モミソ沢 | 鬼川の日誌

モミソ沢

   モミソ沢アイゼントレ  14,11,16


  4月にも行きましたが近づく雪山に備えて、モミソ沢でアイゼントレ
 です。ここは水量少なく小滝が多いので、アイゼンを履いた岩登りの
 練習にはもってこいの沢です。
 またいつものように9時頃バスで大倉に着きます。今日は4人です。


  新茅荘前の駐車場には車が一杯。日曜日です。


  新茅ノ沢を渡り、懸垂岩。スダレのようにロープが下がりこの岩は
 もう取り付く余地はない。土日にここで練習はほぼ無理ですね。



  私たちはアイゼンを履いてモミソ沢に入ります。10:50過ぎ頃。


  直ぐに4m程の小滝。これを越えると2,3m程の小滝が続く。


  足を濡らしたくはないので沢シューズなら取り付く小滝も側壁に逃げ
 ますね。当然沢シューズの時とは違った登りにならざるを得ない。



  アイゼンの爪先を岩に載せるのは沢シューズの場合とはまったく
 違いますので足元をよくよく確かめて登ります。


  右岸からこちらの方が水量は多いかもという枝沢が合流する。
 11:10頃。


  また幾つか小滝を越えて行く。




  目の前に行き止まりのような崖が現れる。本流はこの棚の右手から
 入っているがもうほとんど水がない。



  この3m程の滝を越えると目の前が2条の滝。10:20頃。
 一見すると左の壁の方が易しそうに見えるが、右側にボルトが打た
 れていて4月も右手を登った。


  3,4m程と短いがホールド細かくアイゼンを履いてはわりと難しい。
 4月はフリーで登ったが安全を期し補助ロープでビレイしてもらい
 リードする。ビレイがあるせいか4月より楽に登れた。


  固定ロープにしても良かったが一応ビレイして登ってもらう。
  アイゼンの爪を置くところを見つけにくく皆さん結構苦労してました。
 爪は正確に岩に載せるとか突っ張るとかしなければ身体を支えられ
 ません。


  ここを登り終えて11:40頃。時間はたっぷりあるので、今度は
 上からロープを降ろして左側の壁も登ってみたいものだ。
 ちょうど上から沢を降ってきたガイド山行らしい2人が左の壁を
 懸垂で降っていった。
  

  休憩は取らずそのまま手頃な小滝を越えて進む。もう水はない。


  全体に小さな沢ですが更に狭まってゴルジュ風になってくると
 トイ状滝が現れる。11:45頃。
 


  ここは足を突っ張っても溝に差し込んでも登れます。


  どちらかといえば側壁に突っ張るほうがバランスはいいのだが
 まあすきずき。

  また3m程の練習向き小滝を問題なく次々越えて行く。



  11:55頃、チョックストーン滝です。


  しっかりしたフットホールドはないので腕に頼りがちですが、これくら
 いの幅まではやはり側壁を足で突っ張るほうが楽に登れる。




  根こそぎ倒れ掛かった木が覆いかぶさっている滝。滝を直登しても
 根っこを掴んで這い上がるしかなく側壁を巻く。12:00頃。
 岩盤の上のわずかな土を掴んで立っていたかなり大きな木だが、春
 の雪で倒れたらしい。根を張った部分の土はまだ抱えているので生
 きているが、このまま頑張るのは厳しいか。


  もう一つ小滝を越える。ここにある丸太は上流の方で倒木を切断し
 たもの(片付けるため)が流れてきたものらしい。落ちかかってきたら
 結構危ない。


  これを越えると大滝です。12:05頃。


  12時を過ぎていたので、大滝まで1時間10分強ほど。
 ここまで休まず来たが、これを登ってから休憩することにする。
 ここはロープを出しビレイしてもらい取り付く。途中ハーケン、リング
 ボルトがあり、一番上に2つしっかりしたボルトがある。また問題は
 滝の一番上落ち口部分である。岩は縦ホールドの上、足の置きどこ
 ろがつるつるの壁でアイゼンの爪を引っかけるところがない。上手く
 突っ張り気味に置く工夫をして縦ホールドを左に引きながら身体を
 上げていかなければならず難しい。しかしプロテクションを直ぐ上に
 取れているので落ちても怪我をすることはない。私は4月にも登って
 いるので要領は分かっているがそう簡単ではない。

  登ってビレイ支点をセットして皆に登ってもらう。12:20頃から。



  皆さん途中は問題ないもののやはり一番上の滝落ち口部分は厳し
 いらしく、特につるつる壁に足が決まらず縦ホールドを引けない。
 やむなくヌンチャクを引っぱりながら上がってきました。


  ビレイの様子。張り出した根っこに支点を取ってます。


  フォロー最後が登って来たのが12:35頃です。 


  ロープを収納し、アイゼントレはここまででアイゼンを外して昼飯
 休憩とする。アイゼントレは正味1時間半です。
 この沢は詰めも短いので、今回もまた沢を詰めることにします。
 12:50頃から。


  春先の大雪で倒れたらしい倒木。歩き始めると着こんでは暑い。


  だんだん急になっていくのはいつものこと。


  最終の急坂を詰めるころ、振り返るととてもいい雰囲気です。


  そのまま詰めて最後のぼろい崖を登れば尾根の先端に載れる。
 少し手前から左手の尾根に載ってもいい。


  13:40頃には堀山下の登山道に到着した。
 入渓から3時間弱と短くて手頃な沢だ。


  季節のいい休日の丹沢はとても登山者が多い。大勢と前後しなが
 ら一緒になり降っていく。尾根道の紅葉はまだまだだった。とりわけ
 イロハモミジがまだ青い。


  15:10前には大倉に着く。ぐるりと1周ルートで約6時間。
 バス乗り場は長蛇の列。見回しても若い登山者が結構いる。


  1台目には乗れそうもないかと思っていたら、上手いこと臨時便が
 出て座れて渋沢駅に行けた。 
 雪山でしばしば出てくるアイゼンを履いての岩登りの場面に対応す
 るためにはこうした練習も必要です。アイゼンの爪を岩に載せる時
 カリカリと引っかく音が続くのは、上手く決まらず載せられていない
 証拠です。爪で立つ事が出来なければ登れません。
 今日も楽しく練習出来ました。
 いい1日でした。
 渋沢駅付近の居酒屋で軽く一杯、なによりこれが欠かせません。