スッカン沢・桜沢 | 鬼川の日誌

スッカン沢・桜沢

    鹿股川、スッカン沢・桜沢  15,7,11・12


  ようやく晴天が見込まれるようなり、スッカン沢・桜沢沢登りのお誘
 いがあった。全然知らない沢でなんて名だと思ったが、幾つか調べ
 てみると、割と気持ちの良さそうな遡行が出来そうで参加することに
 した。とりわけスッカン沢は、冬側壁からの氷柱が見事で有名な所ら
 しい。雪を踏んでの散歩も楽しそうなところだ。

  11日夜出かけて東北道矢板ICで降りて八方ヶ原にある「山の駅
 たかはら」でテント泊仮眠。広い駐車場で同じ沢登りらしい車が何台
 か来てテントを張っていた。来た山道はくねくねと折れ曲がり、私た
 ちの後ろを飛ばして付いてくる車がいるなと思ったら、ローリング族
 かなにかこの山道を走りに来ているらしい。そのまま先に降っていく
 とさらにきついカーブの続く山道で塩原温泉の方に行く。

  12日快晴。久しぶりにすっきりした朝だ。


  駅売店の横にシモツケ(?)とミヤマオダマキが咲いていた。


  準備を整えトイレ横から遊歩道を下っていく。6:20頃か。
 桜沢の支流右岸沿い。


  7:00頃に桜沢の雷霆(らいてい)の滝。これから辿る滝には咆哮
 霹靂の滝とか雄飛の滝とか凝った名前が付いている。多分漢文の
 素養のある人が付けた名前なのだろう。
 咆哮滝と霹靂滝は左右に分かれた二つの滝で咆哮も霹靂もまあ
 使う言葉で分かるし、雄飛も何となく。しかしライテイの霆の字は
 使ったことはない。小さい字が見えなくなった目玉で辞書を引いて
 みるとこれも激しい雷やその稲光や音のことで、あわせて雷鳴轟く
 ような滝ということらしい。想像力、感性が豊かです。


  滝を見物して少し降ると遊歩道は桜沢を渡る。


  その下でスッカン沢の雄飛の滝への遊歩道との分岐となる。今は
 この遊歩道は通行止めとなっているが、沢屋には全く問題ない道で
 スッカン沢遡行後ここに降ってくるはずである。


  そして5分ほどで咆哮霹靂の滝に着く。7:20頃で出発から1時間。
 ここは桜沢で直ぐ下流がスッカン沢と桜沢の合流点だ。
 右側が咆哮滝、左が霹靂滝となっている。


  ここで休憩と沢装備を初めもろもろ準備を整えてスッカン沢に入る。
 7:40頃か。


  独特の側壁が見ながらまあ普通の沢歩き。



  うす青く濁った流れで、これは温泉成分(溜まった物は薄茶色の)が
 混ざってなっているらしく、そのため酢辛く飲めないというので酢辛い
 沢、スッカン沢と変わった名前になっている。


  8:00頃、遊歩道通行止めの原因となったらしい側壁の崩壊場所。
 遊歩道の一部が岩に埋もれている。
 残った岩壁が蜂の巣のように、柱を無数に打ち込んだようになって
 いるから、これは柱状節理らしい。


  直ぐ近くの岩壁にもっと典型的な柱状節理が見られる。柱状節理
 は噴出したマグマが冷え固まるときに出来るのだから、この一帯は
 火山の噴出物で出来ていることになる。
 沢は遊歩道橋の下を潜る。


  橋を潜って進むと右岸に大岩壁が現れる。


  幾筋もの滝を落として見事な眺めだ。冬にはこれが見事な氷柱と
 なるのだろう。確かに見物に来てみたいと思うは。


  その側壁を辿ると先に雄飛の滝が現れる。8:10頃。


  水量多く釜はうす青く深そうで取り付くことも出来そうにない。


  しばし滝を眺めて左岸の遊歩道に上がり巻く。途中展望台があるが
 この滝は見えない。崖っぷちを少し降れば見られるのかもしれないが
 私たちは正面から見たのだから先に進む。
 そして踏み跡を辿り沢に降りると仁三郎の滝である。


  この仁三郎の滝の写真は帰路の遊歩道から撮ったものだが、
 滝前で少し休憩。8:25頃から。


  スッカン沢ではこの滝が唯一滝登りらしい登攀が出来る。釜が
 深いので壁に取り付くまでが大変だが、取り付けばほぼ問題ない。
 一応ロープを固定して、ゴボウでも登れるようにする。

                       (Y)


  皆が登り終わり進むと右岸から草木の生い茂ったきれいな滝で
 枝沢が合流する。8:50頃。


  その先に右岸からスダレ状に落ちる滝が見られる。9時過ぎ頃。


  滝に打たれる岩にきれいなコケが生えていた。遊歩道から見られる
 滝で素簾の滝(つまりスダレの滝)というのがあるらしいのだが、帰路
 この滝には気が付かなかったからこれかどうか分からない。
 冬枯れの季節には見えるのかもしれない。見られるとすれば冬には
 素晴らしい氷柱になるだろう。


                      (Y)


  その先に深い淵があった。泳ぐほどではないが腰上まで漬かる。



  また濡れないでは乗りあがれない岩がある。腰まで漬かった後だ
 から濡れるのはいいが背の低い者にはマントリングが微妙。


  コケに覆われた大岩を越える。


  先に2段くらい5mほどの滝を越えて行く。ここらは楽しい所だ。


  その先は沢が開けてくる。


  9:30を過ぎた頃雄飛橋が見えてきて、スッカン沢の遡行は終了
 である。遊歩道に上がって休憩する。


  私たちが休んでいるとちょうど雄飛橋からガイドに連れられた20人
 ほどの団体さんが遊歩道に降りてきた。ジジババの団体さんで滝見
 物だと思われる。私たちは休憩後直ぐに団体さんたちを追い越した
 から彼らが何処まで行ったのかはわからないが、行けたとしても雄飛
 の滝の展望台までだろう。しかしここから滝は見えないし、彼らには
 崖は降れるのかしら?ガイドはどうするのやら。 

   (続く)