城山西南カンテ
城山西南カンテマルチクライミング 15,5,9
西南カンテは最初昨年12月に一度行ったのだが、余りの強風で
1ピッチ目偵察程度で止めざるを得なかった。それからどういうわけ
か、何度も計画しては天気その他いろいろな理由で流れてきた。
今回も天気が思わしくなく、東名道を走るうちは雨がぱらつき、また
登れないかと心配しながらだが止めようという気にはならなかった。
駄目もとでと思いつつ進むと伊豆に近くなると降った様子がない。
よかった。来てみなければ分からないものだ。
登山口駐車場9:20頃。
南壁には8,9名が壁に取り付き練習していたが、天気がはっきり
しないからか土曜日にしては少ない方か。
私たちはここの南壁から取り付くのは一度行っているので、今回は
壁の奥から踏み跡を登っていきカンテ取り付きに向かう。
途中上でコールが聞こえたから既に人が入っているらしい。
私たちが着いたときはちょうど先行組みの最後が登って行った所で
取り付きには誰もいない。(後から2名、1組だけと分かった。)
これなら長い待ちはなさそうだ。
装備を整えて、私たちは2組(O2班とS師匠班)ツルベで行く事に
して私から取り付く。10時前くらいだったと思う。
カンテ部分は細かく切れば4ピッチだが、その2ピッチ目の支点で
私たちの1ピッチ目(2/4)と区切る予定で登る。取り付き初めなのと
少し岩が外傾気味なので慎重に登るが、ホールドは豊富で問題ない。
(5.7、5.8とするものもあるが、シシ岩のそれと比較すれば明らかに
そんなに難しくはない。せいぜいⅣ程度かな。)
ただハーケンやリングボルトは古いので余り信用ならない。しかし
1ピッチ目(2/4)の終了点はしっかりした新しいボルトだった。
セカンドのビレイ支点を作り下の狩野川を展望する。10:15頃。
コールしてセカンドに登ってもらう。10:20頃にはセカンドCさんが
登ってきた。着いたところで2ピッチ目(3/4)をリードしてもらう。
後を追って第2班のS師匠が登ってきた。支点を作りセカンドを
ビレイ。10:30頃。
第2班セカンドMさんも順調に登ってきた。
上ではCさんが私たちの2ピッチ目の終了点をこちらが見える位
置の立ち木で取っているらしい。(カンテ3/4ピッチ目)
フォローで私が登る。そのビレイの様子。
この上(4/4ピッチ目)を少し歩いたところから、私たちの3ピッチ
目の小ハング部分のスタート地点となるのだが、ロープを引きずる
と落石を起こし易いところだからここで一旦切って正解かな。下が
見える方がいいし。
それでそのまま私がロープを引いて上がる。上がったところまでを
私たちの2ピッチ目(3.4/4)に入れることとする。
後ろから第2班のリードMさんが上がってきた。
3ピッチ目スタート点に到着すると、先行の2人組のセカンドがビレ
イしているところに追いつくことになった。10:50頃。
2人組のリードはここをトラバースルートを取っているようだ。見える
ところでピッチを切らず、カーブして上にいったようで、ロープの流れ
が酷く悪かった。(ここはほぼ直角に曲がるので、曲がる前にピッチ
を切った方が良さそう。その上は歩きで行ける様だし。)
この地点からの狩野川の展望も素晴らしい。
2人組のセカンドがスタートしたのが11時頃になった。
私たちの第2班も到着した。
私たちは少し難しい(5.9?)小ハング、スラブを登ることにして私か
ら取り付いた。最初のリングボルトにクリップして岩に乗り上がって
から直ぐ上の壁を登るのだが、先にもハーケンが打ってありそちら
にクリップして進んでみる。抜けそうなハーケンで当てにならず。さら
にその上にもハーケンがあるので登れなくはないようだが、登った経
験のあるMさんが手前の直ぐ上の壁の方がルートだと教えてくれた
ので戻る。戻るのは少々やばかった。
このルートは直ぐ上の壁は問題ないが、さらに上の少し膨らんだ壁
の下の棚に乗りあがるところがバランス悪く微妙だった。
ここのボルトにクリップしてその先はスラブになる。ホールドになると
