スキーの祭典 | 鬼川の日誌

スキーの祭典

    スキーの祭典(山スキー)  15,2,20夜~23


  21日快晴。今日行かなくて何時行くかということで、このところ
 2年登れなかった西吾妻山を目指す。
 グランデコスキー場リフト終点。磐梯山が聳える。こんなにくっきり
 見えたのは初めてかな。

  スキーシールを装着する。


  ビーコンの発信のチェックを行ってから出発する。


  今日は一日磐梯山を眺めながらだ。


  雪をまとったオオシラビソの樹林帯を抜けて行く。


  何とも気持ちがいい。山スキーならではの醍醐味です。


  1時間ほど歩いて少し休憩し進むが天気よく汗ばむ陽気だ。


  この辺りから樹林がほぼ完全に雪に覆われたモンスターと
 なってくる。モンスター群の向こうの磐梯山と猪苗代湖。



  モンスターの背丈が低くなり開けた斜面に出る。11:20頃。
 昨年は西大巓までしか行けずに戻ったので、この斜面を降った。
 深いガスの中だったがここは快適でした。もちろん滑るのには
 1分も掛からないけど。


  ここからの展望も素晴らしい。


  斜面を登り尾根に出ると西吾妻山(避難小屋)が見えてくる。


  西大巓の山頂に着く。11:40頃。


  飯豊連峰と磐梯山。(同行のKさんの素敵な写真です。)


  一旦降ってすぐまた登り返しなのでシールを取らず着けたまま、
 この斜面を降る。スキーモードにはするがシールを着けていると、
 そう容易にはターンが出来ない。まあ初めてだと大体転ぶ。
 経験してないと相当難しいが、シールが雪面を滑るシューという
 音が心地よい。11:50頃から。

                      (K)
  慣れたメンバーは直ぐに降り付くが後ろの方では転んだり相当
 苦労している。しかしふかふかの新雪ではないから転んでも起き
 上がるのはそう大変ではなかったと思う。



  さてもう一度西吾妻山に向かってモンスターの間を縫いながら
 登り返していく。ここは素晴らしく気持ちのいいところだ。



  登り返して12:20頃になるとまた飯豊連峰が見えてくる。

                      (K)
  12:25頃、飯豊連峰と避難小屋。(今回は寄らなかった。)


  12:30頃。広々として今回最高の展望でした。こうした展望に
 恵まれると山スキーもなかなか止められません。


  12:35頃、西吾妻山山頂に到着。山頂からの展望。


  後続隊も到着し少し休憩。


  さてこれから二十日平に向かって降りです。もうかなり以前ここ
 から滑り出し、しばらく進んだところであまりに快適な斜面に先頭
 に滑り出た粗忽おじさんがそのまま沢に向かって一直線に滑り
 降りてしまった。悪いことに釣られて2,3人が後に続いてしまった。
 ここは尾根を回り込み気味に進まねばならず、沢に降りてはいけ
 なかったのだ。 しかしこの人たちを置いていく分けにも行かず、
 止む無く皆降りざるを得なくなってしまった。

  ところが沢沿いを降るのは非常に大変だった。どうしても滝その
 他危険地帯があり、何度も高巻きを余儀なくされ、苦労に苦労を
 重ねて時間切れ寸前にスキー場に辿り着いたという苦い思い出の
 尾根です。その原因を自ら作った粗忽おじさんはその後すっかり
 山スキーが怖くなり手を引いてしまったが。
 下は滑り始め頃の仲間の写真。降りは全く撮れなかった。

                      (K)
  山頂からしばらくはモンスター群の中を行く事になったが、密な
 モンスターの根元は深く抉れているので、出だしから難しかった。
 ここに落ち込むと容易なことでは起き上がれない。(木の根元は
 皆そうだが。)早速落ちた人がいる。

  密なモンスターが終わってもまた予想以上に密な樹林帯となり、
 しかも雪はいわゆる最中雪で滑るのが難しい。先頭を行く場合や
 ターンして踏んでないところに入るとスキーは滑らず、人が踏んだ
 跡はスピードが出る。滑るのが大変だと意識するほど身体が硬く
 なり、思うように滑れずほとんど皆が文字通り七転八倒。

  降りは2人組で進んだがどうしてもどちらかが転んだ組は遅れる。
 とりわけ木の根元に落ち込むと脱出に時間が掛かるので、しばし
 ばかなり待ちながら進む。私たちは10名ほどがまとまって行く事
 になった。そのうち先頭を行っていたリーダーグループと後続部隊
 が離れてしまった。 

  私はその後もリーダー組は先に行っているものとばかり思い、
 後続部隊を出来るだけまとめ離れないように進んだ。こんなに
 長い時間リーダーが待つこともなく先に行くのはおかしいとは思
 いつつも、コンパスを確認しながら踏み跡を追っていった。

  さすがに長時間になり二十日平が近いと思われる辺りで、踏み
 跡が大きく山腹を降り沢に落ち込んでいるところが出てきた。
 この途中で休憩を取る。標高1400m付近。
 携帯でリーダーに連絡を試みたら幸い繋がった。聞けば何処か
 で(樹林が密なので)いつの間にかリーダー組を後続組が追い
 越していたのだ。
  そういえば途中もっと沢側に降り気味に付いていた踏み跡も
 あったが、私は出来るだけ尾根通しの踏み跡を選んでいった。
 リーダー組は当然だが後から来るものと私たちを大分待ったた
 めに、今は私たちより上部にいることがこのとき分かった。

  ようやく連絡がつきリーダー組を待つ。しばらくしてリーダー組は
 私たちのいる尾根の隣(西側)の尾根を降りてきた。その尾根は
 二十日平の上で分岐する尾根で私たちも両尾根の間の沢に下る。
 両組が降っていき合流できた。
 合流した先が二十日平となる。以後は問題なくスキー場に出た。
 このときで15:20頃。


  前回のイメージがあり早めに沢に降りることだけは避けて、慎重
 にコンパスをチェックしながら降ったので、前回の轍を踏むことは
 なかった。しかし前回ほど雪質が良くなく快適に滑り降りるというわ
 けには行かなかったのがとても残念だ。まあ雪質がいいか悪いか
 は如何ともし難いわけで止むを得ないでしょう。
 こうした最中雪などを滑る場合、やはり板幅が広いほうが浮力が
 あり、ダントツに快適なことが分かる。まだしばらく山スキーを続け
 るなら用具の新調も考える最後のときなのかと思わされた。
 本当はスキーの技量の違いなのですがね。
 しかし二十日平に滑り降りるという長年の宿題を終えた気分では
 あります。