針ノ木岳 2 | 鬼川の日誌

針ノ木岳 2

  針ノ木岳  15,5,24   続き


  教室組が少し休んでから山頂に向けて出発する。小屋上の雪渓
 を渡り露出した夏道を登る所で、雪渓の落ち口を振り返る。さすが
 に凄い斜度で落ち込んでいるのが分かる。
 だがあの斜度でもスキーで滑り込むことが出来るのだから40度
 くらいなのかな。8:00頃。


  露出した夏道は直ぐに終わり、一面の雪渓が続くようになる。
 またアイゼンを装着する。登るにつれ後方の蓮華岳が大きい。
 見上げていた爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳が並んでくる。8:15頃。


  さてこれからがマヤクボ沢の最上部の雪渓をトラバースしていく
 核心部となる。ここは斜度は針ノ木雪渓の落ち口より更に少し急な
 斜面となっており(ここを滑る人ももちろんいるのだが)、トラバース
 に慣れないと結構怖いところだ。教室の人にはいい訓練になるで
 しょう。といっても踏み跡はしっかり付いている。8:30頃。


  隣のスバリ岳の向こうに剱岳が顔を出す。


  トラバースが長く続く。


  爺ヶ岳、鹿島槍の奥に続く五竜、白馬辺りが見えてくる。


  トラバースが終わり、最後の急雪壁。


  これを登る。8:50頃。トラバースが終わる辺りに教室の人たち。


  登りきったところで少し休む。


  9:00ぴったり山頂です。
 私は何年ぶりか覚えてないくらい久しぶりの針ノ木岳です。


  まず目に飛び込んでくるのは何といっても剱岳と立山です。


  高瀬ダムの奥に槍ヶ岳とそれに続く北アルプスの連山の大展望。


  皆も写真に夢中です。


  確か昔ここに来たときはスバリ岳から爺ヶ岳まで続く峰々を歩いた
 のだったかな。


  黒部湖の深い緑色が印象的でした。


  展望写真を撮っているうちに教室組も登ってきた。
 降りは先行組を含めた教室の女性メンバーを、Jリーダー、Tさん、
 私の3人が2人ずつ受け持って、アンザイレンして降ることにする。
 OB組は各自降る。
 最後の急雪壁は上でピッケルを射し込みロープを巻いて確保しな
 がら降ろす。J隊に続き私たちが降りたところで9:35頃。
 上からはTさんのアンザイレン部隊が降りてくる。


  怖いトラバースを通過するとき、足下にこの雪壁をスキー板を担い
 で登ってくるスキーヤーがいた。そういえば昨年もここを登っている
 人たちがいたのを思い出した。凄い斜度だけど確かに滑れるなら
 素晴らしい斜面だ。針ノ木峠下の雪壁のような雨による溝が出来て
 ないから滑るのにはいいかもしれない。 
 針ノ木峠に着いたのが10:20頃。


  ここからは足の早い人は先に降ってもらう。
 少し降ったところからの針ノ木岳山頂。この頃板を担いで登ってくる
 人たちが結構いる。


  10:40頃にはマヤクボ沢の出合付近。


  ちょうどこのときマヤクボ沢を滑ってきた山スキー教室(OB)の
 先陣と出合った。山スキー女史のEさんを先頭に、M教室リーダー。


  まだその頃後続はマヤクボのコルの一段下の棚を滑り出した
 ところで、えらく差がついている。出合まで10分は掛かったかな。
 なかなか厳しい登り降りだったようだ。


  スキー隊、歩き隊と思い思いに降っていく。


  長い雪渓降りも終わり。


  私とほぼ同じ頃山スキー隊の最後も帰ってきた。途中で滑りの
 確認練習をしていたようだ。11:30頃。


  私たち登山隊は4時頃出たから往復7時間半くらいだ。天気に
 恵まれ急峻な雪渓の登りから怖いトラバースを経て、針ノ木岳に
 登り、山頂からの大展望を堪能出来たし、また降りではアンザイ
 レンも経験し、教室最後をいい思い出で締めくくることが出来たで
 しょう。

  この後テント撤収。山スキー組は一足早く扇沢へ降っていった。
 恒例の温泉に行って汗を流すのだろう。
 私たちも重い荷を担いで扇沢まで歩き迎えのバスに乗り込んだ。
 私たちは風呂には寄らずに帰る。
 この扇沢のトイレに手荷物(財布ごと)を忘れた人がいて一騒ぎ
 になったが、連絡を取ると幸い後から見つかったらしく良かった。 
 帰りも事故渋滞があったが、明るいうちに新宿に着いた。