新茅ノ沢 | 鬼川の日誌

新茅ノ沢

  新茅ノ沢  15,5,30


  桧洞丸のシロヤシオが満開のこの時期(今年は少し早まったよう
 だが)桧洞沢から遡り鑑賞しに行く予定にしていた。しかし予報が
 悪かった(大はずれだったが)ので、30日日帰りにして新茅ノ沢に
 いくことにした。今回は8名。

  大倉からいつものように歩き出して竜神ノ泉。9:35頃。


  新茅荘前の広場には沢山の車。もう緑はすっかり濃い。


  新茅ノ沢入り口は橋の下からで入り口付近はとても暗い。
 暗くてカメラがぶれてしまう。10:40頃。


  直ぐにF1であるがここも薄暗い。私はこの沢には沢登りを始めた
 頃に一度来たきりでチャンスを逃していて久しぶりだし、その時は
 連れてきてもらったわけで、あまり良く憶えてない。
  

  F1は滝左を登るがグズグズの状態であまり良くないし高さもそれ
 なりにあるので、ロープを固定する。固定ロープにフリクションノット
 を作って登るか、ゴボウで登るかはあまり難しくはないのでどちら
 でもいい。


  フリクションノットを手早く作るためにもいろんな方式があるけれど
 自分の作り方を決めておいたほうがいい。そしてそのためのスリン
 グとカラビナなどは別個に用意しておくべきだ。


  F2これもそれなりに立派な滝である。F5の前にこんな滝があった
 とは覚えてなかった。11:05頃から。


  難しくはないが高さもあるのでロープを出しビレイしてもらい登る。
 ハーケンはちゃんと打ってある。

                      (Y)

  ここは上で支点を作りセカンド以降ビレイして登ってもらう。


  7人をビレイすればそれなりに時間が掛かる。


  その上のF3は問題なく各自で登る。11:20頃。


  F4、11:30頃。これも易しい。


  なかなか素敵な雰囲気で気持ちよく登れます。


  F5らしきが遠くに見えてきたところで腹ごしらえで少し休憩。
 出発11:45頃。少し歩くとF5がはっきり見える。


  今日のメインF5大滝、15mくらい。11:50頃。


  下から見上げるとルートはさほど水が被ってなくこれならカッパ
 無しでも行けそうだと取り付く。取り付きでホールドにしようかと
 探った岩が30*40くらいの大きさで、板状にごそっと剥がれた。
 沢はこれがあるから油断できない。


  ハーケンはあちこちに打ってあるし、残地のスリングなども信用は
 あまり出来ないがぶら下がっている。これらは出来るだけ多く使わ
 せてもらう。ホールドは豊富でそう難しくはないが、軽めとはいえシャ
 ワーの中を登るのはそれなりに大変だ。4級くらいかな。


                      (Y)

  F2とこのF5の登攀の様子を同行の氏が撮ってくれた。高さの
 感じが良く分かる。

  ビレイ支点を作り上から見下ろしたのが12:05頃。


  皆さんの登りの様子は上からは最後の乾いた岩に来てからしか
 見えないのが残念。この岩はホールドが若干悪い。中には手こ
 ずっている人もいた。


  順次登ってきます。 


  全員が滝上に登りついたのが12:55頃になった。ビレイ支点を
 作ってから50分、滝下に着いてからは1時間強。やはり大人数で
 はこうした滝の登攀は時間がかかる。


  倒木はあるが、丹沢の中ではいいほうでしょう。
 次に連漠帯がでてくる。13:05頃。


  気持ちのいい小滝をシャワーを浴びながら越えて行く。


  F8は崩壊したらしく滝はなく看板だけ。その上F9は立派な滝です
 が見るからにぬるぬるで直登する気はしない。滝の左手に立派な
 ロープがセットされてるが使わなくても登れる。


  登ると上に石積みの堰堤が現れる。こうした山奥に石積みの堰
 堤が現れると、多分あまり重機械もない頃一体どのようにしてこの
 石を積んだのだろうかと考えさせられる。基本は人力なのだから、
 これらの大石を運ぶ技術、工夫があったはずだ。私はそんな工事
 に立ち会ったこともないし、土木技術はないから見当が付かない。
 山奥だからだが、考えてみれば戦国時代から城の石垣なども運び
 組み立てているし、もっと大昔から巨石文化もある。ピラミッドだって
 そうだ。技術的な知識がないから感心するしかないということだ。
 しかしいずれにせよ結構な人力、財力を使ったには違いない。


