小川谷廊下
小川谷廊下 15,8,23
前夜発テント泊で大常木谷に行く予定だったが、丹波山村、奥多
摩付近雨予報で止めて、比較的予報が良い丹沢小川谷廊下に急
遽変更した。お盆の頃に計画して流れたということもある。
玄倉林道から小川谷林道には車では7~9月間入れない。県民の
森に入る人がほとんどいないのだろうか?玄倉林道入り口付近の
河原には家族連れのキャンパーで大賑わいなのだが。通行がやっと
なくらい道路一杯に駐車している。
小川谷林道入り口付近に車を止めて歩く。立間大橋を過ぎると道
路脇に湧水がある(立間湧水?)。道路を水浸しにしていることが
よくあるが今日は溢れていなかったから、谷の水もそう多くはないの
かと思ったがどうやら排水溝が詰まってなくて流れていただけなのか
もしれない。
ともかく丹沢はここしばらく増水が続いていたらしい。
小川谷には林道中間から降りられるのだが、早めに降りると堰堤
を二つほど越えて行かなければならない。県民の森の少し手前の
尾根を降って沢に降りるのが結局一番楽かな。最後が崖だがロープ
が張ってあった。今日は4人です。
直ぐにF1です。奥にF2の大岩とその奥のF3の滝も見える。
実際はこれは小滝でナンバーは付けないレポもある。
乗り越えは小手調べ。
滝上に上がって大岩を見ると左のトイ状滝を先行グループが登っ
ている。右手の垂壁が大量の水を被っているからのようだ。いつも
は垂壁にはちょろちょろとしか水はなく、残置のアブミが残されてい
るのでかなり腕力が要るがこれを登っている。しかしこれだけ水が
溢れるように覆っている上アブミは見つからず、立てかけるに適当
な流木もない。
垂壁をあきらめてトイ状滝を見ると先行グループがいかにも沢は
初めてですという感じのお嬢さんを上げようと奮闘しているところ
だった。抜け口近くのボルトにはアブミまでぶら下げてあった。お嬢
さんは沢靴でもない(運動靴?)ようだ。このときで10時頃。
必死のお嬢さんが引き上げられたところで滝に取り付く。なるほど
トイ状に水が集められた場合の水圧は物凄い。なるべく水流外に
身体を出そうとするが取り付き部分は突っ張りが出来ず一旦は中
に入るので体を引き上げるのが大変だった。
写真の辺りまで上がってリングボルトにカラビナとスリングアブミを
掛けたのだが、滝の落ち口を抜けるのがまた大変で、なかなかいい
ホールドが見つからず、溢れる水を被り溺れるかと思いながら何と
か脱出することが出来た。上手く突っ張りが出来なかったようだ。
相当な水量の中でも前進することが出来るものだと感得すること
が出来たのは収穫だったが、大変だった。これに比べれば先日の
逆川F1の1段目とか大水量のF6や葛葉川板立ノ滝のシャワーク
ライミングなどは楽なものだと思う。身体が叩き落されるほどの水
圧は厳しい。この滝も登ってみたいとは思っていたので念願は叶っ
たのだが。
もう一つ反省点がある。ボルトにロープを掛けた後もし落ちた場合、
ビレイで着地は防いでもらえるが、滝の中で体勢悪く止まることもあ
るので直ぐに降ろしてもらわなければ溺れる可能性がある。この辺
の打ち合わせをビレイヤーと確認しておく必要がある。
滝落ち口を抜けると少し上の壁にボルトがありこれを支点にして
仲間を引き上げた。
下の写真2枚は最初に上がってきた仲間が撮ってくれた。
(Y)
皆が上がってきてロープを収納しF3に向かうが滝の写真を撮り
忘れてそのまま壁を登ってしまったので、13年の写真を載せる。
滝上から下の仲間の写真を撮ったのが10:30頃。
ここは流れの直ぐ左はスラブだがホールドはある。皆はさらに左の
壁際を登ってきた。
また直ぐにF4でこれは流れの中を飛沫を浴びながら登るのが楽
しいところだ。10:40頃。
次にF5となる。これも滝の写真を撮り忘れた。上は13年のもの。
水量によっては滝側を登ることも出来るようだが、滝横を登る。
10:50頃。
その上の小滝は巻かずに滑り台を登ってみればよかった。
次の大岩は流れの中を回り込むとつるつるに磨かれた岩に乗り
