恋ノ岐川 4 | 鬼川の日誌

恋ノ岐川 4

   恋ノ岐川  13,9,22・23  続き


  50m大滝を越えると沢幅は狭くなり、薮っぽくなって
 源頭の雰囲気になってくる。

鬼川の山行日誌
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  先行Gが苦労していたこの滝はつるつるで、私が
 ホールドにした小さな岩は力を込めると剥がれて
 はずみで転びそうになった。しかたなく私たちも頭上
 の枝を掴んで登る。
 ここも補助のロープを出し、確保して登ってもらう。
 14時頃。

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  これを越えて、1800m付近の右岸から合流する
 沢に入れば、30分ほどの薮漕ぎで登山道に出られた
 はずであったが、その沢がかなり汚く薮っぽかった。
 それでもう少し沢をそのまま登ってみることにした。

  先行Gにはその後追いつかなかったから、彼らは
 この右岸からの沢に入ったと思われる。

  進むとまだまだ結構な滝がある。14:20頃。

鬼川の山行日誌
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  14:40頃。

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  私たちはこれからまだ更に1時間以上沢を登った。
 下は14:55頃の沢の様子。

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  沢はどんどん薮っぽくなり、笹だけではなく、榛の木
 やダケカンバなどの枝が張り出してとても登りにくく
 なる。がそれでもまた1時間ほど頑張って、右岸から
 の沢状に逃げて登山道を目指すことにした。
 その前に山頂でのテントに備え、水を各自2リットル
 以上補給した。これがこの後の薮こぎにずしりと重く
 応えた。 

  ところが沢状は直ぐに急斜面に消えて、先には薮。
 密集したネマガリタケの薮である。
 もう一度沢に戻ろうかと思ったが、沢もほとんど薮状
 だったので、覚悟してネマガリタケを掻き分けに
 掛かる。これが16時頃か。
 
  しかし案の定もう一度沢に帰ればよかったと後悔
 するほど藪は酷かった。
 しかも相当な急斜面でとにかくきつい。
 こうした時一番応えるのは、先が分からずどれほど
 薮をこげばいいか見当もつかないことである。
 GPSを持った仲間が、左方向が登山道が近いと一応
 指示してくれるが、ネマガリタケは縦に分けるのは割と
 できるが、横に移動するとなると滑ってなかなか難しい。
 まとめて大きく跨ぐのが一番だと段々分かってきたが、
 今度はシラビソなどの木が出てきてこれが邪魔をする。
 なかなか思う方向に進めるものではない。

  皆がばててしまわないうちにともかく展望をつけたい
 と頑張る。これは辛かった。
 なんとか登山道に飛び出したが、池ノ岳の山頂から
 さほど遠くないところまで登っていることが分かった。
 皆に「登山道に出た」と声をかけ、方向を指示するため
 声を出し続ける。
 ようやく皆が登山道に出たのは17時近かったか。
 私はこれで相当に消耗してしまった。

  下の姫ノ池の写真は17:07である。皆は私より元気
 で、私より少し先を歩いていたから、姫ノ池へ10分弱
 ほどのところに私たちは飛び出したことになる。
 ほぼ山頂まで薮をこいだに等しいというわけだ。

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  もう姫ノ池のテント場は余地がなかった。
 となると平ヶ岳の山頂まで行くしかない。想定内では
 あるが、荷も重くこれも辛かった。
 消耗した私は膝も心配で遅れてゆっくり歩く。 

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  一旦降って登り返す。池ノ岳(姫ノ池)方面を振り返る。

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  姫ノ池も平ヶ岳山頂付近も素晴らしい草紅葉。
 山頂テント場に17:45頃。

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  早速テントを張る。
 大分遅くなったので直ぐに暗くなるし結構寒い。
 テントを張り中に入れば快適である。テントの中で
 夕食を作ってもらう。今日の夕食はおいしいココナッツ 
 カレー。とてもおいしいがとても辛い。
 今日食担のテント山行のベテランが、かなり荷も重
 かったろうに沢山の食材を担ぎ上げてくれていた。
 こんなところでこんなおいしいものが食べられるなんて
 素晴らしいことだ。
 それにしても女性陣はたいしたものだ。
 私は疲れたか持って来たお酒を飲み切れなかった。
 次の朝も夕食の残りとソーメンなど盛りだくさんだった。

  23日、日の出写真5:37。平ヶ岳三角点。

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  テントを撤収し、また重い荷を担いで下山です。
 7:30頃。

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  ガスの中にサラサドウダンが真っ赤です。
  
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  オオカメノキも鮮やか。

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  卵石分岐。今回は立ち寄りませんでした。
 朝日に映えて草紅葉が素晴らしい。

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  7:55頃、姫ノ池に登り返す。

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  平ヶ岳のガスも上がりつつある。

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  残月が池に写っていた。分からないかな。

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  池ノ岳下山開始。8:10頃。

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  8:30頃。池ノ岳を振り返る。

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  9:25頃、白沢清水。

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  10:10頃、台倉清水。

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  ずっと昔鷹ノ巣から平ヶ岳を往復したとき、樹林帯の
 中で、延々続くヌカルミ道にひどく疲れさせられた記憶
 があるのだが、今はすべて木道が整備されていて、
 ヌカルミにはまり込む苦労はなくなっていた。

  10:30頃、台倉山。燧ケ岳はガスの中。

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  ウルシは赤く、全体的に少し色付き始めている。
  
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  降りの行程もなかなか長い。燧ケ岳山頂のガスが
 ようやく取れた。12:30頃。

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  両側が切れ落ちたところやヤセ尾根が続く。
 12:50頃。

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  13:10頃。

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  ナナカマドの実。

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  ようやく林道に出ました。13:25頃。

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  13:30頃。沢に出ました。ちょうど6時間です。
 ここで水を飲み、沢に足を浸して大休止。
 最高に気持ちがいい。疲れが取れる気がする。

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  鷹ノ巣登山口に14:05頃到着。

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  さてこれから恋ノ岐川入口の駐車場に置いたもう
 一台の車を回収し、帰京しました。
 3連休の最後でしたが、遅くなったこともありあまり
 渋滞にはまらずに帰れました。
 何より3日間天気に恵まれ、私にとっては夏の谷川
 万太郎本谷に続き、最高の沢登りになりました。

  万太郎本谷は泳ぎを主体に考えればまだ機会が
 あるかもしれないが、恋ノ岐川は私にはきつく、次の
 チャンスは多分ないだろうと思う。