キャリアの年数を重ね、実績もそれなりに積んできた。
にもかかわらず、「自信があるか?」と問われると、なぜか胸を張れない。
なぜ、経験はあるのに、自信は定着しないのだろうか。
自信は「記憶」ではなく「感覚」である
たしかに過去には成果を出した。
評価もされたし、「よくやった」と言われたこともある。
だが、そうした記憶は、時間が経つにつれてぼやけていく。
日々の不安やプレッシャーの前では、「過去の記録」は頼りにならない。
自信とは、記録ではなく「今、感じられる感覚」なのだ。
それが更新されない限り、自信は簡単に揺らいでしまう。
成功体験が“裏打ち”にならない構造
多くの現場では、日々新しい課題が投げかけられる。
「これは前にもやったことがある」と言える機会は案外少ない。
だからこそ、過去の成功が、次の成功の「保証」にならない。
むしろ、「失敗できない」というプレッシャーだけが強まることさえある。
周囲の期待と、自分の感覚のズレ
経験を積むほど、周囲は「当然こなせるだろう」と見る。
一方、本人は「今回のテーマはちょっと違う」「うまくできるかわからない」と感じている。
このズレが、自信を削っていく。
「もっとできて当然」という空気が、じわじわと自己肯定感を浸食していく。
“更新される安心感”をつくる
自信が定着しないのは、感覚として「更新されていない」からだ。
だからこそ、毎日少しずつ「うまくできたこと」「理解できたこと」「貢献できたこと」を振り返る時間が必要だ。
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今日の仕事で、自分の力が役に立った点はどこか
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どんな声かけや判断が、他人の助けになったか
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自分自身で「これは良かった」と思えた小さな行動はなにか
こうした日々の“実感ログ”が、自信の芯を育てていく。
おわりに
経験を重ねても、なぜか自信が育たない。
それは、自信が「実績」ではなく「更新される感覚」だからだ。
だからこそ、定期的に「自分の手応えを見つけ直すこと」が必要になる。
自信とは、積み重ねではなく、習慣だ。