で見たこと
がある左俣最後の壁の下に出た。9:05頃。
壁を観察してみると岩が被った陰の部分は濡れている。中央に走る
小さなクラックも登れそうだが、やはり右手の立った大き目のクラック
を登るのだろう。ここは私がリードで取り付く。
1段上がってもう1度観察すると、右手のクラックの取り付きにハーケン
が打ってあった。このクラックはその先ハング気味のところがあったり、
少々水が流れていたりなかなか登り応えがある。ハーケン間隔の遠い
ところではカムを噛ませたりしながら登る。4級くらいとか聞いていたが、
先が分からないので慎重に登る。
仲間(Tさん)が写真を撮ってくれていたので追加。
(T)
一旦棚に出た。その先が垂壁となっていた。手持ちのヌンチャクがなく
なってきて、ロープも後10mくらいとかで、垂壁の先どこまで延ばせば
いいかも分からないのでここでピッチをきることにした。
ぼろいがハーケンが並べて打ってありビレイ支点を作れる。
ビレイの準備を整えてコールしてから棚から下を撮る。9:35頃。
フォローの最初が見えてきた。9:40頃。
棚に辿り着いたTさん。この写真は高度感に溢れている。
次にMさん。
次にCさん。
最後にSリーダーが登ってきたところで9:50頃でした。
棚は5人で一杯。直ぐにラストのリーダーが垂壁に取り付きリード
する。これを越えたら直ぐに左俣登攀終了のビレイ支点があった。
50mロープなら1ピッチで届くようだ。
順に取り付いていく。Cさん、Mさん。
そしてTさん。その後に私がラストで続く。
ビレイ支点から1段上がったところで棚状になっておりここが左俣
の終了点だ。ビレイ支点でロープを回収し終わったSリーダーが
棚に上がってきたところで少し休憩する。10:15頃から。
(T)
上州武尊山方面の大展望。山座同定してみれば楽しいだろう。
日光白根山や皇海山らしきが分かる。
5時に歩き始めたからもう5時間を越えた。マチガ沢に入ってからで
も3時間半、なかなか大変だ。大きな山を越えたかと思ったが、まだ
実はこれからが大変だった。
まだ稜線ははるかに遠く、10:30前頃から歩き始めるがルートが
判然としない。踏み跡は見当たらない。
しばらくまだ登山靴に履きかえる気がしないような脆い岩場が続き
また脆い岩と草付きとが交互に出てくるような嫌らしい登りが続いた。
そのためかこの後1時間くらい写真を撮るのを忘れていた。
(何の変哲もないような登りでも記録としては20分か30分に一度は
撮っておかないと後でとても困る。もうかなり記憶違いが多いし。)
写真がないので時間が分からないのだが、しばらく登ってから右俣
から第2岩峰を通過してきた若者2人が私たちの後から登ってきた。
(出会ったときをなぜ撮らなかったのだろう?これは惜しいことをした。)
次に少し立った岩場があり、リーダーはこれを避けて右手を巻いて
いったのだが、このトラバースが下が切れており嫌らしそうだったので
ここでもロープを出す。手前の岩にハーケンを打ってあったからルート
を外しているわけではないが、その先も判然としない。
若者たちは私たちがつかえていたので岩場を登ったようだが、これも
直ぐ先で落ち合った。
この先立ってはいるがわりとしっかりした岩場を私がロープを引いて
登り潅木でロープを固定した。皆はほぼロープを使わずに登ってきた。
ここで思い出したようにカメラを出して、皆の登りの写真を撮る。
11:40頃。変哲はないけど高度感はありました。
紅葉に染まった白毛門、笠ヶ岳、朝日岳に並ぶくらいの高さまで
上がって来たことが分かる。後からGPSの軌跡を調べると、この頃
大体1750mくらいまで上がっていた。(白毛門が1720m)
この先で若者2人は私たちを追い抜いていった。
しばらく登ると踏み跡も明瞭となってきたので、適当な棚で登山靴に
履き替えた。もう足が痛いし。
これからほどなく観倉台と思しき展望台地に出た。12:15頃。
第1岩峰とオキノ耳が目前となり、オキノ耳には沢山の人いるのが明
瞭に見て取れる。
(T)
(続く)