勘七ノ沢 | 鬼川の日誌

勘七ノ沢

   勘七ノ沢  13,5,15  



  奥穂・南稜を目指した仲間と沢に行こうという
 ことになった。もう一人の仲間を誘い、5名で
 勘七ノ沢に行くことにした。沢始めにはうってつけ
 でしょう。皆さん力があるので、ロープを出す
 場面も少なくて済みそうです。

  例のごとく渋沢から県民の森ゲートまでタクシー
 を使い、二俣で沢装備装着。
 
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  9:30前に沢に入る。新緑がとても素晴らしい。

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  直ぐに堰堤を越える。お助けロープがある。

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  小草平の沢を分け左に入る。

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  F1、9:40。取り付きが立っているので、最初の
 2,3手が難しいが、ぼろいスリングがある。

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  まずは私が取り付き登る。一発目の登りで
 そう楽には登れないものだ。皆にも確保はせず
 お助け用に結び目を作ったロープを垂らして
 登ってもらう。やはり皆も最初の登りでそれなりに
 苦労しながら登ってくる。久しぶりの沢靴で、足の
 滑り具合など感覚がまだつかめないのかな?
 まあそれでもお助けロープを掴みながらでも
 問題なく登ってくる。   

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  直ぐ上がF2である。10時頃。
 ここは高さはあるがホールド豊富で登り易い。
 しかし非常に脆い岩場で、岩が尖っているので
 万一落ちるととても危ない。ホールドを良く確か
 めて登ってもらう。
 F1と同じくお助けロープを垂らすだけにする。

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  ここは皆さんお助けロープに触る事もなく登る。

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  F2の上は大きな堰堤になっている。

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  手前の岩に取り付き右手を巻く。

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  堰堤の上から少しでF3に着く。10:15頃。
 水がとてもきれいだ。ここは左手の壁を登っても
 いいし、淵の右手をヘツリ回りこんで、その上の
 つるつるの壁を登ってもいい。

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  今日は右手をヘツルことにする。そう難しくは
 ない。夏なら飛び込めばなんということはない
 ところだが、まだ今は全身漬かりたくはないので
 皆も慎重だ。

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  つるつるの壁も突破する。

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  F3を越え5分も歩くと次のF4が見えてくる。
 10:30過ぎくらい。
 ここは2段の滝である。下段は問題ない。
 上段は一見難しそうだが、滝の右横にチムニー
 が隠れている。いつも濡れているので滑らない
 ように気をつけて登れば難しくはない。

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  F3に続きここもロープはなし。
 皆さんまったく問題なし。この上で少し休む。

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  これからしばらく堰堤が続く。大きな堰堤は
 それなりに越えるのも大変。五つあったようだ。

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  堰堤を越えながら30分ほど進むと勘七ノ沢
 メインのF5大滝が見えてくる。11:20過ぎ。

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  ここは私もビレイしてもらい、ヌンチャクを掛けて
 登るが、二つ掛けて、三つ目はハーケンがなかなか
 見つからないので、そのまま登る。
 上には立派な確保支点、懸垂下降用の支点がある。
 ロープをセットし確保して登ってもらう。

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  皆が登り終わったところでちょうど昼飯時となり
 少し休み食事を取る。

  この上に2段の小滝がある。12:05頃。

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  快適に登る。

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  そしてこの上がゴルジュである。
 
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  最初の小滝を上がると釜になっており、ここは
 寒いときは左の壁に上がりヘツルのだが、これが
 わりと難しい。これも面白いのだが、今日は釜に
 入り小滝を突破する。これで結構濡れたようだ。

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  ゴルジュを抜けるまでまだ何段かの滝がある。
 難しい滝はない。
 ゴルジュを抜けて少しで、石積み堰堤とその下の
 滝が見えてくる。12:20頃。

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  これをF6としているガイド本がある。まあそんな
 ところかな。ここは滝の右でも左でも直登するのは
 難しくない。快適に登れる。12:25頃。

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  この上の石積み堰堤は右側が崩れていて、
 流れのままに通過できる。

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  また5分も歩くと本流側に小滝を掛けた二俣
 である。左の枝沢はかなり大きく崩壊している。
 岩盤の上がごそっと崩れているが、最近の事
 のようだ。12:30頃。

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  小滝を越えて進んでいくと下の写真後方に
 戻るようにトラバースして登れそうな尾根が見える。
 小さな尾根のようだが、エスケープに使えるかも
 知れない。

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  そのまま進んで12:45頃、岩から水が染み出し
 ている水場が左岸にある。
 その上に見える滝はこれから始まる崩壊地の
 末端になるようだ。滝が岩で埋まり始めている
 といった感じである。
 この滝から10分も登ると大崩壊地である。
 谷が完全に岩で埋まっている。場所の確認
 ポイントでもある。

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  この崩壊地を抜けたところが三俣になっており、
 この真ん中が花立へ登る枝沢である。大概沢の
 入り口に目印がぶら下がっているが、付近の
 様相は土砂の押し出しでかなり変化する。崩壊地
 との位置関係をよく覚えておいた方がいい。
 入り口13:05頃。

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  この沢に入って直ぐにフェース状の岩に突き
 当る。この裏がトイ状の滝になっており、7,8m
 はあるし、水も流れわりと滑る。これをF7として
 いるものもある。今回はこの滝を登ってから靴を
 履き替えることにした。
 13:15頃から。沢靴を履き替え休憩する。
 
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  再び歩き出すと左岸に二つ急峻なガレ沢があり
 その先に沢の中に生えているようなブナがある。
 この先を右に入るのが花立へ続く沢である。
 入り口に浮いた岩の上に3本木が生えており、
 これも目印になる。13:45頃。

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  さてこの枝沢に入ると大きな岩がごろごろ
 転がっている。かなり恐ろしい。

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  どうみても大雨の後すぐには入らない方が
 良さそうである。さらにこの上に、沢全体に
 挟まって、下が浮いた巨大な岩がある。

  下の写真は昨秋のものでこのときは本当に
 怖くて、大分下から左の尾根に逃げて巻いた。

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  今回は大岩の上半分が土砂に埋まっていて、
 少しは恐怖感も薄らいで、岩に触りながら登った
 が、下が浮いているのは変わらないので怖い。

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  恐怖の岩を越えれば、最後にぼろぼろの涸れ
 小滝である。掴むと崩れるので確かめながら
 登る必要がある。

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  これを登りその上から右手方向に登って行けば、
 小さな尾根上に出て、上に花立山荘が見える。

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  ちょうどガスが出てカメラには写らず。

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  花立山荘到着14:10である。
 沢装備を解き少し休憩する。

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  大倉尾根を降る。
 16時頃には下山。畠にきれいな芍薬。豪華です。
 バス停に16:10前に着いただろう。

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  沢始めを快適に無事終了することが出来た。
 慣れた沢なので、地図読みに苦労することもなく
 終盤の枝沢、詰めも問題ない。
 ただ枝沢の崩壊は進んでいるようで、大岩が
 ごろごろ転がっていると、気分のいいものではない。
 詰めも沢登りの大切な要素だが、特に大雨の後
 などは途中でエスケープした方が無難なようだ。
 
  とりわけこの季節沢から見上げる新緑は日の光
 をすかして素晴らしい。紅葉の頃も素晴らしいが
 寒くなるので今が一番いい季節だと思う。