大山川 | 鬼川の日誌

大山川

  大山川アイゼントレ  14,2,11



  大雪の中信濃川上の岩根山荘アイスツリーでのアイス
 クライミングを楽しんだが、雪のため交通機関が混乱し
 往復とも大変な時間が掛かった。普段それほど雪は降ら
 ずその対策もないところではお手上げだったようだ。

  これではいつもはほとんど雪もない大山川も雪に埋も
 れているのではないかと思いながら出かけた。
 伊勢原駅でバスを待つ。前日まで大山ケーブルは動か
 なかったとかいう話が入ってきたし、バスもケーブル駅
 まで行くかのかどうか?とか。
 まあバスもケーブルもちゃんと動いた。
 阿夫利神社駅から海が見える。
 

  大山川取り付きの二重滝神社。


  取り付きのF1。ルートが雪に埋まってる。


  今回は10人。3,2,2,3の4班体制。
 私の組は3人で第1班である。登攀装備を整えロープを
 結んで私から取り付く。

  ここは取り付き付近に支点があるが、その他はない。
 上に行けばこれはほとんど役に立たないので基本フリー
 ソロと同じである。

  ルートに乗っている雪は斜度があるのでほぼ落ちて
 岩溝の上に薄く乗っているだけである。踏み込めば全部
 崩れ落ちて全く足場にはならない。しかし一応岩を隠す
 ほどには雪が付いているので手足ともホールドが全然
 分からない。
 ピッケルで雪を叩き落し、ホールドを掘り出しながらの
 登攀となった。雪がなければそれほど難しいところでは
 ないが、あまりいいホールドのある登りではない。
 支点を作れそうな岩もない。
 そんなわけで結構難しい登攀となってしまって、久しぶり
 に緊張した。大分時間が掛かったと思う。

  滑り落ちたくはないから一歩一歩確実に手足ホールド
 を決めてズリ上がっていった。
 登り終えて立ち木にビレイ支点を作り私の班の2名を
 引き上げる。その時ギャラリーもいたようだ。
 F1落ち口からのこの写真を撮ったときで11:15頃。
 神社に10:25頃着き、登攀装備を装着し、班体制を
 作り、ロープを結んで取り付き、登り、ビレイ支点を作り
 班メンバーを引き上げているときである。


  班メンバーが登り終えたら続いてF2を登る。沢は
 たっぷりの雪で埋まっていた。かなり潜る。F2までは
 普段は水があるので、嵌まり込んで靴を濡らさないよう
 気をつけたがどうやら水はないようだ。この上はいつも
 流れはない。
 写真はF2上。下に後続班がいて、第3班リードがF1を
 登って来たところだ。11:30頃。


  F2上の沢の様子です。沢なので深く嵌まり込む所が
 ありラッセルが大変なので交代しながら進む。 


  F3上。私たちは手前の滝を登り、第2班が奥の滝を
 登ってもう1人をビレイしているところ。11:50頃。


  F3上は小雪崩跡(デブリ)だらけです。もう落ちる雪
 は落ちてしまっているようだ。


  F4に来ました。早くも12時頃になったので、第3班、
 4班を待ちながら休憩です。


  5分ほどで後続も登ってきました。


  F4は短いながらハング気味で手足ホールドのない
 つるっとした滝で、いつも苦労するところです。左手は
 雪の斜面になっているので、巻く手もあったのですが
 ともかく取り付いてみました。
 積もった雪が足場になり少し高い位置に立てた。
 垂れ下がったツララを叩き落し、ピンを掘り出して足場
 を作り、残置のスリングも掴んで何とかずり上がった。
 上がれば倒木に支点を作り、後続をビレイできます。


  班メンバー2人を引き上げ、ラッセルは交代してもらい
 進みます。


  本当にどこの山か?と思うくらい深い雪でした。
 しかしこのラッセルも楽しい。


  12:30過ぎくらいから第2班にラッセルを交代して
 もらいました。第3班も付いてきています。


  2班はそのままF5に取り付く。ここは雪が足場に
 なるほどたっぷり付いていた。ロープもあった。


  滝はF6と続いている。2班はそのまま登る。


  F5を登る第3班、私たちはF6手前で2班の登りを
 待つ。


  続いて私たちもF6を登る。F6上も更にたっぷりの雪。


  第3班。


  ラスト第4リーダー班(初心者2人を連れた)が登って
 来たのがちょうど13時頃になりました。下降は懸垂を
 多用することになり、結構時間がかかるので、登りは
 ここまでとしました。


  立ち木に懸垂下降用ロープをセットして、リーダー
 から降っていきます。その後第2班。


  第3班。


  私たちが最後です。F5は懸垂用のいい支点がない
 ので、リーダー班は登ってきた滝横の倒木を使うように
 移動しているようです。
 以後の班は,F6からのロープに余裕があったので、
 これの先を支点にして降っていました。
 全員がF5下まで降りてから、残された私はF6からの
 懸垂用ロープを回収し、見渡すとちょっと細いが懸垂
 支点になりそうな立ち木を崖に見つけ、これにロープを
 掛けてF5を懸垂で降った。


  F4、F3では先行したメンバーがセットしたロープを
 使って懸垂下降し、F2は肩絡みビレイでも降れる。
 そして最後にF1の懸垂下降です。
 ここは一番大きな滝の下降です。

  トップは第2班。


  第1班の2人。ギャラリー付です。


  第3班。


  リーダーと降り写真担当の私が最後です。


  神社で装備を解き、ガチャ類の受け渡しを行って
 終了です。10人が懸垂下降するのはやはり時間が掛
 かり既に15時頃といい時間になりました。
 もう一度F1。


  阿夫利神社駅に帰ります。


  階段を上がった所にあるお茶屋さんとは、朝これから
 沢に入るという話をしていたので、帰りの私たちを見か
 けてお茶を出してくれた。ありがたい。

  ケーブルで降り、バスで伊勢原。希望者だけで駅近く
 で軽く一杯やって帰った。
 丹沢の一角とは思えないほどのたっぷりの雪でとても
 楽しめた1日だった。