桧洞から桧洞丸
桧洞を遡り桧洞丸へ(シロヤシオ鑑賞)
13,5,24・25
新緑の頃、きれいな沢を遡り、桧洞丸のシロヤシオ
を見に行く。これは前から行ってみたいと思っていた
企画である。あちこち声を掛けたが、結局二人となった。
相棒は夜勤明けで、昼過ぎに歩き出すしかない。
玄倉バス停から玄倉林道を歩き、ユーシンロッジの
避難部屋に泊まらせてもらうことにする。
しかしこの林道歩きが長い。舗装道路を延々2時間半、
しかも少しずつ登っている。これはかなり辛いものだ。
天気が良くかなり暑かった。
二つ目の新青崩トンネル、前トンネルが崩壊して修復
が終わるまで、かなりの期間この林道は通行止めだった。
次の石崩トンネルを抜けると、その先が玄倉ダムである。
トンネルの出口右手に沢が滝を持って落ちていて、これが
道路の下を潜って玄倉川に合流している。もし玄倉川を
遡ったすると、ダムがあるここが終点で、この枝沢に入り、
写真に見るこの梯子で林道に出るのだろう。
ダムの水は見事なコバルトブルー。
4つ目と6つ目のトンネルは素彫りだ。
この道中、若い女性が二人、別々な場所で、立派な
スコープを据えている。バードウォッチングだという。
じっと座り込んでお目当ての鳥を探すのだろうが、
これもなかなかの趣味ですね。
合計8つのトンネルを抜けた先に雨山峠への分岐が
ある。ここまで2時間10分ほど。車でゲートまで来る
のでなければ、少し余計に時間が掛かるが、雨山峠を
越えて来る方が余程楽しかったと思う。
ちょうど藤の花が盛りである。
ユーシンロッジに16時15分頃。
荷を置いて明日の登山ルートの確認に行く。
私は相当以前、このロッジに仲間と泊まったことがあり、
管理人の老夫婦のボリューム満点の料理を食べたこと
を思い出す。いまはあのご夫婦はもういない。あとを継ぐ
人もいないのか、ずっと前から休業のままである。
林道が崩壊したこともあり、これからどうするのかまだ決
まってないらしい。しかしきちんと整備はされていて、
きれいに保たれている。(この日も見回りの車らしきが
3台くらい行き来していた。)
ロッジ裏の小部屋が避難部屋として開放されている。
人が多い場合に備え私たちはシュラフを用意してきた。
避難部屋には布団や毛布がある。(湿気ってるが。)
炊事、食事室があり、水道があるので快適である。
こういった山奥の泊まりの場合、一番恐いのは幽霊や熊
などの猛獣ではない。登山者でもないらしい人と一緒に
なることほど恐いことはない。(向こうも不審な奴と思って
いるかもしれないが。まあ食料がないわけで登山者以外
は来ないだろうけど。)
幸い今回は他には登山者ペアが来ただけで、静かに過
ごすことが出来た。相棒が夜勤明けで休まずそのまま来
ているので、寝られなくてはアウトである。
翌朝食事を済ませ、6時頃に出発する。裏手に神社の
丘があり、これを越えると大学の山小屋がある。
山小屋の先で沢に降りて堰堤を越えると、貯水所への
道と、崩壊気味の登山道が分岐する。(分かりにくい。)
昨日貯水所の道を辿ってみて確認しておいた。
ほとんど踏み跡程度の登山道を進むと下に貯水所が
見えてくるから、貯水所に行き当り、そこから上に登り
登山道を探せばいいわけだ。
しかしこの先で登山道は崩壊していた。
崩壊部分はとても脆く、この通過は非常に危ない。
ロープをセットし慎重に通過した。沢の滝登りはほとんど
危ないところはなかったが、ここが一番緊張した。
昨日貯水所の裏手から導水溝の上を通り沢に入れる
ことを確認したが、沢をそのまま遡る(先に通行不能の
滝があるとかいう話だが昔の案内では通過している)か、
または沢に入り、この崩壊地の先で登山道に上がるか
する方がいいようだ。
踏み後程度から道がはっきりしたら沢に降りるという
案内だったが、探しているうちに分岐の標識になり、道が
沢から離れるので、この先で沢に降りる。
崖だったのでロープを使って降るが問題はない。
6:40頃きれいな沢に降り立つ。
10分ほど遡ると5m滝に出会う。覗いてみるとかなり