  さらに進むと沢中で二つに割れたかのような大岩がある。
 13:20過ぎ。


  また次にほぼ崩壊してしまったような石積み堰堤が現れる。
 沢の奥で崩壊した堰堤をあちこちで見かけるが、これらを破壊す
 る土石流の威力は凄いのだろう。
 13:30頃。少し休憩。


  少し歩いてちょっとした小滝を越えて行く。13:45頃。


  その先に根こそぎ倒れた木の集中している三俣がある。これらの
 倒木は昨年春の大雪によるものらしい。
 ここは水流沿いに真ん中を行く。13:50頃。


  その先直ぐにまた二俣が現れる。右手から小滝を持って流れて
 いるのが本流らしいのだが、左の涸れた沢の方にもいくつかテープ
 が巻かれているから、こちらが烏尾山荘に突き上げる沢のようで
 左の涸れ沢に入ってみる。14時過ぎ。

  入ると直ぐにチョックストーン小滝でこれを越えると上の方は更に
 大きなチョックストーンで塞がれている。コケは付いているしいかに
 も悪そうな滝だ。どうしようかと思ったが進んでみることにする。
 
  大チョックストーンの手前もコケで滑りやすい小滝で結構越えに
 くいので、後続の人の手がかりにカムを噛ませて残す。
 大チョックストーンは右でも左でも越えられそうだが、一見容易かな
 と私は左から登ったのだが、出口がグズグズの砂礫で、踏めば落
 石を起こし易く抜けるのに緊張した。岩上に上がってみると今にも
 落ちそうな岩石がこのチョックストーン先端に溜まっている。それら
 を落とさないようにそっと幾つか除いて、後続を待つ。これだけ微妙
 な状態ということはこのルートには余り人が入ってないらしい。

  直ぐに2人は危なくない大岩の右手から上がってきたが、その後
 大岩手前の滑りやすい小滝の登りから躓いてなかなか上がってこ
 れない人がいるようで上からロープをセットする。中間の人に援助
 をお願いする。
 なんだかんだで皆が大岩の上に着いたのが14:50頃になったよう
 だからこのチョックストーン越えでかなりの時間を使った。
 この上の様子も悪い。巨大な落石の巣のようだ。
 


  崩壊の激しい沢を遡っていき、奥に見えるもろい崖を這い上がる。


  この先も似たような様子だ。この右手を見ると少しトラバースして
 尾根に逃げられそうで取り付いてみることにする。15時頃か。
 グズグズの尾根でトラバースも微妙、その後の急斜面も木に掴まり
 木の根を掘り出しながらの登攀で結構怖かったが、10分ほどの辛
 抱でそれらしい尾根に乗ることが出来た。

  15:15過ぎには一旦平坦地に出たので休憩しようと思ったら1人
 に小さなヒルが付いているのを見つけたので、休憩は止めにして
 また尾根を登っていく。


  しばらくはかなりな急斜面だったが、そのうち踏み跡らしきが所
 どころに出てくるようになり、尾根の斜度も緩んできた。


  15:35頃には烏尾山荘の前に到着したから、尾根に取り付いて
 からは短時間で登れたことになる。ほとんど藪漕ぎはなし。 


  暖かいのか市街地は霞気味で富士山は見えない。


  山荘前で記念写真です。無事登攀ご苦労様でした。


  ここでヒルに食いつかれてないかの点検をしながら、沢装備を解き
 休憩です。幸い誰も食われてなかった。
 16:10前くらいに下山開始です。烏尾尾根を降る。


  途中1回休憩。


  ぴったり17時には新茅荘前の広場に降り立った。沢山停まって
 いた車はもう一台もなかった。


  これから小1時間18時前には大倉。沢にしては8人という大所帯
 だったし、楽しめる滝の登攀もあったからいつもよりかなり時間が
 かかった。
 バス停には長蛇の列。

  渋沢に出て、明日またハーフマラソンに参加するという元気者は
 帰ったが、残りは恒例の反省会。
 飲み屋も混雑していて幾つか探し歩き、席を確保しおいしいお酒を
 楽しんでいるとき強い地震があった。かなり大きかった。
 (小笠原沖の地中深いところを震源とする巨大地震。20時過ぎ。)
 幸い何事もなく飲み屋を後にして駅に行くと電車が止まっていた。
 やはり相当大きかったのだと待つしかない。
 来た電車ものろのろ。乗り換えのたびになかなか電車は来ずなど、
 皆かなり遅くなって帰宅したようだが、それ以上の被害はなかった
 から大地震にしては良かったほうか。
 結構長い1日だった。