阿弥陀岳・南稜 2 | 鬼川の日誌

阿弥陀岳・南稜 2

  阿弥陀岳・南稜を登り中央稜を降る。  15,4,12  続き


  P3を目指してJ隊長班(3),S師匠班(2)、そして私のO2班(3)
 の順にザイルを結んでコンテで登る。
 

  トラバース。9:00頃。

                      (Y)
                      (H)

  P3ガリー入り口のS班とO2班。先頭のJ班が登り始めたらしい
 が取り付き滝が凍っているらしく、少し時間が掛かり待つ。


  J班の取り付きと2ピッチ目のビレイの様子。(Hさんの写真)


  次のS班、師匠がリードで凍った取り付き滝をダブルアックスで
 登り、セカンドがビレイしているところで私たちも取り付きへ。
 9:35頃。

  S班セカンドが登った後、私は滝の右手の岩壁部分(写真で
 ロープのあるところ)を、アイゼン登攀してガリーに入った。そう
 難しくはない。ガリーは雪がたっぷりだが、緩んでいて踏むと崩れ
 登りにくかった。S班が大岩の所でピッチを切っていたので私も
 大岩のリングボルトでピッチを切る。10:00頃。

  下の写真はS班の2ピッチ目のリードのビレイとO2班のセカンド
 がガリー1ピッチ目を登っているところ。


 
  O2班2人が到着したところで2ピッチ目をTさんがリードする。

                       (Y)

  O2班の2ピッチ目をTさんのコール後フォロー2人が登る。
 3ピッチ目は易しいのでコンテでも良かったが、また私がリードし
 その後2人に登ってもらい、ガリーを終了したのが10:50頃。
 このとき既にJ班は阿弥陀の本峰を登っているようだし、S班は
 P4横の壁に取り付くところだった。


  少し休憩して2班の後を追いかける。権現岳も下になってきた。
 南アルプスが全貌を現す。富士山も見えていたが写らなかった。
 (富士山にピントを合わせれば写ったかも)11:00頃。


  P4を巻いて本峰に取り付く。


  11:10頃、一番きついところだが実に爽快です。


  最後の岩壁を登るYさん。


  ラストTさん。赤岳が大きい。


  11:20頃山頂です。随分遠くに見えたがガリー終了から30分。
 テント場から7時間20分。先行班はゆっくり休めただろう。


  赤岳と横岳。やはり雪が少ない。


  J班、S班、O2班。記念写真です。(Hさんの写真)



  私たちは10分ほど休んだところで降りです。
 山頂のこの標識からみて1.5mほど埋まっているようです。


  まだコンテで降り始めました。


  昨年同じ時期の中央稜のこの部分は素晴らしい雪稜になって
 いて一応ロープをフィックスしたが、今回まるで雪が溶けていて
 何の問題もない。先の岩も梯子も露出し問題ない。


  先の摩利支天を巻いて御小屋尾根と中央稜に入る前にロープを
 収納した。


  硫黄岳、天狗岳、蓼科山。


  御小屋尾根を分けて中央稜に入る。ちょうど若者2人がここを
 登ってきた。12:00頃。
 昨年は真っ白だったこの岩稜も阿弥陀岳もえらい違いです。


  富士パラスキー場と中央アルプスを正面に降っていく。


  また権現岳がだんだん高くなる。雪解けが早いのでアイゼンが
 邪魔だがまだ先に厳しい降りがあるはずだ。12:30頃。


  第2岩峰の降り。昨年は厳しい雪壁で雪の状態は全く違うが、
 それでもアイゼン無しで降るのは少々難しい。


  結構大きな岩峰だ。2段になっている。12:50頃。


  第2岩峰を降り終わった所はまた雪壁になっていて、踏み跡が
 途絶えていた。確かここはトラバース部分である。私たちが中央
 稜に入るところで2人の若者が登ってきたのだが、ここに踏み跡
 がないということは第1岩峰と第2岩峰の間で迷ったらしい。確か
 にここは分かりにくい。
  トラバース後樹林の中を下に降っていくとさらに下に第1岩峰ら
 しきピークが見えてきた。ピークにカモシカがいた。
 13:05頃。

  この岩峰の下を巻いていくはずと樹林帯の中に入ると踏み跡が
 見つかった。昨年の中央稜の上り下りで密な樹林帯を突破した
 覚えがあったので見当は付いた。昨年は周りは見えなかったが。





  第1岩峰の雪壁を降り終えれば後は問題ない。
 途中休憩し降っていく。
 13:40頃になると雪の溶けている斜面が多くなるし、雪は湿って
 アイゼン団子が出来易くうっかりすると結構滑る。団子を意識的
 に踏み潰しながら降っていく。


  尾根が緩やかになってからも長かった。
 広河原沢二俣に到着したのが14:40頃になった。昨年テントを
 張った所だ。


  アイゼンを取り外しながら休みテント場目指して降る。
 林道に出たところで阿弥陀岳とお別れ。


  テント場に15:15から20頃に着いたから往復11時間20分と
 いうことになる。よく頑張りました。

  この後テントを撤収する。疲れているので各自の荷をまとめるの
 も結構時間が掛かる。最後の重荷を背負って舟山十字路に着いた
 のが16:40頃だったかな。行動時間12時間40分。呼んでおいた
 タクシーで茅野駅へ。
  急ぐ人は早めの電車で帰京し、何人かは駅近くで軽く一杯やり、
 指定席を取って帰る。非常に長い1日でした。

  1日で南稜を登り中央稜を降る長丁場はもう体力的に無理かとも
 思ったが、何とかこなせて良かった。足並みも揃い順調でしたね。
 私もまあ大丈夫だったので少し自信になりますね。
 それにしても喜寿過ぎで難なくこれをこなしたS師匠には脱帽です。