雷木沢
西丹沢、雷木沢 14,8,24
福島の大桧沢(飯森沢)というのに行く予定だったが、天気が悪そう
で中止となった。そこで代わりの日帰りの近場の沢を探し、前から気に
なっていた西丹沢モロクボ沢の支流、雷木沢に行くことにした。
用木沢出合まで車で入り、林道歩きも短いので沢装備に着替える。
5,6人の中高年Gが出発するところだったが、彼らは手作りの4段
くらいの木製の梯子を2つ担いでいった。どこの沢か聞いたこともない
様な沢に行くようだ。マニアがいるね。
ゲートを潜り、林道を少し歩き白石キャンプ場跡に入り進むと赤い
やまびこ橋がある。9:50頃。橋手前から沢に入る。
直ぐ上がモロクボ沢と雷木沢の出合だ。手前が雷木沢。
堰堤を越えて行く。ツチアケビが赤く色付いていた。
沢に入りナメを越える。
直ぐにF1が見えてくる。(10m強+4,5m)
F1を直登した記録は見ていない。(巻いて上から懸垂してトップ
ロープで登ったというのはあったが、ルートなどは皆目分からない。)
写真はいろいろあったので、もしかしたら登れるかもしれないと、
カム1とナッツ2を持って来た。
下から見上げても特に滝の落ち口付近はどうなのか分からない。
そのうち下の棚(写真中段)に上がるためか、左手にハーケンに
スリングが下がっているのを見つけた。最悪捨て縄で降りることも
覚悟して登ることにして取り付く。
なるほどスリングのあるところは垂壁で上の棚はホールドがない。
ハーケンにヌンチャクを掛けて、一つ目のプロテクションを取る。
いつのか分からない怪しいスリングで、立ち込むのは少々不安だが、
これをアブミにしてたち上がれば、マントリング風に棚に上がる事が
出来た。
その上を少し登ると岩の下に横クラックがある。持って来たカムには
少し大きめなクラックだったが、噛ませる場所を探してセットする。
ここまで二つ目のプロテクションを取れるところはない。
更に一段上がると写真一番上の流れの落下部分に達する。ここに
ナッツを噛ませるにいい割れ目があったので、セットする。
下から見て登れるかもと思った左手のスラブはつるつるで無理そうで、
滝を覗き込むと完全にシャワーとなるが、登れそうである。ザックに
カバーを掛けて取り付く。しっかりしたホールドを掴めば後は問題なく
登っていけた。ずぶ濡れであるが今日は気持ちがいい。
上にはしっかりした立ち木がありこれをビレイ支点とする。
トップロープで登ったという他情報がない中で、登り始めるのはそれ
なりに緊張したが、最初の棚に上がる以外は難しいところは結果的に
はなかった。しかしカム、ナッツ(あるいはハーケンを打つ)以外プロテ
クションを取れないので、無理は出来ない。
今回はこれを登るのが私の目標だったから登れてよかった。
ビレイ支点をセットして2人に登ってきてもらう。上から覗き込むと
結構な垂壁ですね。二人が登り終わったのが10:30頃。
F1はこの上に4、5m程の滝があり2段である。
これを登るとF2となる。(10m+4,5m)
滝右手の壁を登るが、コケがついておりかなり滑るので、不安な
人には補助ロープを出してもらう。ここも2段で結構高さはあるから
不安を感じるなら固定ロープをセットしたほうがいい。
この滝に取り付く人はいないらしく、岩は泥で蔽われていかにも
滑りそうだ。しかもほぼ岩が下向きでホールド悪そうで、カムやナッツ
を噛ませられるところもなかなか見つかりそうもない。上部は更に
立っていてシャワーになり無理な感じだ。
しばし見物する。水量が少ないので迫力なく少々残念。
滝の直ぐ左手に沢状があるが、上の方は壁になっているようで、
無理せず、もっと左手の尾根を登っていく。11時頃から。
沢の方に戻るように進み降り立ったのが11:10頃。
沢を進むと直ぐに二俣となる。また直ぐ上に次ぎの二俣が見える
くらいで連続している。これはどちらも右が本流。
小さなナメ滝などを越えて行くと、トイ状滝の先に長いナメ滝が
続いているのが見えてくる。これがF4かな。
トイ状を登るとナメ滝となり、左手を先頭が探ったがホールド少なく
難しいらしい。ここは止めて右手を小さく巻く。11:25頃。
ナメを登り終わるとまたナメ滝(F5)だが、こちらは結構滝らしい滝で
下段は立っている。
