小川谷廊下 2 | 鬼川の日誌

小川谷廊下 2

  小川谷廊下  15,8,23           (続き)


  F9は大水量で迫力がある。大概の人たちはこの滝を向こうに潜
 り抜けることは考えないから、滝右手を登っている。しかしシャワー
 を浴びながら裏側に回り込めば階段状で登りやすい。

(Y) 
  なかなか気持ちのいい滝登り。                       

                        (Y)


  登ると先に大コバ沢が滝で合流する。11:50頃。


  次に石棚のゴルジュが始まる。F11石棚が見えてくる。


  まずはF10滝。これは登れないので左の崖を小さく巻く。


  石棚が現れる。先行の2人組み。


  石棚の前衛小滝のシャワークライム。

                       (Y)


  このシャワーもいい気持ち。

                        (Y)
  石棚全貌。これは登れません。
 石棚の右岸側にある崖を登ります。易しいが高さがあるので一応
 ロープを出す。


                       (昨年)
  石棚の上にトイ状滝がある。例年はここを一旦降ってトイ状を突っ
 張りで登った。しかし今回見たところ降りた場所から深そうで、完全
 に泳ぎで取り付かなければならない。またこれだと石棚に流される
 かもしれない。この釜はもともとこんなに深く掘られているのだと知り
 とても驚いた。


  昨年の写真を見ると釜の中央部まで砂利で埋まっていて取り付き
 部分だけ水に入ればよかった。この突っ張り登りも楽しみだったが。
 この釜を埋めていた土砂だけでトラック何台分になるのだろう。底
 知れぬ増水の威力に唖然とする。


  降りたところから泳ぐ気にもならずここはその上の小滝とともに
 巻いた。沢に戻るロープがあった。


  この上はしばらくきれいなゴルジュが続く。
 ともかく今日は谷、流れる水がきれいだ。


  一旦流れが穏やかになったあたりで12:30頃から休憩する。
 その先深い谷になっていていかにも廊下という感じの場所は例年
 流木が一番溜まっているところだが、今日はほとんどなかった。


  いつ来ても深い釜を持つこの滝F12(?)はもちろん泳いで取り付
 かなければならないし、流れを直登するともろシャワーで難しく楽し
 そうだが挑戦したことはない。大概この辺まで来ると既に寒くなって
 いて泳ぐ気がしないようだ。12:50頃。
 左手を小さく巻きあがる。


  小滝をシャワーを浴びながら越えて行く。13:00頃。


  また深い釜を持った小滝からゴルジュが始まるが、この釜も昨年
 はほぼ歩けるほど埋まっていた。(下写真)


  狭い流れを抜ける。


  その先に最後のF13滝が見えてくる。13:15頃。


  その前のゴルジュもこんなに掘れてはなかったと思いながら進む。

  さてラストの滝。釜がやはり凄く深くなっている。


  ここは釜から取り付けばホールド豊富とは聞いているのだが、
 これだけ深いと泳いでの取り付き一歩が難しそうで、またいつもの
 ように、右手壁中段上に打たれているボルトとスリングの方に登り、
 ヌンチャク、ロープをかけて滝側にトラバースする。このトラバース
 がなかなか悪くホールドが見つからない。ようやく滝脇にあるフット
 ホールドに足を乗せられて立ち上がれればハンドホールドも見つ
 けられ、以後は難しくない。
 (ボルトの上を直登することも試してみればよかったが、濡れた
  のっぺりホールドで悪い。)

                       (Y)
  まあともかく滝上に上がりビレイ支点をセットする。

 
  皆もラストの滝登りを楽しむ。



                       (Y)


  滝脇に来るまでやはり苦労してました。


  上がるといつもの壊れた堰堤です。その前も釜が深かった。


  堰堤を抜けたところで13:50頃。
 この堰堤も土石流でぶち壊されたのだろうが凄い破壊力。この堰堤
 が残っていたなら、多分この上は堰堤を埋め尽くす土砂で広々とした
 河原になっていただろう。


  少し先に行くと旧ワサビ田に入る踏み後があるので、ここで休憩
 を兼ねて登山靴に履き替える。私は沢靴でそのまま降りるつもり。
 ワサビ田跡まで来て、ヒル避け剤を靴に振り掛けておく。昨年は雨
 模様だったこともあるが、ヒルに取り付かれた。


  仕事道から登山道に入り林道に出るまで40分ほど。
 登山道は危ないところはロープが張ってあるが崩壊が激しい。


  林道に15時ちょうど頃着いた。この先の県民の森入り口でヒル
 チェック。今日は天気もいいし誰もヒル被害はなかった。


  降る途中鹿の親子に出会った。彼らがヒルを撒き散らしているし、
 食害も深刻なのだが鹿を管理するのはなかなか大変なようだ。


  15:30頃には車に着いたと思う。ここで着替えをしていつもの風
 呂屋(山北駅近く)に寄ってさっぱりして帰宅する。

  今回は最初のF2からトイ状滝の流れに突っ込み頭からシャワー
 を浴び、叩き落されるような水の力を思い知らされる厳しい登りを
 体験させられた。非常に勉強になった。
 ここが核心だったかな。
 その他全体としてこの間の増水で沢の様相が異なっていて、初めて
 の沢かのようで楽しめた。とりわけゴルジュの釜がすべて深くなってい
 ていちいちの小滝の突破が難しくなっており面白かった。
 沢はその度に違うものだと改めて思わされた。
 もともとここは花崗岩の白さが印象的できれいな沢だが、増水で磨か
 れたか一段ときれいだった。

   * 同行の氏(Y)の写真をお借りしました。