あがる。この一歩がよく滑るのだが今日は下にフットホールドが
見つかったから簡単。ということは今日は水量自体はそれほど多い
というわけでもないことになる。F2の右垂壁が水を被っていたのは
水を止めていた砂や岩が流されてしまったから流れが変わったの
かもしれない。(F2の右壁は増水ではなくとも年により流れがあった
りなかったりしているようだ。)
さらにF6と続く。大水量ではないとはいえそれなりの水量で滝の
直登はまた水の中となるので止めて、大岩の右を回り込む。
次の小滝にはF2で頑張っていたグループと後から追いついて来
た2人組みが登っていた。ここもいつもは左手は水が流れてない
場合が多い。水量が多いだけではなく流れが変わっているようだ。
私はいつものように2人組みの登った方に取り付いてみたら、下が
釜になっていてより難しくなっていた。それで皆には右手の滝横を
登ってもらった。
小滝を登り次のF7に着くとお嬢さんグループのリーダーが滝を登
りロープを張ってビレイの体勢を作っているところだった。お嬢さん
2人を連れてくるぐらいで、F2もそうだがかなり力がある人のようだ。
11:20頃。
この滝は今の右手のルートだけでなく左手も登れるらしい。私は
どちらか登ってみるつもりだったが、しかし左手は釜が深くなってい
て泳ぎになり取り付きが難しくなっている。右手はこの組を待たなく
てはならず、待っていては進まないので右手壁からを巻くことにした。
この組とはこの後会うことはなかったが、この滝を登るのはお嬢さ
んは多分無理だったのではないかと思う。トラバース気味の登りで
上から引き上げるわけにはいかないし、そうなるとクライミングの
力がないと難しいからだ。どうしたやら?
その上のひょんぐりの滝。この滝は釜が深いが下を潜れる。
この滝を上がった辺りで11:30頃。
この滝を上がって進むとつるつるの大岩が見えてくる。
大岩の右手が滝になっているが流木が積み重なったような垂直の
滝になっており、ひょんぐりの滝は小さいのでFナンバーを付けると
すればこちらのほうがF8かな?ここは登ったことはないし、今回も
偵察もしなかったので滝の様子は分からない。
いつものようにロープを使って登る。支点付近ロープが傷んで
いるようだった。この先切れなければいいが。
上がると右手が大きな一枚岩の岩壁となっている。昨年の同じ場
所の写真(下)を見ていて気が付いた事がある。下の写真右の人の
ヘルメットの上を亀裂が斜めに走っているのだが、今年の写真では
ちょうどこの亀裂が沢床に隠されながら走っているようで、亀裂より
下がほぼ埋まっている。左手の人の後ろの岩の抉れ部分がほぼ頭
の高さまで埋まっているようだ。つまり今年の私たちが今いる場所は
昨年より1mほど砂利で埋められ高くなっているらしいのだ。そうい
えば沢中の岩も見えなくなっている。沢の変化は凄い。
ということは岩横のF8滝も1mは高くなっているわけだ。
実際次のゴルジュ入り口の小滝の釜が凄く深くなっていた。
これも昨年のもの(下写真)と比較してみると、釜の半分を埋めて
いた砂利がきれいになくなっているのが分かる。
下流もそうだったがこの先のゴルジュ内の滝の釜がすべて掘られ
て深くなっていて、いちいちの滝突破が昨年とは全く違った様相に
なっていた。泳ぐつもりならどうということはないのだが、落ちない
ようにヘツルとすべて難しくなっていた。
どこも釜が深いと思いながら進んだのだが、具体的に比較資料が
あると良くわかる。それにしても砂利、岩をごそっと浚って移動させ
てしまう増水したときの水の力は恐ろしい。
次の小滝も釜が深いので先行2人組みは手前の崖を難しく登って
いたが、少し泳いで取り付けば易しく登れる。
(Y)
確か昨年はこんなところで泳いだ覚えはない。
この小滝で11:45頃。この先の印象的なゴルジュ内の小滝を2人
組みが突破している。ここはシャワーを浴びながら楽しいところだ。
私たちも楽しみながら登る。
そしてこれを抜けると大水量の水を飛ばしているF9となる。
先行2人組みが滝右の壁を登っている。
