赤岳主稜 2
赤岳主稜登攀 14,3,9 続き
名古屋組(N隊)、私の組(O隊)、リーダー組(J隊)
の順番に取り付きます。
下の写真は核心でもある1ピッチ目チョックストーンを
N隊リードが登り、下が見えるコルのところでピッチを
切ったところ。今登っているのは先行パーティーのセカ
ンドです。その他ソロのお兄さんが残したロープ(後で
降りてきた)などがあり、複雑になってます。
N隊セカンドに続いて私も取り付きます。最初の1手が
見つからず少し手間取りました。体が上がれば雪面に
ピッケルを打ち込むなどして乗りあがることが出来ます。
ここは全体でも核心と言われている4級の登りです。
オーバー手袋とアイゼンですから結構大変です。
私もN隊と同じところにピッチを切り、ソロのお兄さんの
残した支点の岩に被せるようにして支点を作り、セカンド
をビレイしました。普通1ピッチ目はルンゼを右手に上
がった岩の取り付き点までです。登ってきた相棒にそこ
までリードで登ってもらい、ピッチを切りビレイしてもらい
登ります。
J隊も引き続き登ってきます。
これから先は各隊毎にピッチの切り方も違ってくる。
N隊は中間部雪壁をコンテで登ったようだ。ここをコンテ
で登るのはお互いの力量を余程良く分かったパーティー
でないととても出来ないことだ。
下の写真はN隊10:10過ぎ頃。
3ピッチ目私はまず立った岩場を登り、その後の雪壁を
ロープを一杯に伸ばしてリードしてピナクルでピッチを
切った。
セカンドをビレイしているところで撮った写真が同じ場所
だったが、既に私たちは10:30頃。
赤岳に登る隊列(阿弥陀分岐付近)、と手前南峰リッジに
取り付くらしい隊列が見える。
私が伸ばした3ピッチ目のロープとこれから行く4ピッチ
目。岩っぽい雪壁です。4ピッチ目終了は上の岩の取り
付き点になります。
支点は岩である。こうしたしっかりした岩はあまりない
ので、ランニングビレイ支点を作るのが難しく、ランナウト
せざるを得ない場合が多い。セカンドが登ってくる。
下はるかに、渡ったトラバース道と文三郎道を登る人達
が見えている。
セカンドが辿り着いたら、今度は上の4ピッチ目をリード
で登ってもらい、次ぎの岩場の下でまたピッチを切る。私
が今度はセカンドで登る。ここは雪壁部分だが、やはり
ランニング支点を作るのが難しいところだった。
5ピッチ目も取り付きは岩場で、これを乗り越え、引き続き
雪壁を登り、いい支点になりそうなピナクルを探す。
N隊はこの岩を越えた所で一旦ピッチを切り、その上
から私たちの6ピッチ目まではコンテで登ったようだ。
下の写真はN隊のもので岩場を越えた所。
私が5ピッチ目を切ったのが11:20頃だ。隣の南峰
リッジを登っているのが見える。向こうからもこちらが見
えるだろう。
阿弥陀岳も段々低くなっていく。そしてその向こうに
中央アルプスと御嶽山が見える。
5ピッチ目を登る相棒。はるか下に行者小屋が見え、
なかなか凄い眺望だ。そして上反対側が私たちの6ピッチ
目となる。ここは相棒のリードで、主に雪壁だがランニ
ング支点をほとんど取れない。上に見える岩壁の下まで。
阿弥陀岳の右手向こうには北アルプスのほぼ全山と
硫黄岳から蓼科山までの八ヶ岳の北部が見渡せる。
私の隊が6ピッチ目を終えて私が7ピッチ目に取り付
いた頃、N隊は早くも山頂小屋に到着していたようです。
12時過ぎには山頂での記念写真を撮り、降り始めたと
いう。めちゃ早い。ピッチを切り、支点を作りロープを
上げ、セカンドを引き上げるという一連の動作は、寒い時
オーバー手袋をしたままだと、どうしても時間が掛かる。
これをコンテで省略することが出来れば、それは早い。