深い釜を持っており、滝はつるつるである。泳いで滝に
取り付けば左手の角が登れるかもしれないが、今は
とても泳ぐ気になれない。
滝手前の左の壁に取り付いて越える。全体につるっと
して滑りやすいが難しくはない。
滝を越え山深く緑に染まりそうな沢を行く。
7:00頃にきれいなナメ滝になる。
上段は小さな吹き割れの滝といった趣。
夏なら絶対シャワーを浴びたいところだ。この沢はきれ
いな釜を持った滝が多く、夏なら水遊びをしながら遡れ
快適だと思う。
下段は滑り台で遊べそう。
この滝の上がユーシン沢と桧洞の合流点である。
左桧洞に入る。泳ぎたくなる釜を持った滝が入り口に
あるが左をヘツッて問題なく行ける。
この滝上、さらに上の小滝も緑が素晴らしい。
ここからしばらく大岩ごろごろの間を上手く抜けながら
進む。巻き道(昔の登山道)もあるらしいが、そんなもの
を探すことは余計な手間である。
7:20頃、まあ見事に水平に断ち割り磨いたような大岩
に着いた。
これはとても良い目印だし、いい休憩場所である。
平らな岩で休憩しさらに進むと、プールのような釜に
出会う。7:40頃。水と戯れのんびりしたいところだ。
大岩の間を抜けてさらに進むと、日の光を受けて鏡の
ように白く反射している大岩がある。周りの大岩も面が
平らな岩が多い。先ほどの水平岩もそうだが、花崗岩
は割れるときに平に亀裂が走るのだろう。
この先5分ほどでザンザ洞が右岸から合流する。
7:55頃。ザンザザンザと流れるほど水量が多いとか。
この先少しで大岩が流れを塞いでいる。釜に入り流れ
のままに、越えていけば行けそうだが、今回は左を巻く。
残置のお助け紐がぶら下がっている。
また10分ほど進みきれいな釜を持つ滝を過ぎる。
8:15頃、右からガレた枝沢が合流し本流は滝を
掛けている。ここでまた休憩。
この滝の上が3段8mのスラブ滝。
一番上の5mほどの滝はつるつるで今回は登れるか
どうか調べもせず、即右手の巻きに取り付く。ロープが
ぶら下がっている。
その上の滝は横を抜けていく。8:35頃。
この先しばらく大きな滝はなく、ゴーロ気味の沢が
続く。この辺はちょっと単調かな。
それでもまあまあきれいなナメもある。
9:10頃、ザンザ洞の次の大きな沢、ゲタ小屋沢が
右岸から合流する。入り口のミツバツツジがきれいだ。
ゲタ小屋沢は涸れている。合流点の直ぐ先で二俣に
なっているのが、地図からも読み取れる。
ここから金山沢の入り口は近いはずだ。
本流側も水は少なく、荒れた感じの沢になる。
この合流点先の日向で休憩する。
直ぐ先で左岸に合流する枝沢は、金山谷の頭から
張り出した尾根を金山沢と挟む沢だ。
ここから100mも行かないで金山沢の入り口である。
9:30頃。入り口付近の立ち木に赤いテープが巻かれ
ていた。
金山沢は倒木が酷いし荒れている。これを強引に
乗り越えていく。一つ目の右岸からの枝沢。
次の二俣を右に入る。ここで尾根に取り付くことも
考えたが、地図を見ると奥の二俣からの詰めの沢の
傾斜が右でも左でも緩い。
右は金山乗越に出るかつての登山道だから一番いい
と思うが、桧洞丸に登るには遠くなる。
そこで奥の二俣を左に沢を詰めていく。案の定沢は
とても緩く登っていく。
直ぐにまた小さなガレ沢が左岸に合流した。今回は
沢を忠実に詰めてみようと思っていたので、通り過ぎ
たが、後から思えばこの間の尾根に取り付けば、最
も簡単に登山道に出られたようだ。
ここがちょうど10時だった。
いくら緩いとはいえ、どん詰まりまで詰めていくとそれ
なりに急峻になる。真っ直ぐはきつく、一本左の沢を
登って尾根に出たようだ。その意味でも先の尾根に
取り付いた方が楽だったらしい。
尾根の傾斜は結構きつかった。アザミが多いのには
閉口した。
このきつい尾根の途中、きれいなシロヤシオに出会った。
登山道に飛び出したのが10:20頃であるから、金山
沢の入り口から50分ほど掛かったことになる。
初めての場所にしてはまあまあ地図読みも上手くいった
と思う。相棒は力があるので、沢に入ってからはロープ
