赤岳・天狗尾根 ② | 鬼川の日誌

 赤岳・天狗尾根 ②

    天狗尾根を登る 30日   続き


 
  30日朝準備して5時出発。まだ完全に暗い。大人数なので班を
 二つに分けヘッドランプで赤岳沢を遡る。昨日下調べをしてきた
 リーダーと私の班が先に行く。
 昨日歩いているから分かるものの下調べなしでは検討も付かない
 だろうという感じ。

  暗い中での沢登りはなかなか進まない。40分近く掛かってようやく
 昨日の目印、左からの沢の合流点に到着。まだ暗い。
 沢の右の小さな尾根に取り付く。笹薮とシラビソの急斜面。

  尾根をはずさないように忠実に登っていく。ところどころ結構な
 急斜面となるし、またちょっとした岩も出てくる。易しそうなルートを
 探しながら先頭で登る。明るくなり上の方で稜線らしきが見えるが、
 大きな岩に行き当たる。
 左に巻けば少し進めるがその先どうも行き詰まりそうで、先が見え
 ないが右に回りこんでみると、上に行けるルートがあった。

  これを進んでシャクナゲの尾根に出た。6:20過ぎ頃。
 後続を待っているうちにガイド組みも登ってきた。
 先に行ってもらう。

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  少し歩くと前が開け天狗の岩塔が見えてきた。
 目の前には小さいが尖った岩稜。ここは雪が着いたときは
 ちょっとした難所になるらしいが、今は問題ない。

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  30分ほど歩くとガイド組みが休んでいたので私たちも休む。
 7:00頃。
 ガイド組みが出発して、ここからリーダーに先頭を代わって貰う。

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  後ろに富士山がきれいに見えてくる。権現、旭がすぐ傍で
 手前の尾根が降りのツルネ東稜かな?7:30頃。

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  7:50頃カニのツメ(ハサミ)といわれるなるほどな岩峰。

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  今日は高曇りで富士山が素晴らしい。カニのツメの岩を巻く。
 一ヶ所岩が横に出っ張っているところ、下がないので雪の時には
 いやらしかったが今は問題ない。


  これを巻くと10mの岩峰。雪が着いていた時はロープを出す
 様なところだが、凍ってなければ手掛かり、足掛かり豊富で
 易しい。しかし私は息が上がってきた。

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  登りの途中で後続班を見下ろす。

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  カニのツメと富士山と真教寺尾根。

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  10m岩峰を越えた次が30m岩峰で、この取り付きは岩を少し
 トラバースする。その後急峻な草付きルンゼの登攀となり厄介。
 足下が切れ落ちていて雪が着いているときはとても怖いところだ。
 先行のガイド組がロープを出して登攀していたので少し休む。
 8:10頃。
 ここにはフィックスロープが下がっていた。しかし一部芯がむき
 出しになっているような状態で、プルージック等を通すのが厄介で
 かなり苦労している人がいた。相当ここでもたついた。
 フィックスロープは途中までだったので、リーダーが下の面倒を
 見ている間に草付きの急峻なルンゼを先に登り、30mのロープ
 を出した。

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  後続班にもこのロープを使いそのまま登ってもらう。

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  ロープを回収し、後続班の最後に回って皆の後を着いていく。
 次は先頭の上の岩を登り、くの字の草付きを登ればいい。
 9:05頃。
 

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  この上が大天狗の岩峰の一つ手前の岩峰。
 右に回りこみながらロープを張っている。9:15頃。

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  このロープの回収役も回ってきたので私が最後。
 これを越えると最後の大天狗基部の壁である。下の写真が
 9:35頃。私が終わるまでまだ少し時間が掛かった。

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  これを乗り越え右に回り込めば難所は終了であるはずが、
 小天狗の岩を巻くところで、1ヶ所岩が脆く危ないところがあった。
 登れる人はそのまま登ったがお助けロープを出していた。
 そうこうしているうちにぽつぽつ降り出していた雨が、猛烈な
 雪になって降り始めた。視界が一時真っ白になるほど。
 難所終了で休みたいところだったが、先に進めるメンバーは
 先に行くことにしてそのままキレットのコースに入る。10:15頃。
 下の写真小天狗が終わり、雪の時には素晴らしい雪稜となって
 切れ落ち、キレットの登山道に合流するところだが、今はなんでも
 ない。


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  キレットを降る。岩が濡れてきた。雪はだんだん雨になる。
 しかしこの雨が止まない。

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  キレットの岩降りを終わり赤岳と天狗尾根を振り返る。
 11:00頃。

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  キレット小屋。11:10頃。休憩する。

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  ツルネへ登り返す。これがきつい。その途中からの赤岳、
 阿弥陀岳。

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  阿弥陀南稜。

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  ツルネ山頂と富士山。12時頃。

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  旭東稜と富士山。12:10頃。これからツルネの東稜に入る。

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  見納めの赤岳と天狗尾根。

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  東稜は踏み跡ははっきりしている。雪のときで踏み跡がない
 ときは地図をしっかり読まないと迷う。
 急峻な細い尾根が続き、足を滑らせないよう降る。
 下の方に来ると背丈を越す猛烈な笹薮となるが、テープの目印が
 しっかり付いている。
 東稜終了点。沢に出る。14:10前頃で東稜降りだけで2時間。
 雨は降り続く。

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  本谷側の沢を20分ほど降り、出合い小屋に帰り着いた。
 14:30頃。
 帰り支度を整え、用意のできた組から出発する。
 15:00頃か。
 1時間ほど掛かって、下の写真は林道に出たところ。
 16時過ぎ頃。

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  ここからまだまだ長かった。
 荷の重いのがだんだん応えてきた。ランプを出さずにすんだが
 すっかり暗くなって美の森駐車場に着いた。17:30頃。
 今日の行動時間は約12時間半。これはきつい。
 ここからタクシーで小淵沢駅組と清里駅組に分かれて帰った。
 清里駅前はほとんどの店が早々閉まっていた。
 寿司とそばをやっている店を見つけ、温かいそばと軽く一杯。
 ご苦労様でした。
 小淵沢からのあずさが遅れた上にまた混んでいて、ずっと
 立ちっぱなし。今日は一日がとても長かった。