黒姫山、妙高前山、山スキー | 鬼川の日誌

黒姫山、妙高前山、山スキー

  黒姫山、妙高前山、山スキー  15,3,14~16


  昨年は冬山登りと重なったこともあるが、ほとんど山スキーが
 出来なかった。今シーズンはこれで4回目だから大違い。
 なんだか天気にも恵まれている。今回は余り天気予報が良くなく
 ゲレンデかなと思いながら来てみたのだが、なんといい天気。
 黒姫山は私が以前参加したときは天気は悪くはなかったのだが
 帰京の日で、時間切れ途中で登り斜面を降った記憶がある。

  前夜泊の定番の宿で朝飯をすませて黒姫山のスキー場に行く。
 

  絶好の山スキー日和。妙高山が聳える。


  黒姫山がきれいに見える。


  リフトの2本目は9時から営業ということでしばらく待つ。
 スキー場の下に野尻湖が見える。


  リフト2本目を登り、スキーシールを着けて結構な急斜面を登る。
 この斜面は元はゲレンデだったが今はリフトが動いてない。
 9:15頃から歩き始める。


  ここはのっけから急斜面できついです。空が真っ青です。


  30分ほど立つと先行組みと後ろが大分開いて来る。


  10時頃、一旦は遅れを待つかとも思ったが、旧リフト上がもう
 近いので上で待つことにして登る。


  旧リフト終点。ここまではさほど遅れは大きくはなかったと思った
 のだが、既にここであごを出していた人がいたらしい。
 10:30前には皆到着し休憩。ここだけで1時間10分強。
 リフトが動いていれば10分も掛からないところだが。



  少し休んで10:35頃にはまた歩き出す。
 ダケカンバの大木も多いがこの枝ぶりは何の木かな?
 妙高山が樹林の間に見える。


  10:55頃、だんだん急な斜面になってくる。野尻湖とその向こう
 の山々がきれいに見える。この登りでは私はシールに雪の団子が
 付いたりして、踏み潰しながら登る場面もあった。また一部ではあ
 るが、通常よりシールが滑る場面があったりした。 



  11:30過ぎまだまだ延々と急斜面を登る。かなりいい天気だった
 ので雪の表面が溶けたりして、団子が出来たり滑りやすい現象が
 あったようだ。確かにいつもより登りにくかったかもしれない。人の
 踏み跡はより滑るのでこういった場合は自分で新雪を踏めば問題
 ないのだが。


  11:50頃。


  先を行く若者グループに追いついて、稜線にリーダーが先頭で
 到着する。12:15頃。ここは私も直ぐ後に続いた。


  11:50頃には直ぐ下に続いていたメンバーたちが、稜線に着い
 たのは12:40分少し前くらいでトップより20分近く遅れてきた。
 一緒にいた山スキーのベテランは痺れを切らしたか、1人で先に
 別(ショートカット)ルートを登っていったらしい。
 この稜線の先にいるようだ。


  最後の人は後ろで補佐されながら30分近く遅れた。遅れた人
 たちは脚力の問題だけではなく、急斜面のシール登りが明らか
 にまずく、キックターンの度に苦労し転んだり、時間が掛かったり
 していた。最後の人は面倒見のいい師匠が補佐してくれたので
 やっと登ってきた。
 この人はここで基本的にダウン状態だったらしい。
 このため降りはまるで滑れなかった。


  ここで遅れてきた人たちに休んでもらいその後多分13時近くに
 山頂に向かう。少し進んだところでショートカットで稜線に登ってい
 たベテランと合流。
 私たちがなかなか来ないのでやきもきしただろう。
 しかし山頂を目指したのはリーダーとベテランと私だけで女性陣
 は稜線途中の下降スタート地点まで。
 女性陣が行かないのなら休んでいるうちに山頂に向かえば時間
 の節約になった。
 もう1人の男性師匠は、他人の面倒を見るので山頂には向かえ
 なかった。もったいないことをした。せっかく山頂の近くまで来たの
 だから登りたかったろうに。