しかしそれはお互いの力量をを良く知ったペア以外には
安易にはとても出来ないことだ。
(N隊の話によると、ここをコンテは自信がないというので
ばらばらに登っていった若者ペアがいたという話です。
それはないでしょう。コンテが無理ならスタカットで確保す
べきだと感想を述べてましたが、同感ですね。)
N隊の山頂付近の写真です。
下の写真は私が7ピッチ目を登っていて相棒がビレイ
しているところで、J隊が6ピッチ目を終えて到着・待機し
ているところです。
J隊の仲間の写真。これが12時頃です。
次ぎの写真は私が7ピッチ目を終えて支点を作った所。
既に12:20頃。7ピッチ目が上部岩壁の核心のようだ。
上の写真のように取りつきも結構立っている。それ以上
にこれを越えた上の岩壁は、踏み跡が残ってなく、上に
見える凹角か左のフェースかルートの判断が難しかった。
どちらでも登れたらしいが、一見すると凹角のようで、私
はこれに取り付いた。しかし結構悪かった(3級上)ので、
ここではないのかとも思いながら何とか抜けた。抜けると
上の岩にボルトが打ってあったので、支点を作る。
私がセカンドをビレイし、下に見えてきたと思ったとき
「ロープを掴んでいいですか」という声が聞こえた。一瞬
相棒かと思ったが、相棒を追い抜いて登ってきたソロの
お兄さんだった。1ピッチ目辺りでロープを張り、登ったり
降りたりしていたソロの人と同じかどうかはよく分からな
かったが、ロープが目の前にあれば、凹角を乗り越える
のに掴みたくなる程度には嫌なところだったようだ。
ザックが引っかかるので、身体を外に出さなければなら
ないからだ。
相棒も頑張って登ってくる。これに続いて、J隊リードも
登ってきたが、やはりここはロープが欲しかったようだ。
この上の8ピッチ目は7ピッチ目支点の写真の上である。
ここは私の相棒のリードの番であるが、写真ちょうど中央
小さく黒く見える窪みまでで、ここが9ピッチ目の取り付き
点である。私はここはセカンドだが、上の方は結構立って
いて恐いところで、相棒頑張った。
私が9ピッチ目の岩場をリードで登り、雪壁を支点を探
して登って、格好のピナクルに支点を作り、相棒がここ9
ピッチ目に取り付いたのが13:25頃で、下の写真。
続くJ隊の仲間が撮ったもの。
9ピッチ目の上は短い雪壁で直ぐに山頂のようです。
阿弥陀岳もすっかり足下です。
私たちは13:45頃には山頂到着。
J隊も10分後くらいには山頂に到着。14時少し前。
山頂からの降りは岩場が完全に雪に埋まり、相当な
雪の急斜面となっていましたが、踏み跡はあるしロープは
着けず慎重に降りました。
岩稜帯を抜け阿弥陀岳との分岐に降る頃で、14:25頃。
振り返った赤岳山頂と横岳・硫黄岳方面。
行者小屋が足下に見えてきてからまだまだ。
行者小屋に15時頃到着しました。はるか前に小屋に
着いていたN隊が迎えてくれました。N隊とは体力技術
とも格段の差があるようです。中間部雪壁をコンテで
登ることは私たちには出来ない。
この辺から眺める大同心と横岳もなかなかいい。
夕方の阿弥陀岳と赤岳。
15:20頃には行者小屋を出発。南沢は長い。
美濃戸には16:45頃です。
名古屋組は車でここまで来ていました。6人は乗れない
のでJ隊と私たちの荷物を美濃戸口まで運んでもらい、
私たちO隊は歩きました。
もうバスはなく美濃戸口から茅野までタクシーです。
茅野駅であずさを待つ間、立ち食いソバとビールで登攀の
成功を祝い軽く乾杯です。あずさはまとめて席が取れる
ほど空いてはいませんでしたが、一応指定席が取れました。
朝方は風もあり結構寒かったが、天気は良く無事赤岳
主稜を登攀することが出来感激です。大きな課題を一つ