2人は右手を巻いたが、下段を登った記録もあるので、私は挑戦して
みた。棚に上がるところがホールド細かくシビアだが何とか上がれた。
その上はプロテクションを取る所もないので、右手の立ち木の方から
巻いて登った。
この先からは水も少なく早くも源頭の様相となる。適当なところで
昼飯とする。11:45頃から。
その先に進むと黒っぽい滝が現れる。流れの左手が階段状で
ここは易しい。F6になる。
ほぼ水もなくなってきて沢中の大岩を右に進む。12:15頃。
まだ少し早かったが、左岸尾根に逃げる。12:25頃。
尾根に上がったところ1150m辺りで、水晶沢の頭までまだ高差で
120~30mくらい登らなければならない。
左岸尾根は複雑という話だが、これで降ろうということになった。
12:35頃から降り始める。かなり急な尾根である。
この尾根のあちこちに見事につるんと顔を出したばかりの多分
タマゴタケが見られた。食用になるという話だがとって喰う気には
ならない。実にかわいい。おとぎの国の使者ですな。
タマゴタケは真っ赤だが真っ白なドクツルタケもあちこちある。こちら
は猛毒だしちょっと乾き気味の尾根に良く見かける。下手な知識では
きのこは怖いから手を出さないことにしている。
そしてこの左岸尾根はかなり複雑で、支尾根が沢山分岐していて
うっかり進むと滝上に出てしまう。一度進みすぎて少し登り返した。
鹿柵が出てきてかなりな急降りになり、鹿柵が途切れたところで左手に
また鹿柵沿いにトラバースしたりする。
かなり早く14時頃には白石キャンプ場跡に着いた。
河原には家族連れが来ていた。
用木沢出合の車まで戻り、着替えをしてまだ時間も早いので、山北駅
近くの「さくらの湯」に入り、汗を流して帰る。
丹沢の沢に車で入った時は、時間があればここで汗を流して帰ること
が多い。それにしても246号線は休日はいつも混む。
今回は雷木沢は初めてで、F1を登ることが半分目標みたいなもの
だったから、早めに左岸尾根を降ってしまった。
しかし水晶沢の頭まで登り、降りに水晶沢からモロクボ沢を辿るという
のも、おもしろいお勧めのコースになると思う。
次回のチャンスにはこれを行って見たい。
福島の大桧沢(飯森沢)というのに行く予定だったが、天気が悪そう
で中止となった。そこで代わりの日帰りの近場の沢を探し、前から気に
なっていた西丹沢モロクボ沢の支流、雷木沢に行くことにした。
用木沢出合まで車で入り、林道歩きも短いので沢装備に着替える。
5,6人の中高年Gが出発するところだったが、彼らは手作りの4段
くらいの木製の梯子を2つ担いでいった。どこの沢か聞いたこともない
様な沢に行くようだ。マニアがいるね。
ゲートを潜り、林道を少し歩き白石キャンプ場跡に入り進むと赤い
やまびこ橋がある。9:50頃。橋手前から沢に入る。
直ぐ上がモロクボ沢と雷木沢の出合だ。手前が雷木沢。
堰堤を越えて行く。ツチアケビが赤く色付いていた。
沢に入りナメを越える。
直ぐにF1が見えてくる。(10m強+4,5m)
F1を直登した記録は見ていない。(巻いて上から懸垂してトップ
ロープで登ったというのはあったが、ルートなどは皆目分からない。)
写真はいろいろあったので、もしかしたら登れるかもしれないと、
カム1とナッツ2を持って来た。
下から見上げても特に滝の落ち口付近はどうなのか分からない。
そのうち下の棚(写真中段)に上がるためか、左手にハーケンに
スリングが下がっているのを見つけた。最悪捨て縄で降りることも
覚悟して登ることにして取り付く。
なるほどスリングのあるところは垂壁で上の棚はホールドがない。
ハーケンにヌンチャクを掛けて、一つ目のプロテクションを取る。
いつのか分からない怪しいスリングで、立ち込むのは少々不安だが、
これをアブミにしてたち上がれば、マントリング風に棚に上がる事が
出来た。
その上を少し登ると岩の下に横クラックがある。持って来たカムには
少し大きめなクラックだったが、噛ませる場所を探してセットする。
ここまで二つ目のプロテクションを取れるところはない。
更に一段上がると写真一番上の流れの落下部分に達する。ここに
ナッツを噛ませるにいい割れ目があったので、セットする。
下から見て登れるかもと思った左手のスラブはつるつるで無理そうで、
