雪の前穂高岳 | 鬼川の日誌

雪の前穂高岳

前穂高岳 (奥穂・コブ尾根例会) 09,10,9~11 のぼろ会

  10月9日夜発12日の予定で当初はいい天気の予報。
 錦秋の穂高を登れると期待していましたが、8日に上陸し列島を縦断した
 台風18号の吹き返しの風で寒気が入り10日文字通り雲行きが怪しくなった。

   * 岳沢

  私達が岳沢に着きテントを張り終わった頃から雨がぱらつき始めアラレ、
 ミゾレ、雪と最悪の天気になり夕方錦秋の穂高が一転薄く白くなった。

  コブ尾根の登攀はロープに繋がり、3級程度の岩稜を登る
 バリエーションルートです。
 大阪府岳連の岩登り教室の15名近くの大部隊も同じコースを行く予定でした。
 私達は9名の参加でしたので3人ずつ3班の編成で行くことになっていました。
 
   *前穂高岳へ

  非常に冷え込んだ夜を過ごし11日朝テントを出てみると穂高は真っ白でした。
 これでは登攀は難しいという小出リーダーの判断でコブ尾根はあきらめ、
 登れそうな前穂高岳に変更しました。府岳連の人達もルートを変えたようです。

  重太郎新道には薄く雪が張り着いていました。アイゼンは履いても邪魔に
 なるだけです。薄い雪は凍りついてはいませんでしたのでさほど滑ることもなく、
 足並みも揃い快晴の前穂高岳に順調に登りました。登る予定だったコブ尾根
 から奥穂高岳は白い壁になっていました。

  昨夜の雨、雪で空気が洗われ山頂からの展望は素晴らしい。槍ヶ岳の向こう
 の山々は真っ白に雪化粧。反対側には遠く富士山が陽光に輝いていました。

  目の下には上高地、焼岳の噴煙が小さく見え、左手には霞沢岳、奥に乗鞍岳
 と御嶽山、右奥にかすかに白山の山々。

  前穂の山頂から紀美子平までは危ないところがあるので、2班に分けロープ
 を出し繋がって下りました。いわゆるコンテ

  私達にはガイドがやるタイトロープビレイは難しいのですが、危ないところ
 では前の人が滑ってもビレイできるように、岩角にロープを絡めておけば安心です。
 これを繰り返しながら下りました。この頃には穂高の雪も大分溶けていました。

   *帰京

  昼過ぎには岳沢のテント場に帰りついたので、テントを撤収し帰京することに
 しました。ここからタクシーを手配しものすごい人出の上高地は上手く脱出でき
 ましたが、高速道路も猛烈な渋滞。家に帰り着いたのは24時をはるかに回って
 いました。電車がなくなり新宿で仮泊した人もいたようです。
 連休の渋滞は疲れます。

  前穂高岳