天狗尾根 2 | 鬼川の日誌

天狗尾根 2

   赤岳・天狗尾根  続き



  露岩を越え尾根を登っていくと、岩峰にぶつかる。
 右下は切れ落ちているが、これをトラバースして
 草付きルンゼを登る。落ちたら助からないところ
 なのでここはロープを出す。
 各班ごとに行動する。かなり時間が掛かったと思う。
  
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  ルンゼの上の立ち木でビレイし班メンバーを引き
  上げてまた尾根を登っていく。


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  目の前の岩峰を巻いたところに、大天狗、小天狗
 の岩峰が見えてくる。右手は赤岳山頂手前の峰か。

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  これを巻いて次の岩峰の手前で少し休憩。
 8:15頃。

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  次の岩峰も右手から巻く。ほとんどロープは
 必要ないが、右手が切れているので念のため
  ロープを引きずって登る。

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  次が大天狗の岩峰である。ここは一段登った
 棚にビレイ用の鎖が設置してある。
 今登っているところと写真の左になるところが
 登れる。しかしこちらは棚を少しトラバースして 
 ビレイ点まで移動しなければならない。
 棚に上がれば岩の基部を右手に回りこめる。

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  小天狗の岩峰は下の写真に写っているように
 左手を巻いていくが、ルートが判然としている
  わけではないので、弱点らしきを拾っていく。


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  ちょっとした壁を登るところがある。下が切れ
 落ちているので怖いと思う人がいる場合は、確保
  する必要がある。


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  小天狗の岩峰を巻き終ると、赤岳からの
 キレット縦走路に繋がる狭い尾根がある。
 以前3月に来たときは、これが素晴らしい雪稜
 になっていて、両側切れ落ちてちょっとぞくぞく
 したものだが、今はなんの変哲もない。

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  雪稜を渡り、登っていくとキレット縦走路に出る。
 大天狗、小天狗の眺めがいいところである。
 後続班が見える。

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  ここから見る権現岳は中央アルプスをバックに
 なかなか素晴らしい。そしてこれから辿るツルネ
 の東稜がその手前である。
 まだまだはるか先である。

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  ここで最後の班が到着するまで休憩する。
 9:30頃から。休んでいるとさすがに寒くなる。

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  最後尾班が到着したところで、前の3班は
 次にツルネで落ち合うことを確認し出発する。
 次はキレットの降りである。

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  所々には雪面もあるし、ツルネの登りはまた
 雪であるから、アイゼンは着けたままで降る。
 ガラガラの岩だから歩きにくい。

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  権現岳がだんだん高くなり、ツルネ東稜が
  はっきりしてくる。


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  道はキレット小屋の上を通る。
 小屋上で10:45頃。少し休憩。

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  ここから見る赤岳と天狗尾根。

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  ここから一旦降りツルネへ登り返すのだが、
 もうかなり疲れている頃で、これがきつい。
 登り返しながら見る阿弥陀岳、赤岳、天狗尾根。

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  ツルネ手前のピークへ。

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  ツルネの手前のピークから。11:20頃。

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  ツルネから見た赤岳と天狗尾根。

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  ツルネの分岐点で後続を待ち休憩する。
 11:30過ぎ頃から。

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  権現岳がかなり厳しく見える。大分前正月に
 赤岳からキレットを降り、ツルネ、権現岳、三
 天女山と縦走したことがある。西風に吹き晒され
 小鼻と顎の辺りに凍傷を負ったことがあるが、
 あの時でもそんなに厳しくは感じなかったから、
 やはり冬山に気持ちの面でも押されているようだ。
  体力的にも落ちているのは明らかだし。


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  さてこれからツルネ東稜の降りである。
 私のアイゼンプレートが不具合で、心配していたの
 だが、やはり昼頃になり雪が溶け、アイゼン団子に
 ずっと悩まされながら降る羽目になった。
 踏みつけてもつぶれないほどの団子が出来るので
 結構滑る。急峻な降りでは神経を使った。
 そんなわけで、写真を撮ってる余裕がなく、東稜の
 終点に辿りついた。
 もう13時に近かった。

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  13:30頃には出会い小屋のテント場に着いた。

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  テントを撤収しこれを分担して担ぎ、美しの森
 まで歩くのだが、これが結構辛かった。
 朝出会い小屋を出発してからの総行動時間は
 12時間以上、かなり消耗した。
 しかし黒戸尾根で10時間は歩いてから、それほど
 時間が経っていないので、疲れはその時ほどは  
 感じなかった。鍛えれば筋肉は付くもののようだ。

  ともあれ厳しいバリエーションコースを12名もの
 大人数で、事故もなく終えられて良かった。

  美しの森から清里では電車本数が少ないので
  タクシーで小淵沢まで出て帰京した。

  (同行の氏の写真をお借りしています。)