勘七ノ沢 | 鬼川の日誌

勘七ノ沢

   勘七ノ沢は大賑わい  15,6,7


  今日は日曜日。県民の森ゲート前は沢山の車が停まっている。
 沢にも大勢が入るだろう。二俣で沢装備をつけているうちに、10
 名ほどの団体さんに先に行かれてしまった。
 私たちは3名。


  薄暗い沢に入るとまず堰堤を越す。9:45頃。


  F1に来ると先ほどの団体さんを初め10数名が順番待ち。その
 団体さんのリーダーに聞けば、今日は更に先に10名ほどの団体
 も入っているらしい。これはこのままでは何処までいけるやらという
 ことになりそうで、先のリーダーに中間に入れてもらうよう頼みOK
 してもらった。でリーダーの後で私たちのロープを引いて上がり、
 私たちの支点を作り、団体さんたちと交互に、私たちの2人に登っ
 てもらった。

  その直前団体さんのお嬢さんにヒルが取り付いていて(まだ食い
 ついてはいなかった)取り去ることも出来ずにいたので、取ってやり
 石で潰してやった。ここで出るということは今までなかったから今年
 は相当多いのだろう。

  団体さんたちはリーダー以外は初心者が多いようで引き上げにも
 かなりな時間がかかりそうだ。私たちは10:10過ぎには2人が上
 がってきてなんとか混雑を抜けることが出来た。



  F2に着くと3名組みの1人が上に行ったところで私はそのまま
 ロープを引いてフリーで登る。(ここは高さはあるのだが途中支点
 がない。しかしホールドは豊富だから慎重に行けば問題ない。)

                      (Y)
  高さはあるし岩が少しもろいので2人にはビレイする。


  この先は巨大な堰堤でこれを巻いて登る。10:30頃。


  F3に着くと先行の10名ほどの団体さんが右手トラバースルートに
 ロープを張って取り付いている。しかも1人1人ビレイしているようで
 なかなか終わりそうもなく、止むを得ないので左手の苔むした崖を登
 ることにする。
 ところが取り付き始めコケで滑って2,3m落ちて釜にドボン。頭まで
 沈んだが幸いザックの中身はほとんど濡れなかった。こんなこともあ
 るのでパッキングはしっかりしておかないと。
 もう一度チャレンジして落ちないように慎重に登る。中間に1ヶ所
 ハーケンがあった。



 (Y)     
  支点を作りビレイして2人が登る。


                       (Y)
  F3を過ぎると人は少なくなった。F4に11:05頃着いた。
 なかなか立派な滝です。

                       (Y)
  2段目は滝の右手の岩稜の裏にチムニーがありこれを登る。
 滑らないよう慎重に登ればロープは要らない。
 11:10過ぎには上がった。滝下には別のGが取り付き始めた。


  これから堰堤群を越えて行く。


  最初の堰堤はマントリングで越えられるのでその練習していたら、
 後ろから来た4名グループに先に行かれた。3番目と4番目の堰
 堤は巻き道がある。5番目は大きい堰堤で、左が登れる。



  堰堤が終わり進むと倒木の向こうにF5大滝が見えてくる。
  

  滝下に着いたところで先行の4人Gが登り始めた。11:45頃。
 私たちは多分大滝登攀で待たされると予期して途中休まずに来た。
 F2、F3と一緒だった3人組は途中休んでいた。
 4人組の登攀を見物しながら休憩するが、前が一組だけは意外。
 団体さんたちはF1やF3で躓き遅れているのは分かっていたが。
 結局この辺が今日勘七ノ沢のトップになっているようだ。


  私がリード登攀で取り付いたのが12時くらいになった。もう1組
 (3人)は滝を巻いて登り、ここをトップロープで練習するとかで上で
 私たちが登り終わるのを待機していた。

  ここは滝上に懸垂下降も出来る支点がある。ビレイ支点を作り
 2人に登ってもらう。この大滝が勘七ノ沢のハイライトだ。3級+
 くらいで難しいわけではないがリードでは滑らないように気を使う。
 後続2人をビレイするだけなので登り終わるのも早い。


  下で少し休んだので大滝を登攀してそのまま上の小滝群に取り
 付き登っていく。12:25頃から。


  次々に適度な小滝が現れる。楽しいところだ。


(Y)


  この小滝は夏なら頭からシャワーを浴びて上れば楽しそうだが。

                       (Y)

