石老山から石砂山 | 鬼川の日誌

石老山から石砂山

  ギフチョウを探して(地図読み山行) 14,4,16


  11年の大地震の後、石砂山にギフチョウを探して歩いた
 コースと同じであるが、今回は新たな人を加えて歩くことに
 なった。相模湖駅からバスで、石老山入口まで。
 天気も良く、まだ花の盛りである。9:15頃。


  車道を歩いているとき、左手の丘の麓辺りにキジがいる
 のを仲間が見つけた。そのうち鳴き始めた。相当遠かった
 が目一杯望遠にしてようやく写真が撮れた。 
 今までキジを見かけたことはあるが、写真に撮ったことは
 ない。ボケてはいるがはっきりオスだと分かる。


  萌え始めた新葉の淡い色の山が美しい。


  石老山入口の看板がある。


  道を少し外れるが目の先に見事なシダレザクラの大木が
 民家の脇にあったので鑑賞する。


  もうツツジの季節である。ヒメオドリコソウとオオイヌノ
 フグリとハコベ。それにしてもオオイヌノフグリは花期が
 長いな。早春真っ先に咲き出すのに。


  病院の広場を抜けて一旦山道に入るが、余り歩かれて
 ない様で薮っぽい。途中からまた車道に出てしまい、その
 まま顕鏡寺まで。


  なかなか立派なイチョウの大木がある。9:45頃。


  多分ミミガタテンナンショウ。耳たぶのような張り出しが
 はっきりしているから。しかし私はいわゆるマムシグサの
 仲間を細かく分類は出来ない。ウラシマソウははっきり
 釣り糸で区別できるが。


  これから石老山までの道に岩屋や名前の付いた大岩
 などが続いている。


  鏡岩とか弁慶の力試し岩とか。


  春の山です。遠くは津久井湖の方か?


  融合平見晴台。下は相模湖。桜の花びらが散り敷いて
 きれいです。10:20頃。
 

  クロモジの花が咲いていました。アブラチャンよりずっと
 地味です。クロモジから高級な爪楊枝などが作られるが
 ともかくとてもいい香りがする。


  石老山山頂、丹沢の山波が見渡せ、大室山の向こうは
 富士山のはずであるが霞んで見えなかった。10:55頃。


  少し休憩。


  さてここまでは散歩コース。ここから石老山の三角点に
 移動し、そこから4、50m降って小さなピークに登り返し、
 また40mほど降って10mほど登り返したところに、牧馬
 峠へ降る尾根があると、地図を読み進む。
 その尾根の入口には分岐の看板があった。この奥に
 降っていく。11:15頃。


  急な尾根を降り始めるとすぐに右に踏み跡が分岐する
 が、ここは左手の沢に沿うように降るはずである。
 ヤブレガサが開き始めている。


  地図を確認しながら歩く。


  小さなアップダウンを確認しながら踏み跡を追っていくと
 登り返しに小さな祠がある。11:45頃。


  緩やかな尾根を歩いていくと、林の中にギフチョウを取
 るなという守る会の看板が幾つも見かけられるようになる。
 これから急なザレを降っていくと林道に出る。
 登山道ではないから降り口は崖である。
 ここで12時少し前だから、この尾根部分は45分弱。


  舗装道路を少し歩くと「守る会」の天幕があるところが、
 石砂山への登山道入口である。ちょうど12時。


  シュンランがきれいに咲いていた。


  巻き道から次のピークを直登する辺りにカンアオイの
 葉が見られる。明らかに幼虫の食べた跡を記した葉っぱ。
 このカンアオイという葉のみが、ギフチョウの幼虫の食草
 である。蝶類は種毎に食草が決まっており、それ以外は
 絶対に食べない。例え餓死してもである。だからこの葉の
 あるところでしかギフチョウは見られないのである。
 (アゲハチョウはミカン類かサンショウの葉、キアゲハは
 パセリかニンジンの葉、ジャコウアゲハはウマノスズクサ
 しか食べないのだそうだ。「限りある資源をめぐって、異な
 る種同士が無益な争いを避けるために、生態系が長い
 時間をかけて作り出したバランスである。」『動的平衡2』)
 ピークを登ったところで昼飯休憩。この辺りから周辺を
 飛び回るギフチョウが見られるようになるが、なかなか
 止まってくれないし、個体が小さい。12:25頃。

