宝剣岳
宝剣岳南稜 15,5,16・17
冬山のシーズン初めに宝剣岳の北稜は何回か登っている。
今回は残雪期のアルパインルートを期待して南稜を登る計画だ。
しかし今年は何処も雪解けが早くここも余り雪がないという情報
が伝わってきている。
15、16日の予定であったが天気予報が悪く1日延期した。
16日夜から出かけしらび平ロープウェイへのバスの出発点菅の
台駐車場でテント仮眠。土曜日で結構車が駐車していた。
今回参加者は10名。
17日朝一番のバスでしらび平に着き始発のロープウェイを待つ。
(e)
ロープウェイ駅を降りると千畳敷。装備を着けて出発の準備。
今日はいい天気で千畳敷カールがきれいだ。
今回は南稜の方からだから極楽平を目指す。8:20頃から。
いつもながら南アルプスの全景が見渡せる。
やはり雪解けが進んでいてハイマツ帯が大きく露出している。
ザイルを使うアルパインルートを期待しての登りなので、2人1組
(ツルベで登るつもり)の5班に編成する。私はCさんと組む。
極楽平への夏道沿いには何人か先行して登っていたのだが、私
たちは途中から分かれて、雪渓の右手山頂に近い方(駒ケ岳神社
の真上辺り)にトラバース気味に移動し、そこから稜線へ直登する
ことにした。
直登ルートから私と相棒とで先頭に立つ。さすがに最後の壁は
相当立ってきて前爪を蹴りこみ、ピックの先端で確保しながら登
る。しかし雪が蹴りこみ1発でしっかり決まるほど締まってないし、
縦走用アイゼンで前爪が短く結構登りにくい。
ここが今回でもっともアルパインルートらしかったかな。
(H)
稜線直下に棚があった。そこから後続を振り返る。
真下にホテル千畳敷が見える。
やはり夏道沿いの極楽平側の方が傾斜は緩いようです。
皆さん無事に棚に到着してきますが、後ろに別グループが何人か
私たちの後を追ってきている。
稜線の鞍部の台地に上がったのが9:05頃。
一休みです。縦走路には雪が無いようでアイゼンを取る。
今回私たちが登ったルートです。(降ってから神社から撮った写真)
私たちが休み終え稜線を歩き始める頃、後から着いてきたグループ
が上がってきたのだが、アイゼンは前爪のない6本くらい、ピッケル
ではなくストックで相当冷や汗をかいた様子だった。私たちが作った
バケツを当てに出来たから良かったものの装備不十分で酷く危ない。
事故にならなくて良かった。
歩き始めると左手に大きなピークが見える。三沢岳。
この間の谷を西千畳敷(三ノ沢カール)というらしい。この沢は伊奈
川の上流になる。
もう大分以前この伊奈川を遡り沢中で1泊、この三ノ沢カールを
詰めてハイマツを潜り抜け三沢岳に登り、中三ノ沢岳、蕎麦粒岳
の先でもう1泊、さらに風越山へと縦走したことがある。この三沢岳
の先はハイマツの海を泳ぐように(枝から枝へと渡って)歩いたのだ
が、今思い出してももうごめんというくらい大変な藪縦走だった。
しかもこの先は水場が無くカールの底から、2・3リットルの水を担
ぎ上げてだったから、荷は20kgを越していただろう。枝の間に嵌ま
り込んだら抜けだすのも一苦労。手も足も擦り傷だらけ。先も踏み
跡も薄く、とりわけシャクナゲの藪は手強く到底抜けられず巻くしか
ない。さらに金沢の方で酷い洪水を起こした猛烈な雨に見舞われた
り、歩き抜くしかないけれどよく抜けられたと思い出す藪好きにお勧
めのルートだった。
もう今ではとても体力的に無理ですね。
何処をどう登ったのかは写真を見ても皆目分からないけれど、改め
てこの下の谷底からあのピークに登ったのかと感慨深い。
宝剣岳南稜縦走路は全く雪が無い。
今日は実に快適。
三沢岳との分岐かな。9:25頃。
御嶽山が近い。山頂付近は既に雪が溶けて噴火による火山灰で
