越沢バットレス | 鬼川の日誌

越沢バットレス

     越沢バットレス登攀  13,11,24  
                 (右ルート・滑り台と第2スラブルート)


  シシ岩登攀計画と並んでこの越沢バットレスを
 計画することになりました。これにはシシ岩メンバー
 5人に更に3人加わり、8人(4パーティー)です。

  偶然そういう計画になったわけですが、私ともう
 1人は(16)17日に西穂高岳に登り、21日シシ岩、
 今日24日越沢バットレスというわけで、超充実の
 9日間ということになりました。

  さほど早い時間設定ではないのですが、私には
 奥多摩は遠い。ほぼ3時間近く掛かる。
 鳩ノ巣駅に集合して歩き出します。
 御岳渓谷がきれいです。9:10頃。

鬼川の山行日誌
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  私も随分昔クライミングをかじり始めた頃に一度
 連れられてバットレスに来たことがあるが、ほとんど
 まともには登ってないと思う。
 今年の夏にバットレスに来てスズメバチに刺されて
 撤退したという人に先導されていく。

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  この人はバットレスキャンプ場の方から回りこむ道
 を通った。沢を渡る道よりは少し時間が掛かる。
 また途中の林道が工事中で迂回路を通る。

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  バットレスに到着。スラブが威圧的に見える。
 9:50頃。
 
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  装備を整え使用料を払って、第2スラブ下に行くと
 先行の若者パーティーが取り付いていたが、彼らは
 ここをアイゼンを履いて登っている。
 難しいのかフォロワーがなかなか進まない。

  私たちも4組にもなるし、同じところに取り付くと
 時間が掛かるので、最初二手に分かれてと思って
 いたが、この様子を見て結局皆右ルート(滑り台)の
 方にいくことになった。

  それでも2組はこの取り付きから直接右手に登り
 天狗の肩に行くルート(Ⅲ級)をとり、もう2組は懸垂
 下降の終了点まで回りこみ右ルートの1ピッチ目
 から取り付く。教官組みと私の組はこちら。

  天狗の肩へのルート1ピッチ目も2つあり、右手を
 回り込むⅢ級ルートと、まっすぐ肩に登り上部が
 ハングしているルート、こちらはⅤ-級である。
 教官はこちらから取り付く。
 結構立っていて朝一の取り付きにしては難しそう。
 肩直下ハングを右に回りこむところが困難なようだ。
 フォローが続いた後、私が取り付く。
 岩が冷たくなるほどなかなか手強い。ハングを右に
 回りこむところは結構恐かったが、ホールドは豊富
 で何とか肩に上がる。
 立ち木でビレイし、フォローを引き上げる。
 教官組みの2ピッチ目リードが取り付いている。
 これが意外と悪いようで、そう早くは進まない。
 教官もフォローで取り付き、なるほどな様子だ。

  私たちの2ピッチ目リードが取り付いているうちに
 第2スラブ基部から登ってきた2組目(N組)が到着
 する。1組目(A組)はこのルートの一番先頭を登って
 いる。3ピッチ目を行くA組フォローとリードの教官。

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  同じ頃私が2ピッチ目をフォローで登りだす。
 もう11:45頃です。

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  私が2ピッチ目終了点から撮ったN組の2ピッチ目。

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  教官組みの3ピッチ目(核心部の滑り台へ)の
 フォロースタート。

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  トップのA組は既に登り終え懸垂下降中。

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  この3ピッチ目はつるつるのスラブで、スラブ部分
 には手掛かりが少ない。しかし左手が被った壁で、
 基本的にこの角と壁に手掛かり足掛かりを見つけて
 登っていく。後ろ足で壁を蹴ることが多かった。
 
  厳しかったが何とか突破し終了点立ち木にビレイ
 支点を作る。教官組みが懸垂下降の準備をしている
 ところだった。12:20頃。

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  私の組みフォローが登ってきます。  

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  教官組みに続き私たちも懸垂下降で降りましたが、
 懸垂を立ち木側にすると、回収時ロープが張り出した
 枝に引っかかります。懸垂は真っ直ぐ岩棚を越えて
 降りる必要がある。また50mロープでは一度では
 下まで届かず、少しクライムダウンするか、2度に
 分けるかする。
 (1回で少しクライムダウンする方が早いが。)

  その後昼飯を取り、第2スラブルートに取り付き
 ました。A組、教官組は既に取り付いていました。
 私たちが1ピッチ目を終わり、2ピッチ目に取り付い
 たものの、2ピッチ目の終了点が開かず大分待た
 されました。(実際は終了点はもう一つが少し上に
 あり、これを知っていれば待たずにすんだのですが。)
 私たちが進まないので、残ったN組は時間も遅く
 なりそうだということで、第2スラブは諦めて、先に
 駅に行くことにしたようです。

  しかし帰り道展望台から第2スラブルートが良く
 見えるので、3組の登りをカメラに撮ってくれました。
 これが以下のNさんの写真です。
 展望台からのスラブ。紅葉がきれいです。

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  第2スラブA組リード。13:40頃。

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  A組フォロー。13:50頃。

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  教官組リードスタート13:55頃から途中14:10頃。

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  この頃私たちの2ピッチ目はまだ途中で待ってい
 ました。その時第2スラブの上のハングした壁に大き
 な蜂の巣があるのに気づきました。
 スラブの真上にあるので、これではスラブを登れば
 蜂の縄張りに入る。攻撃されるのも無理はない。
 ハングが雨除けの庇となり蜂たちには絶好の場所の
 ようです。当分ここに巣を作るだろうから蜂の活動期
 は危ないですね。

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  教官組みフォローが出発して(14:20を過ぎていた)
 から空いた終了点目指して登り終了後、私が2ピッチ
 目をフォローで登る。
 下は教官組みフォロー14:25頃。

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  トップのA組は14:30頃には懸垂下降。

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  私が3ピッチ目をスタートしたのが14:35頃に
 なっていました。ここも岩面はつるつるのスラブです。
 途中にあるピンを目印に登りますが、結構細かい
 カチを拾い、フレークした岩の縦ホールドや横の
 壁との角などの手がかりを探しながら進みました。
 最後の方になり、持っているヌンチャクがどうやら
 たりないなと若干あせりましたが、カラビナでしのぎ
 終了点に到着。ここは14、5本は持っていないと
 安心できません。

  写真では寝て見えますが、結構立ってますし全体
 的につるつるなので露出感や高度感があります。

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  14:55前には私が終了点に着いたようで、この
 写真には支点をセットしている私と右手に教官組みが
 懸垂下降の準備をしているのが写っています。
 中間が右ルートを登っているアイゼントレ組みです。
 この写真で第2スラブや右ルートの斜度が良く分かり
 ます。登っている時の感覚に近いです。

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  フォローがスタートして終了点へ。

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  記念撮影です。15:10頃。

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  私たちが懸垂下降して東屋に戻ったのは、A組から
 1時間以上遅れてからのようです。
 帰りの仕度をして、バットレスキャンプ場を過ぎたのが
 16:20頃ですから、鳩ノ巣駅には17時頃か。

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  駅下の店でビールを仕入れ、電車を待つ間に乾杯
 です。充実した一日でした。

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  Nさん素敵な写真をありがとうございます。