(続く)
前夜発テント泊で大常木谷に行く予定だったが、丹波山村、奥多
摩付近雨予報で止めて、比較的予報が良い丹沢小川谷廊下に急
遽変更した。お盆の頃に計画して流れたということもある。
玄倉林道から小川谷林道には車では7~9月間入れない。県民の
森に入る人がほとんどいないのだろうか?玄倉林道入り口付近の
河原には家族連れのキャンパーで大賑わいなのだが。通行がやっと
なくらい道路一杯に駐車している。
小川谷林道入り口付近に車を止めて歩く。立間大橋を過ぎると道
路脇に湧水がある(立間湧水?)。道路を水浸しにしていることが
よくあるが今日は溢れていなかったから、谷の水もそう多くはないの
かと思ったがどうやら排水溝が詰まってなくて流れていただけなのか
もしれない。
ともかく丹沢はここしばらく増水が続いていたらしい。
小川谷には林道中間から降りられるのだが、早めに降りると堰堤
を二つほど越えて行かなければならない。県民の森の少し手前の
尾根を降って沢に降りるのが結局一番楽かな。最後が崖だがロープ
が張ってあった。今日は4人です。
直ぐにF1です。奥にF2の大岩とその奥のF3の滝も見える。
実際はこれは小滝でナンバーは付けないレポもある。
乗り越えは小手調べ。
滝上に上がって大岩を見ると左のトイ状滝を先行グループが登っ
ている。右手の垂壁が大量の水を被っているからのようだ。いつも
は垂壁にはちょろちょろとしか水はなく、残置のアブミが残されてい
るのでかなり腕力が要るがこれを登っている。しかしこれだけ水が
溢れるように覆っている上アブミは見つからず、立てかけるに適当
な流木もない。
垂壁をあきらめてトイ状滝を見ると先行グループがいかにも沢は
初めてですという感じのお嬢さんを上げようと奮闘しているところ
だった。抜け口近くのボルトにはアブミまでぶら下げてあった。お嬢
さんは沢靴でもない(運動靴?)ようだ。このときで10時頃。
必死のお嬢さんが引き上げられたところで滝に取り付く。なるほど
トイ状に水が集められた場合の水圧は物凄い。なるべく水流外に
身体を出そうとするが取り付き部分は突っ張りが出来ず一旦は中
に入るので体を引き上げるのが大変だった。
写真の辺りまで上がってリングボルトにカラビナとスリングアブミを
掛けたのだが、滝の落ち口を抜けるのがまた大変で、なかなかいい
ホールドが見つからず、溢れる水を被り溺れるかと思いながら何と
か脱出することが出来た。上手く突っ張りが出来なかったようだ。
相当な水量の中でも前進することが出来るものだと感得すること
が出来たのは収穫だったが、大変だった。これに比べれば先日の
逆川F1の1段目とか大水量のF6や葛葉川板立ノ滝のシャワーク
ライミングなどは楽なものだと思う。身体が叩き落されるほどの水
圧は厳しい。この滝も登ってみたいとは思っていたので念願は叶っ
たのだが。
もう一つ反省点がある。ボルトにロープを掛けた後もし落ちた場合、
ビレイで着地は防いでもらえるが、滝の中で体勢悪く止まることもあ
るので直ぐに降ろしてもらわなければ溺れる可能性がある。この辺
の打ち合わせをビレイヤーと確認しておく必要がある。
滝落ち口を抜けると少し上の壁にボルトがありこれを支点にして
仲間を引き上げた。
下の写真2枚は最初に上がってきた仲間が撮ってくれた。
(Y)
皆が上がってきてロープを収納しF3に向かうが滝の写真を撮り
忘れてそのまま壁を登ってしまったので、13年の写真を載せる。
滝上から下の仲間の写真を撮ったのが10:30頃。
ここは流れの直ぐ左はスラブだがホールドはある。皆はさらに左の
壁際を登ってきた。
また直ぐにF4でこれは流れの中を飛沫を浴びながら登るのが楽
しいところだ。10:40頃。
次にF5となる。これも滝の写真を撮り忘れた。上は13年のもの。
水量によっては滝側を登ることも出来るようだが、滝横を登る。
10:50頃。
その上の小滝は巻かずに滑り台を登ってみればよかった。
次の大岩は流れの中を回り込むとつるつるに磨かれた岩に乗り
