宝剣岳雪山登山 | 鬼川の日誌

 宝剣岳雪山登山

  宝剣岳登山 小出係りのぼろ例会 08,11,28夜~29 12名 

 
  私のこのシーズン最初の雪山は小出係りの宝剣岳でした。

  28日夜に東京を発ち、しらび平行きのバスの出る、菅の台駐車場にテント
 を張り仮眠。ここまで来ると結構寒い。

  29日バス、ロープウェイと乗り継いで千畳敷に上るともう標高2600mの完全な
 雪山の中。とても素晴らしい快晴だった。カールの雪と宝剣岳が青空に映える。
 そして反対側には南アルプス連峰の大展望。今日は快適な雪山登山になると
 思われたのだが・・。

    * 宝剣岳へ

  雪山装備を整え(ハーネスも着けて)歩き出す。カールの雪は多い。我々が
 最初に歩き始めたので、ラッセルになる。先頭を交代しながら進む。少し歩く
 と軽く汗ばむくらいいい天気でとても気持ちがいい。
 少し離れてラッセル泥棒が続いている。
 
  宝剣山荘のある稜線に出るまでの雪壁がかなり急峻で、ここが第一の難関。
 一部は凍り付いているので、ピッケルを刺し、アイゼンを蹴りこみ(フラットに)
 がっちり効かせて登っていく。慣れないと怖いところだ。

  1昨年は雪が少なく、この壁の一部に草付が露出していて、登りにくかった。
 それに比べればアイゼンが効く今回の方が私は登りやすかった。

  稜線に出ると目の前に宝剣岳の雪壁がそそり立つ。ここまでは快晴だった。
 しかし宝剣山荘まで来ると突然強い風が吹き始め、曇ってきてガスが出てきた。
 そして一気に寒くなった。今回は人数も多くまずは宝剣岳に取り付く。

  宝剣岳は急峻な雪壁(岩と雪のミックス帯)を登らなければならない。
 下は深く切れ落ち事故も多いところだから、ロープを出す。今回はk氏、h氏、
 私の順でロープを3本張った。最後の私は頂上に一番乗りさせてもらった。 
 皆はフィックスしたロープにカラビナを掛けて登る。

  全員が頂上に立つ。頂上の岩にはエビの尻尾が張り付いている。頂上は
 狭い岩の上で12名が登ると一杯。
 風は強くガスで展望もなく非常に寒いので、記念写真を撮って早々に下山した。

  宝剣山荘まで来ても目の前の山荘が見えないほど濃いガスで、木曽駒ケ岳
 は諦め千畳敷に下った。風が吹き荒れていたのは稜線から上だけだった。
 カールの壁の降りも凍っているのでかなりの難関。登るよりも降る方が難しい。
 しかしこれも無事突破して全員ロープウェイ駅に到着した。

  今回は思いがけなく厳しい冬山の洗礼を受けた。いきなりの厳冬期並の
 寒さで、寒さ慣れしていない身体には応えた。
 特にルート工作をしている間、待っていたりビレイしていたりするのが辛かった。
 しかしロープを出すような雪山ではこれは避けられない。
 寒くて写真も少ししか撮れませんでした。

  今回は木曽駒ケ岳には行けませんでした。
 この木曽駒ケ岳と宝剣岳はロープウェイで一気に2600mの雪山に登れ、
 シーズン初めに雪山の訓練をやるにはとてもいいところだと思います。
 宝剣岳に登るにはロープが必要ですが、木曽駒ケ岳はカールの壁を登れ
 れば後はなだらかな雪山散策が楽しめます。
 (だだっ広いのでガスが出た時は迷いやすいです。コンパスが不可欠です。)

     冬の宝剣岳