滝を覗き込むと完全にシャワーとなるが、登れそうである。ザックに
カバーを掛けて取り付く。しっかりしたホールドを掴めば後は問題なく
登っていけた。ずぶ濡れであるが今日は気持ちがいい。
上にはしっかりした立ち木がありこれをビレイ支点とする。
トップロープで登ったという他情報がない中で、登り始めるのはそれ
なりに緊張したが、最初の棚に上がる以外は難しいところは結果的に
はなかった。しかしカム、ナッツ(あるいはハーケンを打つ)以外プロテ
クションを取れないので、無理は出来ない。
今回はこれを登るのが私の目標だったから登れてよかった。
ビレイ支点をセットして2人に登ってきてもらう。上から覗き込むと
結構な垂壁ですね。二人が登り終わったのが10:30頃。
F1はこの上に4、5m程の滝があり2段である。
これを登るとF2となる。(10m+4,5m)
滝右手の壁を登るが、コケがついておりかなり滑るので、不安な
人には補助ロープを出してもらう。ここも2段で結構高さはあるから
不安を感じるなら固定ロープをセットしたほうがいい。
この滝に取り付く人はいないらしく、岩は泥で蔽われていかにも
滑りそうだ。しかもほぼ岩が下向きでホールド悪そうで、カムやナッツ
を噛ませられるところもなかなか見つかりそうもない。上部は更に
立っていてシャワーになり無理な感じだ。
しばし見物する。水量が少ないので迫力なく少々残念。
滝の直ぐ左手に沢状があるが、上の方は壁になっているようで、
無理せず、もっと左手の尾根を登っていく。11時頃から。
沢の方に戻るように進み降り立ったのが11:10頃。
沢を進むと直ぐに二俣となる。また直ぐ上に次ぎの二俣が見える
くらいで連続している。これはどちらも右が本流。
小さなナメ滝などを越えて行くと、トイ状滝の先に長いナメ滝が
続いているのが見えてくる。これがF4かな。
トイ状を登るとナメ滝となり、左手を先頭が探ったがホールド少なく
難しいらしい。ここは止めて右手を小さく巻く。11:25頃。
ナメを登り終わるとまたナメ滝(F5)だが、こちらは結構滝らしい滝で
下段は立っている。
2人は右手を巻いたが、下段を登った記録もあるので、私は挑戦して
みた。棚に上がるところがホールド細かくシビアだが何とか上がれた。
その上はプロテクションを取る所もないので、右手の立ち木の方から
巻いて登った。
この先からは水も少なく早くも源頭の様相となる。適当なところで
昼飯とする。11:45頃から。
その先に進むと黒っぽい滝が現れる。流れの左手が階段状で
ここは易しい。F6になる。
ほぼ水もなくなってきて沢中の大岩を右に進む。12:15頃。
まだ少し早かったが、左岸尾根に逃げる。12:25頃。
尾根に上がったところ1150m辺りで、水晶沢の頭までまだ高差で
120~30mくらい登らなければならない。
左岸尾根は複雑という話だが、これで降ろうということになった。
12:35頃から降り始める。かなり急な尾根である。
この尾根のあちこちに見事につるんと顔を出したばかりの多分
タマゴタケが見られた。食用になるという話だがとって喰う気には
ならない。実にかわいい。おとぎの国の使者ですな。
タマゴタケは真っ赤だが真っ白なドクツルタケもあちこちある。こちら
は猛毒だしちょっと乾き気味の尾根に良く見かける。下手な知識では
きのこは怖いから手を出さないことにしている。
そしてこの左岸尾根はかなり複雑で、支尾根が沢山分岐していて
うっかり進むと滝上に出てしまう。一度進みすぎて少し登り返した。
鹿柵が出てきてかなりな急降りになり、鹿柵が途切れたところで左手に
また鹿柵沿いにトラバースしたりする。
かなり早く14時頃には白石キャンプ場跡に着いた。
河原には家族連れが来ていた。
用木沢出合の車まで戻り、着替えをしてまだ時間も早いので、山北駅
近くの「さくらの湯」に入り、汗を流して帰る。
丹沢の沢に車で入った時は、時間があればここで汗を流して帰ること
が多い。それにしても246号線は休日はいつも混む。
今回は雷木沢は初めてで、F1を登ることが半分目標みたいなもの
だったから、早めに左岸尾根を降ってしまった。
しかし水晶沢の頭まで登り、降りに水晶沢からモロクボ沢を辿るという
のも、おもしろいお勧めのコースになると思う。
次回のチャンスにはこれを行って見たい。