大室山
雪の大室山(山頂直下敗退) 13,12、29
しばらく歩いてないので少し歩きますかというわけで
軽い気持ちで出かけた。本厚木に集まり、道志道を
村役場方面に向かう。野原吊橋からの渓谷遊歩道の
駐車場に車を止め、吊橋を渡って歩き始める。
道志村は渓谷なので日当たりが悪く、道路が少々
凍っている。これから先は前日降雨、降雪があれば
スタッドレスタイヤでなくては危ないか。
遊歩道脇は残雪か霜か真っ白である。
10分ほど歩くと次ぎの久保吊橋を渡った所になり
ここに登山道入り口がある。下山時に出会った2人の
ハイカーによると、吊橋手前に駐車余地があるようで
こちらから来る方が便利である。
ここで軽アイゼン(6本爪)を装着する。しかし相方は
4本爪だ。軽アイゼンとしか連絡しなかったのでだが。
まあ登り始めの凍り気味の斜面がそれほど厳しく
なく更にその上の尾根に出てからは深い雪となり、
ヤセ尾根も厳しい斜面もほぼなかったので、アイゼン
はさほど問題にならなかったから良かった。
だが4本はハイキングアイゼンで基本ヌカルミ道の
滑り止め以上ではない。沢登りの詰めのザレなどに
は意外に有効に使えるので、私はザックに忍ばせて
おくことはある。
登り始めは9:00過ぎ頃になった。
天気は良かったので、杉の葉に付いた雪が溶けだし
粉雪状に降ってくる。きらめいてきれいだ。写真は
なんだか分からない。
久保分岐(大渡方面との)に9:50頃。
尾根を進むと段々雪が深くなる。
10:20頃大きな足跡を見つけた。鹿ではない。
鹿の場合はヒヅメが2本食い込んでいるので分かる。
熊かなと思うけれど、比較のものを置かなかったので
大きさが良く分からなくなってしまった。
10:45頃には雪も相当深くなりまた大きな足跡が
横切っていた。しかしこれも鹿ではないが、先ほどの
とはまた足跡の付け方が違うようだ。
登山道の人の踏み跡は全くない。これはこれで新鮮で
とても気持ちがいい。
山頂を示す標識がある。新しい方のと古い方では
示す時間が倍になっている。大体昔の人の方が健脚
だというわけなのだろう。ここが10:50頃。
ここで少し休憩して英気を養えばよかったと後から
思えるが、直ぐ出発した。
こういう時は自分に都合のいいほうを信じたくなる
のが心理だが、雪はいよいよ深くなる。斜度も相当
きつくなってくる。
吹き溜まっている所では膝をはるかに越え、足全部
潜るほどになってきて、ラッセルが尋常なものでは
なくなってきた。これだけになると夏道は全く分からず、
その吹き溜まり部分を突破するだけでえらい時間が
掛かる。あの先に見える区切りまでと頑張るものの
遅々として進まない。
あの先まであの先までと進んでいるうちに、これは
とても最初の計画のように、大室山から大室指に降
るのは無理だなと思えてきた。
天気も良く風もないので、踏み跡が消えてしまう心配
はないから、引き返すのなら問題はない。12時くらい
を目処に、無理なら引き返すことにしようと、内心思う
ようになってきた。しかし標識から1時間ほどしても、
まだ全く目処がつかず、もう少し頑張る。
上のような写真は撮ったものの、はるかに深いこの
吹き溜まり部分の深さを示す写真を分かるように
撮っておけば良かったのだが、歩くのに必死になって
その時は思いつかなかった。
やがて大室指の方からの尾根らしきとの合流点を
過ぎ、更に一段登ると大室山への標識のある看板に
着く。この辺少し平らになっている。
このあたりを過ぎても深いラッセルが続き、なかなか
進まない。とうとう私の限界かなと思えてきたので、
ラッセルを交代してもらった。
下の写真が相方の最後のラッセルである。
これが12:35くらいだった。
この先少し登ると山頂らしきが目の先に見えたし、
ここで休憩を取る事にした。足を止めるとどっと疲れ
が出た。寒さもかなり応えてきた。
12時頃の目処からおよそ1時間近く余分に頑張り
(降りの時間、余力を勘案しながら)、くたくたに疲れ
果てたと感じたので、山頂はもう後10分くらいかも
しれないが、ここで登頂は無理しない事にした。
13時少し前くらいに降り始めた。
少し休み、降るとなれば、踏み跡は私たちのもの
しかないし迷うこともなく、実に快適である。
しかしやはり相当深い。よく登ってきたと感じながら
降った。
大室山まで120分の標識が雪の時には正しかった。
その距離を降りではあっという間に着いた。深い雪で
滑るように超快適に降れるからだ。
これを過ぎて雪の深さと斜度が緩んでくる頃に、登って