を出す場面はなかった。
登山道で休憩をかねて沢靴から登山靴に履き替える。
いつもながらこれが時間を取りいい休憩になる。
これから桧洞丸に向かって登る。
コバイケイソウの群落と新緑の中に、青ヶ岳山荘の
青が見えてくる。青い山荘到着。11時頃。
山荘から谷を見下ろす。登ってきた桧洞だ。
整備された木道を登っていくと桧洞丸山頂である。
11:05頃。沢山の人が来ている。
自然教室からのバスがしばらくないということもあり、
山頂でゆっくりする。30分ほども休んで、次から次へ
登ってくる人たちとすれ違いながら降る。
この下山道、ツツジ新道がシロヤシオの名所である。
しかし今年は花の付きが悪いという情報が入っていた。
山頂の一角に素晴らしく咲いた木があった。いつも
ならこれくらいの花がそこら中に見られる。しかし
今回はこれほどのは他に一本もなかった。
山頂の木道を辿りながら、きれいに咲いた花を撮る。
上のようにびっしり付いたもの以外は、きれいな花の
アップを撮るしかない。本当にきれいというのはまた
なかなかないものだ。
一本の木全体としてはやはり花の付きは悪い。
シロヤシオは五葉である。そして花ではなく葉の縁が
赤く彩られるのも特徴である。
清楚という感じですかね。
それにしても凄い人出で、まあ次から次に登ってくる。
ミツバツツジはもう終わり気味ですね。
そのうちどこかで見たようなご一行に出くわしたりした。
沢から来ようかという物好きは他に誰もいなかったが、
シロヤシオの最盛期で土曜日である。
ゴーラ沢出合に13:35頃。
西丹沢自然教室に14:20過ぎに着いた。
行動時間8時間半ほど、まあご機嫌な1日コースでした。
臨時バスが登山客の到着を待っていて、客が一杯に
なり次第出発するという。
私たちは直ぐ後に定時のバスが待っているので、そちら
で帰ることにして、ここで着替えることにした。
バスで新松田まで。
駅前の新しい居酒屋で打ち上げの一杯を楽しんだ。
夜勤明けで山に入り、重い荷を担いで沢を遡るという
タフな相棒に乾杯だ。
13,5,24・25
新緑の頃、きれいな沢を遡り、桧洞丸のシロヤシオ
を見に行く。これは前から行ってみたいと思っていた
企画である。あちこち声を掛けたが、結局二人となった。
相棒は夜勤明けで、昼過ぎに歩き出すしかない。
玄倉バス停から玄倉林道を歩き、ユーシンロッジの
避難部屋に泊まらせてもらうことにする。
しかしこの林道歩きが長い。舗装道路を延々2時間半、
しかも少しずつ登っている。これはかなり辛いものだ。
天気が良くかなり暑かった。
二つ目の新青崩トンネル、前トンネルが崩壊して修復
が終わるまで、かなりの期間この林道は通行止めだった。
次の石崩トンネルを抜けると、その先が玄倉ダムである。
トンネルの出口右手に沢が滝を持って落ちていて、これが
道路の下を潜って玄倉川に合流している。もし玄倉川を
遡ったすると、ダムがあるここが終点で、この枝沢に入り、
写真に見るこの梯子で林道に出るのだろう。
ダムの水は見事なコバルトブルー。
4つ目と6つ目のトンネルは素彫りだ。
この道中、若い女性が二人、別々な場所で、立派な
スコープを据えている。バードウォッチングだという。
じっと座り込んでお目当ての鳥を探すのだろうが、
これもなかなかの趣味ですね。
合計8つのトンネルを抜けた先に雨山峠への分岐が
ある。ここまで2時間10分ほど。車でゲートまで来る
のでなければ、少し余計に時間が掛かるが、雨山峠を
越えて来る方が余程楽しかったと思う。
ちょうど藤の花が盛りである。
ユーシンロッジに16時15分頃。
荷を置いて明日の登山ルートの確認に行く。
私は相当以前、このロッジに仲間と泊まったことがあり、
管理人の老夫婦のボリューム満点の料理を食べたこと
を思い出す。いまはあのご夫婦はもういない。あとを継ぐ
人もいないのか、ずっと前から休業のままである。
林道が崩壊したこともあり、これからどうするのかまだ決
まってないらしい。しかしきちんと整備はされていて、
きれいに保たれている。(この日も見回りの車らしきが