  そしてゴルジュに入る。

                      (Y)
  ここは下手にトラバースで側壁を行くより濡れるけれども釜に入り
 中央突破が楽しい。


  ゴルジュ内の黒光りする小滝。


  ゴルジュ出口の小滝。こうしたコケの多い滝は流れの中に足場
 を探す方がコケが少なく滑らない。

                      (Y)
  ここはシャワーを浴びながら楽しい登攀です。12:40頃。


  これを登ると奥に堰堤が見えてくる。

                      (Y)
  堰堤の下がF6になる。ぬるぬるだが流れの中に足場を探せば難
 しくはない。


  堰堤は右手が壊れている。堰堤の上で休憩。12:45頃から。
 休憩中1人の指にヒルが食いついているのが見つかった。吸血の
 最中で引き剥がそうとしても簡単には離れない。無理して千切ると
 口器が残ったりするらしく、山ビルファイターを掛けるところりと離
 れる。落ちたのを石で叩き潰す。殺さないと吸血後卵を産むらしい。
 (山ビルファイターは肌に直接掛けるなとある。塩をかけたり火を
 近づけるのがいい。塩(濃い塩水)だとナメクジと同じで縮んで破
 裂する。塩水を用意するのが一番か。)
 
  ここでリスにハーケンを打ち込んでみたり、カム、ナッツの扱い
 方の練習をする。同じようなことをやった人たちがいたらしく、壁
 に古いハーケンが残されていた。

  また歩き始めると直ぐ上が片側崩壊地の二俣。
 二俣にかかる小滝を越えるとまだ小滝が続いているが、この先
 はもう目だった滝もなく大崩壊地に出て、その先花立への枝沢に
 入る。この枝沢から更に枝沢へ入るのだが、これが相当に崩壊が
 激しく、巨岩が今にも落ちそうな様相で挟まっておりあまりお勧め
 ではない。
 今日来た2人はこの沢は初めてだから花立へ抜けるルートも覚え
 ておいた方がいいのだが、この辺りで左岸の尾根に取り付くに良
 さそうな斜面となっているので、これで沢を離れることとする。私は
 これまで途中で離れたことがなかったし。13:30頃。


  この尾根もいかにもヒルの生息地という感じだから、山ビルファイ
 ターを靴に降りかけておく。
 急ではあるが割りと早めに安定した尾根に乗れた。


  乗った尾根をそのまま上へ上がっていくが、稜線とおぼしきが見
 える辺りから右手へトラバースする方が登山道と合流しやすい。
 そのまま上がっても結局鹿柵に阻まれるようだ。
 鹿柵の隙間から登山道に飛び出すと、花立と堀山の中間にある休
 憩ベンチのあるところに出た。14:10頃かな。
 尾根に取り付いて40分くらい。藪漕ぎは一切なし。


  ここで沢装備を解き着替える。ついでにヒル点検。そしたらまた
 1人今度は足に食いついているヒルを見つけた。これも吸血して
 いた。どうも勘七ノ沢はヒルが増えているようだ。
 (食われなかったのは私だけ。多分不味いのだろう。)

  ヒルに食われ(吸血され)ても大したことはないのだが、ヒルジン
 のせいでいつまでも血が止まらず不快だ。(リムーバーなどで吸い
 出せば早く止まる。)後で痒みが出ることがある。これは雑菌のせ
 いだろう。清潔な水で洗った方がいい。

  しかし何よりその感触がどうにも受け付けない人が多いようで食
 いつかれていても「キャーキャー」言ってるだけで、摘まんで取る事
 すらできない人がいる。(ただし吸血中は簡単には引き剥がせない
 し、無理すると食い込んだ口が皮膚に残ったりして、切開しないと
 取れなくなったりすることもある。)F1のお嬢さんもそうだったが。
 まあ確かに出来るものなら摘まみたくはないけどね。
 叩き潰してみると分かるのだが、相当に弾力性に富んだゴムのよう
 で石などでも簡単には潰せない。先にも述べたが濃い塩水が一番。
 (山ビルファイターなどの市販品があればそれ。)
 それにしても丹沢(特に東)はヒルに占領されてしまった。


  近くにウツギが咲いていた。結構きれいです。


  14:30過ぎ頃に降り始めたが、同行2人とも足が速い。
 快調に飛ばして降ったので大倉発15:55のバスに乗れた。
 私も一生懸命に付いて降ることは出来たのだが、実はこの日家
 に帰り着く頃には膝が痛み始め、階段の登り降りはもちろん歩く
 のも辛い状態になってしまった。
 (多分だが沢の前にジムのボルダリングで難しい課題の一手が
 取れず、2mくらいを何回も飛び降りた衝撃で既に傷めていたの
 かもしれない。)
 年寄りは無理してはいけませんね。

  膝痛が長引いてはえらいことになるので心配になり、シップをし
 たり緩やかに屈伸運動などを繰り返し、丸1日くらいで歩くのには
 支障がない程度に回復した。まあ幸い長引くことはなさそうだ。
 
  (同行Y氏の写真を何枚かお借りしました。)