クリアすることが出来ました。
名古屋組(N隊)、私の組(O隊)、リーダー組(J隊)
の順番に取り付きます。
下の写真は核心でもある1ピッチ目チョックストーンを
N隊リードが登り、下が見えるコルのところでピッチを
切ったところ。今登っているのは先行パーティーのセカ
ンドです。その他ソロのお兄さんが残したロープ(後で
降りてきた)などがあり、複雑になってます。
N隊セカンドに続いて私も取り付きます。最初の1手が
見つからず少し手間取りました。体が上がれば雪面に
ピッケルを打ち込むなどして乗りあがることが出来ます。
ここは全体でも核心と言われている4級の登りです。
オーバー手袋とアイゼンですから結構大変です。
私もN隊と同じところにピッチを切り、ソロのお兄さんの
残した支点の岩に被せるようにして支点を作り、セカンド
をビレイしました。普通1ピッチ目はルンゼを右手に上
がった岩の取り付き点までです。登ってきた相棒にそこ
までリードで登ってもらい、ピッチを切りビレイしてもらい
登ります。
J隊も引き続き登ってきます。
これから先は各隊毎にピッチの切り方も違ってくる。
N隊は中間部雪壁をコンテで登ったようだ。ここをコンテ
で登るのはお互いの力量を余程良く分かったパーティー
でないととても出来ないことだ。
下の写真はN隊10:10過ぎ頃。
3ピッチ目私はまず立った岩場を登り、その後の雪壁を
ロープを一杯に伸ばしてリードしてピナクルでピッチを
切った。
セカンドをビレイしているところで撮った写真が同じ場所
だったが、既に私たちは10:30頃。
赤岳に登る隊列(阿弥陀分岐付近)、と手前南峰リッジに
取り付くらしい隊列が見える。
私が伸ばした3ピッチ目のロープとこれから行く4ピッチ
目。岩っぽい雪壁です。4ピッチ目終了は上の岩の取り
付き点になります。
支点は岩である。こうしたしっかりした岩はあまりない
ので、ランニングビレイ支点を作るのが難しく、ランナウト
せざるを得ない場合が多い。セカンドが登ってくる。
下はるかに、渡ったトラバース道と文三郎道を登る人達
が見えている。
セカンドが辿り着いたら、今度は上の4ピッチ目をリード
で登ってもらい、次ぎの岩場の下でまたピッチを切る。私
が今度はセカンドで登る。ここは雪壁部分だが、やはり
ランニング支点を作るのが難しいところだった。
5ピッチ目も取り付きは岩場で、これを乗り越え、引き続き
雪壁を登り、いい支点になりそうなピナクルを探す。
N隊はこの岩を越えた所で一旦ピッチを切り、その上
から私たちの6ピッチ目まではコンテで登ったようだ。
下の写真はN隊のもので岩場を越えた所。
私が5ピッチ目を切ったのが11:20頃だ。隣の南峰
リッジを登っているのが見える。向こうからもこちらが見
えるだろう。
阿弥陀岳も段々低くなっていく。そしてその向こうに
中央アルプスと御嶽山が見える。
5ピッチ目を登る相棒。はるか下に行者小屋が見え、
なかなか凄い眺望だ。そして上反対側が私たちの6ピッチ
目となる。ここは相棒のリードで、主に雪壁だがランニ
ング支点をほとんど取れない。上に見える岩壁の下まで。
阿弥陀岳の右手向こうには北アルプスのほぼ全山と
硫黄岳から蓼科山までの八ヶ岳の北部が見渡せる。
私の隊が6ピッチ目を終えて私が7ピッチ目に取り付
いた頃、N隊は早くも山頂小屋に到着していたようです。
12時過ぎには山頂での記念写真を撮り、降り始めたと
いう。めちゃ早い。ピッチを切り、支点を作りロープを
上げ、セカンドを引き上げるという一連の動作は、寒い時
オーバー手袋をしたままだと、どうしても時間が掛かる。
これをコンテで省略することが出来れば、それは早い。
しかしそれはお互いの力量をを良く知ったペア以外には