きた2人連れが休憩しているのに出会った。
2人はスノーシューで、もう山頂に挑戦するつもりは
なく、この付近を歩き回って終わりにするということ
らしかった。登りで私たちのツボ足の踏み跡を見つけ
「ツボ足で登っている人がいる」と、足跡を写真に
撮ったりしたという話だった。
山頂まで行きましたかと問われたので、山頂直下で
下山して来たと答え、この先は相当雪が深いと教えて
あげた。彼らは久保吊橋から来たということだった。
彼らの停めた所に車がなく、踏み跡があったので
変だなと思ったらしい。
この辺まで降ればもう余裕なので、私たちも少し
日の当る場所で休憩した。
久保分岐に14:10過ぎに着いたから、降りは相当
早かった。
これからおよそ30分、14:45前には登山口に
到着した。雪の花がきれいだった。
帰りは久保吊橋を渡り(渡った所にトイレがある)、
道志道を歩いて野原吊橋の駐車場まで歩いた。
確かに途中駐車できそうな余地があり、2人連れの
らしい車が停めてあった。
車道を歩くと少し遠回りだが、やはり10分と少し
くらいで着いたようだから、15時を過ぎた頃だったか。
予定よりはかなり早めに帰ることになったが、私は
車の運転があるし、目標の大室山を目前に敗退した
わけでもあり、乾杯する気にならない。
ノンアルコールビールはあまり飲みたくもない。
結局道志道の快適なドライブだけで、早々と本厚木
駅に到着してしまいこれで解散とした。
今回は明らかに裏丹沢の雪の多さに対する情報
が全く不十分で甘かったと言わざるをえない。
装備からして不備であった。
ここは基本本格的な雪山の装備で挑むべきである。
もう少し凍結気味になり、斜度がきついところを想定
すれば、ちゃんとしたアイゼンとピッケルがいる。
雪の多さからいえば、ワカンが欲しい。だから当然
濡れに対する装備が不可欠だ。
またこうしたところでは、山スキー用のしっかりした
ダブルストックが有効だと思う。
しかし膝上に達する雪のラッセルをどれだけ耐え
られるか、私にはなかなかいいい訓練になったと
思うのだが、これは負け惜しみかな?
今度は行けなかった大室指の方から登ってみたい
と思っている。とてもいい雪山訓練になるだろう。
山頂目前に敗退した相方とも是非また一緒に行き
たいものである。
しばらく歩いてないので少し歩きますかというわけで
軽い気持ちで出かけた。本厚木に集まり、道志道を
村役場方面に向かう。野原吊橋からの渓谷遊歩道の
駐車場に車を止め、吊橋を渡って歩き始める。
道志村は渓谷なので日当たりが悪く、道路が少々
凍っている。これから先は前日降雨、降雪があれば
スタッドレスタイヤでなくては危ないか。
遊歩道脇は残雪か霜か真っ白である。
10分ほど歩くと次ぎの久保吊橋を渡った所になり
ここに登山道入り口がある。下山時に出会った2人の
ハイカーによると、吊橋手前に駐車余地があるようで
こちらから来る方が便利である。
ここで軽アイゼン(6本爪)を装着する。しかし相方は
4本爪だ。軽アイゼンとしか連絡しなかったのでだが。
まあ登り始めの凍り気味の斜面がそれほど厳しく
なく更にその上の尾根に出てからは深い雪となり、
ヤセ尾根も厳しい斜面もほぼなかったので、アイゼン
はさほど問題にならなかったから良かった。
だが4本はハイキングアイゼンで基本ヌカルミ道の
滑り止め以上ではない。沢登りの詰めのザレなどに
は意外に有効に使えるので、私はザックに忍ばせて
おくことはある。
登り始めは9:00過ぎ頃になった。
天気は良かったので、杉の葉に付いた雪が溶けだし
粉雪状に降ってくる。きらめいてきれいだ。写真は
なんだか分からない。
久保分岐(大渡方面との)に9:50頃。
尾根を進むと段々雪が深くなる。
10:20頃大きな足跡を見つけた。鹿ではない。
鹿の場合はヒヅメが2本食い込んでいるので分かる。
熊かなと思うけれど、比較のものを置かなかったので
大きさが良く分からなくなってしまった。
10:45頃には雪も相当深くなりまた大きな足跡が
横切っていた。しかしこれも鹿ではないが、先ほどの
とはまた足跡の付け方が違うようだ。
登山道の人の踏み跡は全くない。これはこれで新鮮で
とても気持ちがいい。
山頂を示す標識がある。新しい方のと古い方では
示す時間が倍になっている。大体昔の人の方が健脚
だというわけなのだろう。ここが10:50頃。
ここで少し休憩して英気を養えばよかったと後から
思えるが、直ぐ出発した。
こういう時は自分に都合のいいほうを信じたくなる
