甲斐駒ケ岳 2 | 鬼川の日誌

甲斐駒ケ岳 2

   黒戸尾根から甲斐駒ケ岳  14,3,22・23  続き



  8時過ぎに少し休憩し、厳しい雪壁に取り付く。


  仲間の写真だが片側雪庇が張り出し、右側は急斜面。
 その後の小さな稜も両側削げ落ちている。8:30頃。


  そして回り込んだところがかなり立った雪壁で、降りは
 バックステップで降るようなところだった。私たちの帰り、
 見える立ち木でビレイして引き上げていたグループもいた。


  8:50頃。


  9:05頃には右手に山頂が見えてきた。


  途中少し休み踏み跡を追っていく。9:20頃。


  本峰一つ手前のピーク。9:30頃。すぐ右に山頂の祠。


  北岳方面。


  9:35頃山頂到着。


  2年越しでそして昨日の苦労の末やっと着きました。


  甲斐駒ケ岳山頂は文字通り360度の大展望です。
 また今日は最高の天気だ。風もない。
 北岳方面と仙丈ヶ岳。


  北アルプス方面。


  そして八ヶ岳と鳳凰三山と富士山です。
 仲間の写真も含め記念写真です。



 



  急雪壁を登って来たのですから、当然降りは厳しい。
 アンザイレンして慎重に降ります。10:50頃。


  11:10頃には取り付きの安全地帯に降る。


  8合目後来迎場に11:15頃。


  北岳ともお別れ。


  八ヶ岳をずっと見ながらの降りです。


  11:40頃。ダケカンバ帯を進む。


  ちょうど12時頃に小屋に辿り着きました。


  まだ昼と早く帰り着きましたが、小屋に残したおっさん
 の体調もあるし、予定通り小屋にもう一泊です。昨晩は
 遅く着き、全員が布団を出してもらいましたが、今日は
 シュラフを持って来た人は、シュラフで寝ます。(¥1000
 引きです。)小屋は昨日に続き満員でした。

  再挑戦で山頂に無事登れてとても良かったのですが、
 昨日のことがあるので、心置きなく万歳とはどうしても行
 かずなんとなく気持ちがすっきりしなかった。
 しかしあるだけのお酒で乾杯です。
 おっさんも元気を取り戻してきたので、明日は黒戸尾根
 の長丁場も大丈夫でしょう。

   **

  23日もいい天気でした。
 小屋のすぐ下から厳しい降りが続くので、班分けして
 適宜ロープを出しながら、降りました。


  5合目に降りつけば一安心です。8:10頃。


  黒戸山の途中林の中にテントがありました。テント分
 重いけれども、好きなところで休めるのは利点ですね。
 この辺からなら山頂往復も可能でしょう。


  刀利天狗9時頃。


  刃渡りを9:30頃です。


  ガイド山行らしき2人組み。


  しかしまだまだこれから長かった。


  笹の平分岐に11時頃。




  尾白川渓谷分岐に12:35頃。
  

  ようやく下に神社と吊橋が見えて来たのが12:50頃
 です。
 この辺りで、朝私たちが小屋を出発する少し前くらいに、
 山頂に向けて歩き出した単独の若者が私たちを追い越
 して行きました。
 私たちは黒戸尾根を降るだけで、6時間近く掛かった
 わけですが、彼はその時間で小屋から山頂に登り、小屋
 に戻り、黒戸尾根を降ってきたようだ。ちょっと信じられ
 ないようなスピードだが、走るように降っていくのを見ると、
 多分行ってきたのだろう。
 凄いのがいるものだし、あまりにも若さ、体力、技術が
 違うと、私たちは「年寄りの冷や水」もいいところなのか
 もしれないとつくづく思ってしまう。




  13時頃に神社。
 駐車場に辿り着いて荷を片付け、タクシーを待ち韮崎駅
 に到着しここで解散した。時間も早くあずさも空いていて
 ゆっくり飲みながら帰京です。
 
  今回は再挑戦で、冬山の黒戸尾根から甲斐駒ケ岳に
 登るという厳しい行程を無事完遂したのは、私たち年寄
 りほとんど軍団にしては快挙でした。多分私には最後の
 チャンスだったろうと思います。
 
  しかし大荷物おっさんが文字通りの大荷物となり、爆弾
 低気圧による大荒れの天気に急変したことが輪を掛けて、
 大変厳しい目に合わされたために、どうしても素直に快挙
 を喜ぶ気になりません。
 黒戸尾根を冬に登ることは私はもうないでしょうが、こうした
 事態をいい教訓にしてもらいたいものだと思います。 

  (仲間の写真を大分お借りしています。)