  山頂へは雪庇の張り出した細い尾根を登るがもうほとんど急坂
 はなく高差で4,50m登るだけのほぼ横移動だった。途中でザッ
 クは必要ないのでデポして山頂に着く。
 このとき私はザックに取り付けているカメラを取り出すのを忘れて
 山頂に着いたので、残念なことに山頂写真を撮る事ができなかった。
 遠く槍ヶ岳まで見える絶好の展望だったのに。
 幸い山スキーのベテランは余裕でカメラを持ってきたので山頂での
 素敵な写真はすべてお借りしました。

                      (Ht)
  大体13:20頃だったでしょう。

                      (Ht)
  13:40頃には下降スタート地点に戻る。中には余り変わらない
 頃に休んだところからようやく到着した人もいたようだ。皆と合流し
 休憩を兼ねてシールを取り滑走の準備。
 14時前にはスタートしたはずです。


  さていよいよ滑走の本番ですが、じつはこれからが大変だった。
 山スキー久しぶりのメンバーたちがゲレンデとは全く違う重い雪
 と急斜面に手こずり転んでばかりでなかなか進まない。
 登りで目一杯の人はさらに酷い。
 余り離れないようにしばしば待つことになる。
 この日も一応2人ペアを組んで降ることにしたので、相棒が転べ
 ばその面倒を見なければならない。 
 14:15頃。



  やはり稜線まで登るので体力の目一杯を使ってしまったのでは
 そもそも心もとない滑りの技量では滑れません。
 途中旧ゲレンデを登りきったところで果たして自分は登れるのか
 自己判断する必要があったはずです。
 ここで無理と判断して引き返すなら、他に迷惑を掛けることもなく
 済んだでしょう。(ここなら1人で引き返せたはず。)

  面倒見のいい師匠は登りだけでなく、降りも滑れない人とペアに
 なったために自分の滑る楽しみどころではありませんでした。これ
 では余りに酷いので私と私の相方とで面倒をみるのを代わってあ
 げることにした。しかしこれが実に大変でした。

  山スキーのベテランも言うように、滑り出しで連続で転ぶと、気持
 ちの上で斜面に負けてしまい、起き上がるので余計力を使い疲れ
 て、転ぶまいと意識するほど身体が硬くこわばりさらに滑れなくなっ
 てしまう。
 達人(の昔)ですらこういう経験がある。 
 この悪循環に何人かが落ち込んでしまったようです。  
 山スキーは極めて厳しい斜面がどうしても出てきますので難しい。


  
写真は14:35頃の待ち。



  15時過ぎ頃までは皆にしばしば待ってもらいながらも滑れない
 人やダウン寸前の人を激励しつつ降り、まだ余裕があった。 


  
  しかしどんどん時間が過ぎて行く。しばしば待つので進まず全体
 も遅くなってきてリーダー達はルートを切り開くので先に行かざる
 を得なくなる。
 私と相方とはなんとかダウン寸前の滑れない人を下山させなけれ
 ばと大変でした。山スキーでは代わって滑ってあげることは出来な
 いのです。日が長くなっていたので良かったが、本当に暗くなって
 しまうのではと心配になりましたね。
 山スキー久しぶりの人たちは苦労しながらも何とか自力で降って
 ましたので、まあいいでしょう。
    
  やがて谷を越え急峻な場所のトラバースの所ではまた手伝いに
 来てくれた師匠に道先案内をしてもらいながら、滑れない人を励ま
 し文字通り一歩一歩進んで、何とかスキー場まで到達することが
 出来たがすでに17時を大分過ぎていた。
 降るだけで3時間半ちかく掛かったことになる。
 これはえらいことです。疲れましたね。

  私も山スキーでまともな滑りが出来る方ではないですが、転んで
 も自力で起きられますし、何とか皆に遅れず付いていき降れます。
 最低限人に迷惑を掛けずに楽しめるかどうかが分かれ目でしょう。
  
  行く山についての十分な情報を集めて、自分の体力や技量を勘
 案して参加するかどうかを判断しないと、今回のように人の楽しみ
 を奪ったり、他を巻き込んで遭難するような事態を引き起こしかね
 ないということです。  
  
  (続く)