安易にはとても出来ないことだ。
(N隊の話によると、ここをコンテは自信がないというので
ばらばらに登っていった若者ペアがいたという話です。
それはないでしょう。コンテが無理ならスタカットで確保す
べきだと感想を述べてましたが、同感ですね。)
N隊の山頂付近の写真です。
下の写真は私が7ピッチ目を登っていて相棒がビレイ
しているところで、J隊が6ピッチ目を終えて到着・待機し
ているところです。
J隊の仲間の写真。これが12時頃です。
次ぎの写真は私が7ピッチ目を終えて支点を作った所。
既に12:20頃。7ピッチ目が上部岩壁の核心のようだ。
上の写真のように取りつきも結構立っている。それ以上
にこれを越えた上の岩壁は、踏み跡が残ってなく、上に
見える凹角か左のフェースかルートの判断が難しかった。
どちらでも登れたらしいが、一見すると凹角のようで、私
はこれに取り付いた。しかし結構悪かった(3級上)ので、
ここではないのかとも思いながら何とか抜けた。抜けると
上の岩にボルトが打ってあったので、支点を作る。
私がセカンドをビレイし、下に見えてきたと思ったとき
「ロープを掴んでいいですか」という声が聞こえた。一瞬
相棒かと思ったが、相棒を追い抜いて登ってきたソロの
お兄さんだった。1ピッチ目辺りでロープを張り、登ったり
降りたりしていたソロの人と同じかどうかはよく分からな
かったが、ロープが目の前にあれば、凹角を乗り越える
のに掴みたくなる程度には嫌なところだったようだ。
ザックが引っかかるので、身体を外に出さなければなら
ないからだ。
相棒も頑張って登ってくる。これに続いて、J隊リードも
登ってきたが、やはりここはロープが欲しかったようだ。
この上の8ピッチ目は7ピッチ目支点の写真の上である。
ここは私の相棒のリードの番であるが、写真ちょうど中央
小さく黒く見える窪みまでで、ここが9ピッチ目の取り付き
点である。私はここはセカンドだが、上の方は結構立って
いて恐いところで、相棒頑張った。
私が9ピッチ目の岩場をリードで登り、雪壁を支点を探
して登って、格好のピナクルに支点を作り、相棒がここ9
ピッチ目に取り付いたのが13:25頃で、下の写真。
続くJ隊の仲間が撮ったもの。
9ピッチ目の上は短い雪壁で直ぐに山頂のようです。
阿弥陀岳もすっかり足下です。
私たちは13:45頃には山頂到着。
J隊も10分後くらいには山頂に到着。14時少し前。
山頂からの降りは岩場が完全に雪に埋まり、相当な
雪の急斜面となっていましたが、踏み跡はあるしロープは
着けず慎重に降りました。
岩稜帯を抜け阿弥陀岳との分岐に降る頃で、14:25頃。
振り返った赤岳山頂と横岳・硫黄岳方面。
行者小屋が足下に見えてきてからまだまだ。
行者小屋に15時頃到着しました。はるか前に小屋に
着いていたN隊が迎えてくれました。N隊とは体力技術
とも格段の差があるようです。中間部雪壁をコンテで
登ることは私たちには出来ない。
この辺から眺める大同心と横岳もなかなかいい。
夕方の阿弥陀岳と赤岳。
15:20頃には行者小屋を出発。南沢は長い。
美濃戸には16:45頃です。
名古屋組は車でここまで来ていました。6人は乗れない
のでJ隊と私たちの荷物を美濃戸口まで運んでもらい、
私たちO隊は歩きました。
もうバスはなく美濃戸口から茅野までタクシーです。
茅野駅であずさを待つ間、立ち食いソバとビールで登攀の
成功を祝い軽く乾杯です。あずさはまとめて席が取れる
ほど空いてはいませんでしたが、一応指定席が取れました。
朝方は風もあり結構寒かったが、天気は良く無事赤岳
主稜を登攀することが出来感激です。大きな課題を一つ
クリアすることが出来ました。