覆われているのが良く分かる。まだあの下に埋もれている登山者
が6人もいる。見つかるだろうか。黙祷。
宝剣岳と木曽駒ケ岳。宝剣岳がここからだといかにもといった感
じで聳えいい雰囲気です。
一旦これを降る。ここから訓練のため各ペアでアンザイレン。
足下にホテル千畳敷、そして南アルプス・富士山の大展望。
宝剣岳が競り上がってきたところで鎖場です。9:45頃。
岩に雪がついていればそれなりですが問題なし。
北稜よりは長く岩場が続く。鎖が続いている。
クサビを打ち込んだかのように突き出た岩がある。
先行者が登っていた。10時頃。
私たちも乗ってみる。かなり大きく安定している。
この岩の上に抜けるともう山頂でした。10:10頃。
先行のNペアと一緒に登ったので女性陣の記念写真。
山頂の岩塔はツルッとした花崗岩で掴みどころがなく、下手を
すると数百m落ちる恐れがあるし、雪が付いていればもちろん
登れない。今日は雪も無くロープに繋がっているので上がって
みた。マントリングで上がるのは難しくはないが降りる一歩が怖い。
相棒Cさんはその下の棚まで。(Nペアのeさんが撮ってくれた。)
それから20分後くらいですが、後続のH/Tペア。
そしてHi/MペアとMi/Jリーダーペアの山頂記念写真。
(Hさんの写真。)
その頃先行2組は宝剣山荘に降りついた。
ゆっくり待って11時頃後続3組が降ってきた。
11:20頃から下山開始。
斜面に入ってもかなり雪解けが進み夏道が露出していた。
途中の雪壁でJリーダーペアが降りの特訓をやっていた。
気持ちよくカールを降る。
ホテル前到着。観光客が結構登ってきていた。
千畳敷カール。空にきれいな筋状の雲。
今回は雪解けが早く、残雪期のアルパインルートというには
雪が無さ過ぎ残念だったが、雪壁の登りと降りは体験したし、
気分のいい縦走路だった。
まあこんなときもあるでしょう。
(eさん,Hさんの写真をお借りしました。)
冬山のシーズン初めに宝剣岳の北稜は何回か登っている。
今回は残雪期のアルパインルートを期待して南稜を登る計画だ。
しかし今年は何処も雪解けが早くここも余り雪がないという情報
が伝わってきている。
15、16日の予定であったが天気予報が悪く1日延期した。
16日夜から出かけしらび平ロープウェイへのバスの出発点菅の
台駐車場でテント仮眠。土曜日で結構車が駐車していた。
今回参加者は10名。
17日朝一番のバスでしらび平に着き始発のロープウェイを待つ。
(e)
ロープウェイ駅を降りると千畳敷。装備を着けて出発の準備。
今日はいい天気で千畳敷カールがきれいだ。
今回は南稜の方からだから極楽平を目指す。8:20頃から。
いつもながら南アルプスの全景が見渡せる。
やはり雪解けが進んでいてハイマツ帯が大きく露出している。
ザイルを使うアルパインルートを期待しての登りなので、2人1組
(ツルベで登るつもり)の5班に編成する。私はCさんと組む。
極楽平への夏道沿いには何人か先行して登っていたのだが、私
たちは途中から分かれて、雪渓の右手山頂に近い方(駒ケ岳神社
の真上辺り)にトラバース気味に移動し、そこから稜線へ直登する
ことにした。
直登ルートから私と相棒とで先頭に立つ。さすがに最後の壁は
相当立ってきて前爪を蹴りこみ、ピックの先端で確保しながら登
る。しかし雪が蹴りこみ1発でしっかり決まるほど締まってないし、
縦走用アイゼンで前爪が短く結構登りにくい。
ここが今回でもっともアルパインルートらしかったかな。
(H)
稜線直下に棚があった。そこから後続を振り返る。
真下にホテル千畳敷が見える。
やはり夏道沿いの極楽平側の方が傾斜は緩いようです。
皆さん無事に棚に到着してきますが、後ろに別グループが何人か
私たちの後を追ってきている。
稜線の鞍部の台地に上がったのが9:05頃。