3台くらい行き来していた。)
ロッジ裏の小部屋が避難部屋として開放されている。
人が多い場合に備え私たちはシュラフを用意してきた。
避難部屋には布団や毛布がある。(湿気ってるが。)
炊事、食事室があり、水道があるので快適である。
こういった山奥の泊まりの場合、一番恐いのは幽霊や熊
などの猛獣ではない。登山者でもないらしい人と一緒に
なることほど恐いことはない。(向こうも不審な奴と思って
いるかもしれないが。まあ食料がないわけで登山者以外
は来ないだろうけど。)
幸い今回は他には登山者ペアが来ただけで、静かに過
ごすことが出来た。相棒が夜勤明けで休まずそのまま来
ているので、寝られなくてはアウトである。
翌朝食事を済ませ、6時頃に出発する。裏手に神社の
丘があり、これを越えると大学の山小屋がある。
山小屋の先で沢に降りて堰堤を越えると、貯水所への
道と、崩壊気味の登山道が分岐する。(分かりにくい。)
昨日貯水所の道を辿ってみて確認しておいた。
ほとんど踏み跡程度の登山道を進むと下に貯水所が
見えてくるから、貯水所に行き当り、そこから上に登り
登山道を探せばいいわけだ。
しかしこの先で登山道は崩壊していた。
崩壊部分はとても脆く、この通過は非常に危ない。
ロープをセットし慎重に通過した。沢の滝登りはほとんど
危ないところはなかったが、ここが一番緊張した。
昨日貯水所の裏手から導水溝の上を通り沢に入れる
ことを確認したが、沢をそのまま遡る(先に通行不能の
滝があるとかいう話だが昔の案内では通過している)か、
または沢に入り、この崩壊地の先で登山道に上がるか
する方がいいようだ。
踏み後程度から道がはっきりしたら沢に降りるという
案内だったが、探しているうちに分岐の標識になり、道が
沢から離れるので、この先で沢に降りる。
崖だったのでロープを使って降るが問題はない。
6:40頃きれいな沢に降り立つ。
10分ほど遡ると5m滝に出会う。覗いてみるとかなり
深い釜を持っており、滝はつるつるである。泳いで滝に
取り付けば左手の角が登れるかもしれないが、今は
とても泳ぐ気になれない。
滝手前の左の壁に取り付いて越える。全体につるっと
して滑りやすいが難しくはない。
滝を越え山深く緑に染まりそうな沢を行く。
7:00頃にきれいなナメ滝になる。
上段は小さな吹き割れの滝といった趣。
夏なら絶対シャワーを浴びたいところだ。この沢はきれ
いな釜を持った滝が多く、夏なら水遊びをしながら遡れ
快適だと思う。
下段は滑り台で遊べそう。
この滝の上がユーシン沢と桧洞の合流点である。
左桧洞に入る。泳ぎたくなる釜を持った滝が入り口に
あるが左をヘツッて問題なく行ける。
この滝上、さらに上の小滝も緑が素晴らしい。
ここからしばらく大岩ごろごろの間を上手く抜けながら
進む。巻き道(昔の登山道)もあるらしいが、そんなもの
を探すことは余計な手間である。
7:20頃、まあ見事に水平に断ち割り磨いたような大岩
に着いた。
これはとても良い目印だし、いい休憩場所である。
平らな岩で休憩しさらに進むと、プールのような釜に
出会う。7:40頃。水と戯れのんびりしたいところだ。
大岩の間を抜けてさらに進むと、日の光を受けて鏡の
ように白く反射している大岩がある。周りの大岩も面が
平らな岩が多い。先ほどの水平岩もそうだが、花崗岩
は割れるときに平に亀裂が走るのだろう。
この先5分ほどでザンザ洞が右岸から合流する。
7:55頃。ザンザザンザと流れるほど水量が多いとか。
この先少しで大岩が流れを塞いでいる。釜に入り流れ
のままに、越えていけば行けそうだが、今回は左を巻く。
残置のお助け紐がぶら下がっている。
また10分ほど進みきれいな釜を持つ滝を過ぎる。
8:15頃、右からガレた枝沢が合流し本流は滝を
掛けている。ここでまた休憩。
この滝の上が3段8mのスラブ滝。
一番上の5mほどの滝はつるつるで今回は登れるか
どうか調べもせず、即右手の巻きに取り付く。ロープが
ぶら下がっている。
その上の滝は横を抜けていく。8:35頃。
