谷川岳・烏帽子岩南稜 2 | 鬼川の日誌

谷川岳・烏帽子岩南稜 2

   谷川岳・烏帽子岩南稜 2     続き
           13,6,9



  私たちの直ぐ前のどこかで見たことのある人の組
 が取り付いている下の写真が8:40頃である。
 上のテラスが渋滞している。これは更に何組か前の
 リード者が、普通はこの上のチムニーを終えてから
 ピッチを切るところを、チムニーを目にして登れず、
 テラスでピッチを切ってしまったためである。
 どうやら下の人がリーダーで、新人を先に登らせた
 ようである。

 

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  このため2ピッチ目がチムニーを抜け、普通2ピッチ
 目に当るフェースを抜けるまでとなり、通常より時間が
 掛かる。このためチムニー下の渋滞がなかなか解消
 されなかった。 
 それでも私たちの組の最初の2人(A組)が取り付いた
 のが8:50頃。私の組(C組)は仲間内3組の最後で、
 上の渋滞解消を待って、9:30過ぎて取り付いたようだ。

 

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  私の組がテラスに上がり、私等の2番目の組(B組)
 が2ピッチ目になったチムニーに取り付いているのが
 下の写真です。10時前頃になってました。

 

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  そのテラスから下のガイド組みを見下ろしたところ
 (彼らが最後の組です)と、中央稜のクライマーたちと
 白毛門。10:05頃。

 

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  C組2ピッチ目のリードは私です。チムニーには残置
 のロープなどもあり、そう難しいものではない。むしろ
 ホールド豊富だが少し細かく、高度感のある垂壁の方
 が緊張する。
 B組が撮ってくれた2ピッチ目の最後を登る私。
 10:30頃。
 この終了点には既に降ってきたクライマーたちが
 私たちの登りを待っていた。

 

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  3ピッチ目は傾斜の緩い草付(笹薮)で問題ない。
 4ピッチ目を登るB組。立った壁を左に回りこむところ
 が難しそうだった。11時頃。

 

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  前の組に続き4ピッチ目をC組相棒のリードで登る。
 上のテラスでピッチを切り、フォローで私が登る。
 B組は直ぐ上のテラスで、またピッチを切っていたが、
 5ピッチ目リードの私はもう少し上までそのまま登る。
 C組次のリードはウマノセリッジの下でピッチを切る。
 下の2枚は6ルンゼを下降してきたクライマー。
 このときで11:55頃。

 

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  前のB組はウマノセリッジの中間点でピッチを切って
 次のリード者がリッジの最終まで登って行く。
 リッジ最後のカンテを登っているところ。
 先頭のA組のメンバーが写した写真。12:10頃。
 最後のC組のリード(私)がリッジに顔を出したところだ。

 

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  ウマノセリッジの中間点。 
 B組のリードは上に着いたが、その先が渋滞。
 私たち3組の前が最後のフェースでてこずったか?
 なかなか進まず大分待たされた。ここでお互いに写真
 を撮る。私は凄いところにぶらさっがってます。
 高度感満点です。12:20頃。

  私はここではピッチを切らず、リッジの最終点まで
 登りました。リッジ最後のカンテを右に回りこみ、下が
 すっぱり切れたルンゼ状を直ぐにカンテに上がらず
 登ったら、結構厳しかった。(はまり込んだ格好。)
 一旦右に入っても直ぐにカンテに上がる(前のB組の
 フォロー)か、カンテをそのまま登る(B組のリード)
 かする方がいいようだ。

 

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  3ピッチ目は草付で3,4ピッチはリード交代せずに
 登りましたので、ウマノセの私のリードが7ピッチ目、私
 たちC組には最後のフェースは8ピッチ目となりました。
 写真は前のB組のリードです。これが12:40頃です。
 私らはここは相棒のリードです。
 ここの最後の2,3手の核心をA0せずに登るのが
 一つの目標ですが、相棒はなんなく登りました。
 私もフォローですが、A0せずに登る。

 

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  このフェースの登りで終了点です。
 私等の後最後のガイド組みのガイドが終了点に着いた
 のが、13:10頃でした。

 

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  ところがこの終点から懸垂下降するのですが、この
 先時間が止まったように、動かなくなった。
 後から聞いた話では私らの先のパーティーがロープを
 絡ませて、これを解くのに手間取っていたのだそうだ。
 下の写真は、下降点にいる私らの先頭A組みです。
 この時が、最後のガイド組みが登ってきた頃です。

 

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  ルンゼを下降する。私らの2,3番手。14:10頃。
 これで1時間経っている。

 

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  4ピッチ目を降り、3ピッチ目の草付帯に来ると、
 虫が猛烈に多い。しかしここでも待つ。
 しかもかんかん照りで消耗する。
 途中更に時間を経過し、1ピッチ目の取り付きに
 降るB組。15:40頃の写真。
 そんなわけで最後のC組が南稜テラスに降り立った
 のは15:50を過ぎた頃になっていたでしょう。

 

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  これから烏帽子スラブのトラバースとテールリッジの
 降りが待っており、皆はクライミングシューズを履いた
 ままだったが、私は足親指の爪が痛くなっており、
 登山靴に履き替えた。その分コケ落ちないよう慎重に
 降っていく。

  トラバースを終え、テールリッジの上に出たのが
 16:50頃か。

 

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  途中お助けロープを出すようなところもあり、疲れ
 も出てきて、はかばかしく進まない。

 

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  トラバース気味に降る固定ロープ。
 

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  リッジを降る。17:30頃。
 

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  リッジ最後の降りで雪渓に降り立つ。
 先頭が18:05頃だが、最後は少し遅れる。
 雪渓の降りなので、軽アイゼン(私は4本のハイキング
 アイゼン)を着ける。これでもないよりはずっと楽に
 降れる。

 

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  雪渓を下り一旦樹林帯に入ると、シラネアオイが
 しっかり花開いていた。
 サンカヨウもなかなかきれいです。

 

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  沢出合に先頭が着いたのが18:50頃。まだ明るい。
 しかし皆が出合い駐車場に着いた頃には、薄暗く
 なり始めていた。

 

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  ロープウェイ駐車場にはあと1時間近くある。
 途中の林道でほとんど真っ暗となったが、なんとか
 20時前に駐車場に辿りついた。

 

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  駐車場でガチャ類の点検受け渡しを終え、早々に
 帰路に着く。時間も遅く高速道が混むことはなかった。
 私はなんとか最終電車に間に合ったが、駅からは
 タクシーとなった。帰り着いたのが25時ですから、この
 日起きていた時間は22時間半くらいになるでしょう。

  アルパインの場合、こうした渋滞や予測せぬ出来事
 が多々起るもので、それに耐えて登らなければならない。
 なによりも基礎体力が最後にはものを言う。
 それにしても時間が掛かりすぎではある。

  久しぶりのアルパインクライミングは疲れましたが、
 事故もなく無事予定を完遂し、充実した一日でした。

  (岩登りを始めるとなかなか写真を撮るのも大変です。
  それで大分仲間の写真をお借りして繋いであります。)