ころに泥が乗っていて確かにこれが濡れていれば悪いだろうと思わ
れたが、今日は乾いていて大丈夫だった。これを上がれば傾斜も緩
くなる。私はこの壁に被さるように生えている立ち木を支点とした。
少しうろうろしたので時間が掛かったようだ。11:20頃か。
私がここを登っていくうちにハヤブサらしき鳥が盛んに警戒の声
を上げながら周りをホバリングしているようだったからどうやら巣が
近くにあるらしい。
そういえば昨年バトルランナーを登ったのも5月22日で、その終了
点からそう遠くないところにハヤブサの巣があった。ヒナが数羽いた。
直ぐ近くなのに残念ながらカメラを持って上がらなかった。こうした
切り立った崖はハヤブサには格好の営巣場所なのだろう。
彼らにしてみれば人間が近づくほど脅威はないだろうから、ここしば
らくこのルートは止めて、トラバースルートを行く方がいい。
ビレイ支点を作りコールしてCさんに登ってきてもらう。
登ってきたCさんにそのまま上に登ってもらう。ここはビレイはした
がほぼ歩きである。(これも3ピッチ目に入れる。)
直ぐ後ろからS師匠がリードで登ってきて、一つ上の立ち木で支点
を作っていた。11:35頃。
私もCさんに続いて上に行く。最終4ピッチ目の凹角の少し下だ。
私たちがその凹角直下に着いた頃に、先行2人組みのセカンドが
壁に取り付くところで登りを見学させてもらう。どうやら余りマルチ
クライミングには慣れない人らしく大変そうだった。クリップしたヌン
チャクやロープを外すのに手間取っていた。
しかしこのハイライトの凹角の様子が良く分かるので、写真を何枚
か撮らせてもらった。11:40頃。
取り付き横のハングした壁と狩野川。
先行組みが登り終わったところで私が後に続く。壁はしっかりして
いるし、ホールドは豊富。3、4本目の支点にクリップしてから、その
まま上に行くのは難しいようで(支点もない)、一旦少し戻り気味に
降りてクラックに入る。戻るのもホールドはがっちりで問題ない。
クラックは体が入るほどの大きさで登るのは容易だ。
クラック上のハーケンにクリップした後、壁を回り込んだ位置にある
支点が少し遠かった。これにヌンチャクを掛けるためにホールドに
したクラック(手の平全体が入る)にハンドサイズのカムを噛ませて
支点にしておけば、確かに楽に登れると思うがまあ無くても掛けられ
る。この先は回りこんで下が見えなくなるので、安定したところで下
の仲間の写真を撮った。(この凹角は5.7)11:55。
その後は支点はないが傾斜も緩く歩いて登れる。
終了点の立ち木にはロープなどが沢山セットしてあったが、そこ
まで行くと登ってくる仲間が見えづらいので、私は少し手前の立ち
木にビレイ支点をセットした。
コールしてセカンドに登ってきてもらう。
見えてくるのは最終のランニングビレイ点に回りこんで上がってくる
辺りから。Cさんは12:10頃には到着した。
続いて後ろを追って第2班S師匠が登ってきた。終了点に支点を
セットしてMさんにコール。
最後にMさんが登って登攀完了。
12:25になっていなかったから、およそ10時頃にスタートして
2時間半掛からずに2班登り終えたことになる。順調に登れた。
登り終えて昼飯休憩。
12:50頃から踏み跡を辿り尾根を登る。
10分ほどで城山山頂に登る登山道に合流する。南壁の頭か。
ここで記念写真です。13:00頃。
登山道を降って行くと葛城山、発端丈山との分岐。
これを過ぎてさらに降って行くと樹林の切れ目から登った壁が見
えた。およそのルートを記入してみました。
南壁下に着いてまだ時間も13:30頃と早いので、練習に一つ
登る。しかしもう余りやる気がおきないので一つだけで終わる。
山を降りコンビニでノンアルビールを買って公園で念願の登攀成
功に乾杯する。1日を楽しめました。
薄く霞んだ南壁を眺め登ったルートを確認する。
その後は一路帰京です。あまり混まずに帰り着きました。
最初に計画してから半年掛かりましたが登れてよかった。