この先しばらく大きな滝はなく、ゴーロ気味の沢が
続く。この辺はちょっと単調かな。
それでもまあまあきれいなナメもある。
9:10頃、ザンザ洞の次の大きな沢、ゲタ小屋沢が
右岸から合流する。入り口のミツバツツジがきれいだ。
ゲタ小屋沢は涸れている。合流点の直ぐ先で二俣に
なっているのが、地図からも読み取れる。
ここから金山沢の入り口は近いはずだ。
本流側も水は少なく、荒れた感じの沢になる。
この合流点先の日向で休憩する。
直ぐ先で左岸に合流する枝沢は、金山谷の頭から
張り出した尾根を金山沢と挟む沢だ。
ここから100mも行かないで金山沢の入り口である。
9:30頃。入り口付近の立ち木に赤いテープが巻かれ
ていた。
金山沢は倒木が酷いし荒れている。これを強引に
乗り越えていく。一つ目の右岸からの枝沢。
次の二俣を右に入る。ここで尾根に取り付くことも
考えたが、地図を見ると奥の二俣からの詰めの沢の
傾斜が右でも左でも緩い。
右は金山乗越に出るかつての登山道だから一番いい
と思うが、桧洞丸に登るには遠くなる。
そこで奥の二俣を左に沢を詰めていく。案の定沢は
とても緩く登っていく。
直ぐにまた小さなガレ沢が左岸に合流した。今回は
沢を忠実に詰めてみようと思っていたので、通り過ぎ
たが、後から思えばこの間の尾根に取り付けば、最
も簡単に登山道に出られたようだ。
ここがちょうど10時だった。
いくら緩いとはいえ、どん詰まりまで詰めていくとそれ
なりに急峻になる。真っ直ぐはきつく、一本左の沢を
登って尾根に出たようだ。その意味でも先の尾根に
取り付いた方が楽だったらしい。
尾根の傾斜は結構きつかった。アザミが多いのには
閉口した。
このきつい尾根の途中、きれいなシロヤシオに出会った。
登山道に飛び出したのが10:20頃であるから、金山
沢の入り口から50分ほど掛かったことになる。
初めての場所にしてはまあまあ地図読みも上手くいった
と思う。相棒は力があるので、沢に入ってからはロープ
を出す場面はなかった。
登山道で休憩をかねて沢靴から登山靴に履き替える。
いつもながらこれが時間を取りいい休憩になる。
これから桧洞丸に向かって登る。
コバイケイソウの群落と新緑の中に、青ヶ岳山荘の
青が見えてくる。青い山荘到着。11時頃。
山荘から谷を見下ろす。登ってきた桧洞だ。
整備された木道を登っていくと桧洞丸山頂である。
11:05頃。沢山の人が来ている。
自然教室からのバスがしばらくないということもあり、
山頂でゆっくりする。30分ほども休んで、次から次へ
登ってくる人たちとすれ違いながら降る。
この下山道、ツツジ新道がシロヤシオの名所である。
しかし今年は花の付きが悪いという情報が入っていた。
山頂の一角に素晴らしく咲いた木があった。いつも
ならこれくらいの花がそこら中に見られる。しかし
今回はこれほどのは他に一本もなかった。
山頂の木道を辿りながら、きれいに咲いた花を撮る。
上のようにびっしり付いたもの以外は、きれいな花の
アップを撮るしかない。本当にきれいというのはまた
なかなかないものだ。
一本の木全体としてはやはり花の付きは悪い。
シロヤシオは五葉である。そして花ではなく葉の縁が
赤く彩られるのも特徴である。
清楚という感じですかね。
それにしても凄い人出で、まあ次から次に登ってくる。
ミツバツツジはもう終わり気味ですね。
そのうちどこかで見たようなご一行に出くわしたりした。
沢から来ようかという物好きは他に誰もいなかったが、
シロヤシオの最盛期で土曜日である。
ゴーラ沢出合に13:35頃。
西丹沢自然教室に14:20過ぎに着いた。
行動時間8時間半ほど、まあご機嫌な1日コースでした。
臨時バスが登山客の到着を待っていて、客が一杯に
なり次第出発するという。
私たちは直ぐ後に定時のバスが待っているので、そちら
で帰ることにして、ここで着替えることにした。
バスで新松田まで。
駅前の新しい居酒屋で打ち上げの一杯を楽しんだ。
夜勤明けで山に入り、重い荷を担いで沢を遡るという
タフな相棒に乾杯だ。