一休みです。縦走路には雪が無いようでアイゼンを取る。
今回私たちが登ったルートです。(降ってから神社から撮った写真)
私たちが休み終え稜線を歩き始める頃、後から着いてきたグループ
が上がってきたのだが、アイゼンは前爪のない6本くらい、ピッケル
ではなくストックで相当冷や汗をかいた様子だった。私たちが作った
バケツを当てに出来たから良かったものの装備不十分で酷く危ない。
事故にならなくて良かった。
歩き始めると左手に大きなピークが見える。三沢岳。
この間の谷を西千畳敷(三ノ沢カール)というらしい。この沢は伊奈
川の上流になる。
もう大分以前この伊奈川を遡り沢中で1泊、この三ノ沢カールを
詰めてハイマツを潜り抜け三沢岳に登り、中三ノ沢岳、蕎麦粒岳
の先でもう1泊、さらに風越山へと縦走したことがある。この三沢岳
の先はハイマツの海を泳ぐように(枝から枝へと渡って)歩いたのだ
が、今思い出してももうごめんというくらい大変な藪縦走だった。
しかもこの先は水場が無くカールの底から、2・3リットルの水を担
ぎ上げてだったから、荷は20kgを越していただろう。枝の間に嵌ま
り込んだら抜けだすのも一苦労。手も足も擦り傷だらけ。先も踏み
跡も薄く、とりわけシャクナゲの藪は手強く到底抜けられず巻くしか
ない。さらに金沢の方で酷い洪水を起こした猛烈な雨に見舞われた
り、歩き抜くしかないけれどよく抜けられたと思い出す藪好きにお勧
めのルートだった。
もう今ではとても体力的に無理ですね。
何処をどう登ったのかは写真を見ても皆目分からないけれど、改め
てこの下の谷底からあのピークに登ったのかと感慨深い。
宝剣岳南稜縦走路は全く雪が無い。
今日は実に快適。
三沢岳との分岐かな。9:25頃。
御嶽山が近い。山頂付近は既に雪が溶けて噴火による火山灰で
覆われているのが良く分かる。まだあの下に埋もれている登山者
が6人もいる。見つかるだろうか。黙祷。
宝剣岳と木曽駒ケ岳。宝剣岳がここからだといかにもといった感
じで聳えいい雰囲気です。
一旦これを降る。ここから訓練のため各ペアでアンザイレン。
足下にホテル千畳敷、そして南アルプス・富士山の大展望。
宝剣岳が競り上がってきたところで鎖場です。9:45頃。
岩に雪がついていればそれなりですが問題なし。
北稜よりは長く岩場が続く。鎖が続いている。
クサビを打ち込んだかのように突き出た岩がある。
先行者が登っていた。10時頃。
私たちも乗ってみる。かなり大きく安定している。
この岩の上に抜けるともう山頂でした。10:10頃。
先行のNペアと一緒に登ったので女性陣の記念写真。
山頂の岩塔はツルッとした花崗岩で掴みどころがなく、下手を
すると数百m落ちる恐れがあるし、雪が付いていればもちろん
登れない。今日は雪も無くロープに繋がっているので上がって
みた。マントリングで上がるのは難しくはないが降りる一歩が怖い。
相棒Cさんはその下の棚まで。(Nペアのeさんが撮ってくれた。)
それから20分後くらいですが、後続のH/Tペア。
そしてHi/MペアとMi/Jリーダーペアの山頂記念写真。
(Hさんの写真。)
その頃先行2組は宝剣山荘に降りついた。
ゆっくり待って11時頃後続3組が降ってきた。
11:20頃から下山開始。
斜面に入ってもかなり雪解けが進み夏道が露出していた。
途中の雪壁でJリーダーペアが降りの特訓をやっていた。
気持ちよくカールを降る。
ホテル前到着。観光客が結構登ってきていた。
千畳敷カール。空にきれいな筋状の雲。
今回は雪解けが早く、残雪期のアルパインルートというには
雪が無さ過ぎ残念だったが、雪壁の登りと降りは体験したし、
気分のいい縦走路だった。
まあこんなときもあるでしょう。
(eさん,Hさんの写真をお借りしました。)