東日本巨大地震 | 鬼川の日誌

 東日本巨大地震

  皆さん被害はありませんでしたか?


  3月11日、ちょうどメールを送信し終えた瞬間にぐらっと
 揺れ始めた。14:46。
 揺れは大きいがかなりゆっくりした横揺れだった。
 私の家では少し棚の上のものが落ちたが、とにかく玄関を
 開け逃げ場を確保し、様子を見た。
 それ以上は酷くならず収まってくれた。
 このときはもう停電していた。パソコンが消えていた。

  後何回か揺れが来た。電源が落ちたのでテレビが消え
 何が起きたのか情報がはいらない。
 車のラジオで東北の方で巨大な地震が起きたらしいことが
 わかった。

  停電はなかなか復旧しない。とうとう暗くなってきた。
 相当に異常な事態らしいとは分かるがちゃんとした情報が
 入らず、困惑する。ラジオが手元にないとまずいと痛感する。
 電源が切れたので水道が止まるかもとさしあたり水は汲んで
 おいた。しばらくして水道が止まった。
 18:20頃の停電の様子。

鬼川の山行日誌と独り言
鬼川の山行日誌と独り言

  ロウソクの灯りで夕飯を食べた。
 夜9時前頃になってようやく通電した。テレビが大地震のニュース
 を伝えていた。 

  東北地方太平洋沖地震と名づけられた、この地震(テレビでは
 東日本大震災といわれている)の被害は相当に深刻だ。
 被害の全貌はまだまだはるかに分からない。

  マグニチュードは当初の8.8から13日9.0に訂正された。
 どちらにせよ世界的にも最大級の地震である。
 4~500kmに及ぶ断層がズレ、動いたらしい。
 地震の揺れも凄かったらしいが津波の被害が物凄い。
 三陸は昔から津波に痛めつけられた町が多い。

  青森から、三陸海岸、福島、茨城地方の幾つもの町が壊滅し、
 千人を越す死者と行方不明者を出している。
 なかには1万人を越す市民と連絡が取れないという町が幾つも
 あるようだ。最終的に死者は数万となりそうだ。
 何ということだ。

  津波の映像がいくつか見られたが物凄いものだ。恐ろしい。
 その圧倒的な破壊力に防潮堤など一たまりもない。想像もつか
 ない大津波だったようだ。
 波が引くと町は痕跡もないほどだ。地盤が相当沈下したらしく
 海水が引かずに海のようになっている。
 瓦礫の下に埋もれている人もまだ大勢いるようだ。があまりに
 跡形もなく瓦礫の積み重ねで、捜索も容易ではなさそうだ。
 海岸に数百人の遺体が確認されているところがあるようだが、
 その収容すらままならないらしい。

   * 壊滅

  名前の挙がる各地にそれぞれの思い出を持っている人、親戚
 のいる人もいるだろう。連絡は取れたのだろうか?胸が痛む。

  私はほぼ町が壊滅したといわれている、陸前高田市に縁がある
 ともいえないかすかな思い出がある。
 もう40年以上も前に、陸前高田に知り合いがいた。
 確かその人の実家は『酔仙』(?)とかいう酒の造り酒屋だった
 ように記憶している。

  一度だけ旅の途中で尋ねたことがあったと思う。そしてそのとき
 町の名所の切り立った断崖を見に行ったようだが、もう名前も覚え
 ていない。
 その名所から見た、あの海が荒れ狂い町を飲み込んだのだろう。
 それ以後その知り合いとも疎遠になり、結局それっきりで終わった
 ようだから本当に微かな思い出だ。

  もしかしたらその彼は実家を継いでおいしい酒を造りながら、
 あの町に住んでいたのかもしれない。
 だとしたら無事では済まなかったかも。南無三。
  
  地震、津波の被害は深刻で未だに救出を待っている人たち
 が大勢いる。避難した人たちの救援、今後の援助が急がれる。

   * 福島原発

  もしかしたらこれからさらに深刻な事態を引き起こすかもしれ
 ないのが、東電福島第一原発の事故である。
 関係者は事態の深刻さを何とかごまかすような会見をやって
 いていらいらするばかりだが、一時であれ炉心溶融(メルトダウン)
 が始まっていたようだ。

  まったく驚くのは原発が停止し、外からの送電も止まった為
 非常用ディーゼル発電機が自動的に動き始めたはずなのに、
 これが直ぐに止まってしまったことだ。
 これで原子炉を冷やすための水の循環ポンプが動かなくなり、
 緊急炉心冷却システムが働かなくなってしまった。
  
  水が循環しなければメルトダウンに行き着くのは素人だって
 分かる。なぜ非常用発電機は止まってしまったのか?
 なぜ二重三重のバックアップを考えないのだろうか?
 実に信じられない。日本の原発安全神話は一挙に崩壊した。
 こんなにもろいとは誰も思わなかっただろう。

  とにかく電源やポンプを総動員して海水を注入し、メルトダウン
 を防ぐのに成功していると発表しているが、信用していいのかは
 分からない。またごまかされているかもしれない。
 しかもこれはずっと継続しなければならない。応急措置では
 続かないのだ。
 水は循環させなければならないから、放射能汚染された海水が
 垂れ流されているはずだ。

  一時メルトダウンが始まってセシウムが検出されたりしていた
 からこれらの措置は特攻隊によってやられたのだろう。
 彼らは多分深刻に被曝しているに違いない。
 いつだって真っ先に犠牲になるのは現場の人間だ。

  13日の夕方のニュースでは福島第一原発3号炉では、この
 海水注入も上手くいかず、長時間炉心が露出し、恐れていた
 メルトダウンが進行しているようだ。
 また第二原発でも同じように原子炉の冷却が出来なくなっている
 という。一体どうなることやら。
 恐ろしいことにならなければいいのだが。
 大体東電の幹部や原子力保安院の連中は見え見えの自己
 保身丸出しの会見をやっており、危機感すらない。
 政府もまったく信用出来ないから困ったものだ。

  1号炉の原子炉建屋が爆発で破壊されたが、格納容器は
 無事だといわれている。
 それでもほぼ今がスリーマイル島の事故のレベルだったと
 思われるし、何かの手違いでメルトダウンが進み、格納容器が
 破壊されればチェルノブイリ並みの事故になるかもしれない。
 人口がはるかに多いから、また東京圏もさほど遠いわけでは
 ないから、影響はその比ではなくなるだろう。
   
 
  関東でも地震の揺れは凄かったが、これに匹敵する大地震が
 直下型で東京圏を襲わないとは誰もいえないことを思うと
 私たちはいつ切れるか分からない紐にぶら下がっているような
 ものだと思い知らされる。