 

  ミツバツツジがきれいに咲いている。


  それから石砂山を目指して、休んでくれるギフチョウは
 いないか探しながら進む。12:40頃、1頭のギフチョウが
 羽を休めたところを、仲間がすかさず写真に撮る。教え
 られて私も近づいたが、飛び立たれてしまった。
 その時の仲間の貴重な写真中の一枚がこれである。
 結局この時以外は写真には撮れなかった。
 私はとうとう収穫なしである。


  なおも進むと、ピークを巻く道が多いのだが、結構道が
 崩れ気味で危ないところが多いので、ピークを越えた方
 がいいかもしれない。
  
  最後の鞍部から石砂山へおよそ100mほど登るのだが
 まさに石ザレの名のとおり、ザレの急斜面で非常に滑る。
 転げ落ちないよう要注意である。

  私は山頂(578m)に13時過ぎに着く。山頂にはカメラ
 を構えてじっとギフチョウが羽を休めるのを待つ人達が
 いた。10分以内には仲間たちも到着し、私たちもじっと
 待つが、シャッターチャンスはとうとう来なかった。飛び
 回っているのを見ることは出来たのでよしとしよう。  


  結局30分近くも山頂にいたろうか。まだ先があるので
 諦めて、石砂山西峰に向かう。5、60mほど降った分岐
 看板の奥が西峰への入口である。 


  同じくらい登り返すと西峰(572m)。13:40頃。


  西峰からはほぼ北向きに120~30m降っていくのだ
 が、後半50mほどがかなり急な斜面となる。危なそうな
 所はお助けロープを出すが、ちょっと掴まる程度だ。
 鞍部から緩く登り返し、また少し急な斜面を登ると、祠の
 ある499m、川上ドッケに着く。14:10頃。


  ここから北西へ415.5m三角点に向かう。途中明瞭な
 尾根の分岐が2ヶ所ある。それぞれの分岐を確認しつつ
 三角点に着く。「三角点」と書いた板が置いてあるが、
 これは余計なことでしょう。14:30頃。


  ここから杉の樹林帯を降る。


  途中の案内にあった白い階段を降り、林道に14:40頃
 降りたった。


  これからおよそ30分くらい歩いて、藤野やまなみ温泉
 で汗を流しおいしいビールをと頑張ったのだが、なんと
 やまなみ温泉の定休日が水曜日だった。
 ちょっとがっかりだが仕方がない。

  バスを待つ。待っている間に一人がザックに小さなヒル
 が付いているのを見つけた。皆のザックを点検すると
 もう1匹見つけた。このルートにはヒルがいるという情報
 があり、石老山の登り口で用意した塩水や山ビルファイ
 ターなどを靴に振りかけておいたのだが。
  非常に小さいので見落とす可能性が大きい。ついでに
 塩水がどれくらい効くか、ヒルにかけてみると、みるみる
 縮まってしまったから、かなり効果がある。ナメクジと同じ
 ようなものか。しかし最後は丁寧に潰しておいた。
 ヒルは生息域を広げているようだ。鹿の繁殖とともに広
 がっているようだから、これを何とかしないと。一旦定着
 されると、根絶するのは困難なのだろう。
  ヒルに食われても、血がしばらく止まらず気持ちが悪い
 がそれ以上大したことはない。しかし後でかゆみが出る
 こともあるから、こちらの方が気分が悪い。痛くはないが
 かゆくもないとは言えないわけだ。
 
  藤野駅に着き、駅舎の売店でビールを買い今日はこれ
 で飲み会もなしで終わりである。
 ともかく6時間近くの適度な散歩が出来た。