あがる。この一歩がよく滑るのだが今日は下にフットホールドが
見つかったから簡単。ということは今日は水量自体はそれほど多い
というわけでもないことになる。F2の右垂壁が水を被っていたのは
水を止めていた砂や岩が流されてしまったから流れが変わったの
かもしれない。(F2の右壁は増水ではなくとも年により流れがあった
りなかったりしているようだ。)
さらにF6と続く。大水量ではないとはいえそれなりの水量で滝の
直登はまた水の中となるので止めて、大岩の右を回り込む。
次の小滝にはF2で頑張っていたグループと後から追いついて来
た2人組みが登っていた。ここもいつもは左手は水が流れてない
場合が多い。水量が多いだけではなく流れが変わっているようだ。
私はいつものように2人組みの登った方に取り付いてみたら、下が
釜になっていてより難しくなっていた。それで皆には右手の滝横を
登ってもらった。
小滝を登り次のF7に着くとお嬢さんグループのリーダーが滝を登
りロープを張ってビレイの体勢を作っているところだった。お嬢さん
2人を連れてくるぐらいで、F2もそうだがかなり力がある人のようだ。
11:20頃。
この滝は今の右手のルートだけでなく左手も登れるらしい。私は
どちらか登ってみるつもりだったが、しかし左手は釜が深くなってい
て泳ぎになり取り付きが難しくなっている。右手はこの組を待たなく
てはならず、待っていては進まないので右手壁からを巻くことにした。
この組とはこの後会うことはなかったが、この滝を登るのはお嬢さ
んは多分無理だったのではないかと思う。トラバース気味の登りで
上から引き上げるわけにはいかないし、そうなるとクライミングの
力がないと難しいからだ。どうしたやら?
その上のひょんぐりの滝。この滝は釜が深いが下を潜れる。
この滝を上がった辺りで11:30頃。
この滝を上がって進むとつるつるの大岩が見えてくる。
大岩の右手が滝になっているが流木が積み重なったような垂直の
滝になっており、ひょんぐりの滝は小さいのでFナンバーを付けると
すればこちらのほうがF8かな?ここは登ったことはないし、今回も
偵察もしなかったので滝の様子は分からない。
いつものようにロープを使って登る。支点付近ロープが傷んで
いるようだった。この先切れなければいいが。
上がると右手が大きな一枚岩の岩壁となっている。昨年の同じ場
所の写真(下)を見ていて気が付いた事がある。下の写真右の人の
ヘルメットの上を亀裂が斜めに走っているのだが、今年の写真では
ちょうどこの亀裂が沢床に隠されながら走っているようで、亀裂より
下がほぼ埋まっている。左手の人の後ろの岩の抉れ部分がほぼ頭
の高さまで埋まっているようだ。つまり今年の私たちが今いる場所は
昨年より1mほど砂利で埋められ高くなっているらしいのだ。そうい
えば沢中の岩も見えなくなっている。沢の変化は凄い。
ということは岩横のF8滝も1mは高くなっているわけだ。
実際次のゴルジュ入り口の小滝の釜が凄く深くなっていた。
これも昨年のもの(下写真)と比較してみると、釜の半分を埋めて
いた砂利がきれいになくなっているのが分かる。
下流もそうだったがこの先のゴルジュ内の滝の釜がすべて掘られ
て深くなっていて、いちいちの滝突破が昨年とは全く違った様相に
なっていた。泳ぐつもりならどうということはないのだが、落ちない
ようにヘツルとすべて難しくなっていた。
どこも釜が深いと思いながら進んだのだが、具体的に比較資料が
あると良くわかる。それにしても砂利、岩をごそっと浚って移動させ
てしまう増水したときの水の力は恐ろしい。
次の小滝も釜が深いので先行2人組みは手前の崖を難しく登って
いたが、少し泳いで取り付けば易しく登れる。
(Y)
確か昨年はこんなところで泳いだ覚えはない。
この小滝で11:45頃。この先の印象的なゴルジュ内の小滝を2人
組みが突破している。ここはシャワーを浴びながら楽しいところだ。
私たちも楽しみながら登る。
そしてこれを抜けると大水量の水を飛ばしているF9となる。
先行2人組みが滝右の壁を登っている。
(続く)