のが心理だが、雪はいよいよ深くなる。斜度も相当
きつくなってくる。
吹き溜まっている所では膝をはるかに越え、足全部
潜るほどになってきて、ラッセルが尋常なものでは
なくなってきた。これだけになると夏道は全く分からず、
その吹き溜まり部分を突破するだけでえらい時間が
掛かる。あの先に見える区切りまでと頑張るものの
遅々として進まない。
あの先まであの先までと進んでいるうちに、これは
とても最初の計画のように、大室山から大室指に降
るのは無理だなと思えてきた。
天気も良く風もないので、踏み跡が消えてしまう心配
はないから、引き返すのなら問題はない。12時くらい
を目処に、無理なら引き返すことにしようと、内心思う
ようになってきた。しかし標識から1時間ほどしても、
まだ全く目処がつかず、もう少し頑張る。
上のような写真は撮ったものの、はるかに深いこの
吹き溜まり部分の深さを示す写真を分かるように
撮っておけば良かったのだが、歩くのに必死になって
その時は思いつかなかった。
やがて大室指の方からの尾根らしきとの合流点を
過ぎ、更に一段登ると大室山への標識のある看板に
着く。この辺少し平らになっている。
このあたりを過ぎても深いラッセルが続き、なかなか
進まない。とうとう私の限界かなと思えてきたので、
ラッセルを交代してもらった。
下の写真が相方の最後のラッセルである。
これが12:35くらいだった。
この先少し登ると山頂らしきが目の先に見えたし、
ここで休憩を取る事にした。足を止めるとどっと疲れ
が出た。寒さもかなり応えてきた。
12時頃の目処からおよそ1時間近く余分に頑張り
(降りの時間、余力を勘案しながら)、くたくたに疲れ
果てたと感じたので、山頂はもう後10分くらいかも
しれないが、ここで登頂は無理しない事にした。
13時少し前くらいに降り始めた。
少し休み、降るとなれば、踏み跡は私たちのもの
しかないし迷うこともなく、実に快適である。
しかしやはり相当深い。よく登ってきたと感じながら
降った。
大室山まで120分の標識が雪の時には正しかった。
その距離を降りではあっという間に着いた。深い雪で
滑るように超快適に降れるからだ。
これを過ぎて雪の深さと斜度が緩んでくる頃に、登って
きた2人連れが休憩しているのに出会った。
2人はスノーシューで、もう山頂に挑戦するつもりは
なく、この付近を歩き回って終わりにするということ
らしかった。登りで私たちのツボ足の踏み跡を見つけ
「ツボ足で登っている人がいる」と、足跡を写真に
撮ったりしたという話だった。
山頂まで行きましたかと問われたので、山頂直下で
下山して来たと答え、この先は相当雪が深いと教えて
あげた。彼らは久保吊橋から来たということだった。
彼らの停めた所に車がなく、踏み跡があったので
変だなと思ったらしい。
この辺まで降ればもう余裕なので、私たちも少し
日の当る場所で休憩した。
久保分岐に14:10過ぎに着いたから、降りは相当
早かった。
これからおよそ30分、14:45前には登山口に
到着した。雪の花がきれいだった。
帰りは久保吊橋を渡り(渡った所にトイレがある)、
道志道を歩いて野原吊橋の駐車場まで歩いた。
確かに途中駐車できそうな余地があり、2人連れの
らしい車が停めてあった。
車道を歩くと少し遠回りだが、やはり10分と少し
くらいで着いたようだから、15時を過ぎた頃だったか。
予定よりはかなり早めに帰ることになったが、私は
車の運転があるし、目標の大室山を目前に敗退した
わけでもあり、乾杯する気にならない。
ノンアルコールビールはあまり飲みたくもない。
結局道志道の快適なドライブだけで、早々と本厚木
駅に到着してしまいこれで解散とした。
今回は明らかに裏丹沢の雪の多さに対する情報
が全く不十分で甘かったと言わざるをえない。
装備からして不備であった。
ここは基本本格的な雪山の装備で挑むべきである。
もう少し凍結気味になり、斜度がきついところを想定
すれば、ちゃんとしたアイゼンとピッケルがいる。
雪の多さからいえば、ワカンが欲しい。だから当然
濡れに対する装備が不可欠だ。
またこうしたところでは、山スキー用のしっかりした
ダブルストックが有効だと思う。
しかし膝上に達する雪のラッセルをどれだけ耐え
られるか、私にはなかなかいいい訓練になったと
思うのだが、これは負け惜しみかな?
今度は行けなかった大室指の方から登ってみたい
と思っている。とてもいい雪山訓練になるだろう。
山頂目前に敗退した相方とも是非また一緒に行き
たいものである。