「大丈夫です」と言い切れないまま、今日も仕事に向かう。
体調も、気分も、まあまあ。悪くはないけれど、決して万全とは言えない。
でも、誰かに「大丈夫ですか?」と聞かれたとき、つい反射的に「はい」と答えてしまう。
そうやって、なんとなく日々は流れていく。
本当は、少し疲れている。
何かを我慢しているわけではないけれど、すべてに納得しているわけでもない。
でも「ちゃんとやらなきゃ」「迷惑をかけたくない」という気持ちが先に立つ。
それは弱さではなく、ある種の誠実さでもあるのかもしれない。
「大丈夫」と言い切れない日々を送ることに、
どこかで罪悪感を抱いてしまう。
でも、人は常に完璧な状態ではいられない。
不安や迷いを抱えながら、それでも続けていくことこそが、
“生活をする”ということなのだと思う。
大丈夫じゃなくてもいい。
むしろ、「なんとかやっている」くらいが、現実にはちょうどいい。
その中で、少しずつ、自分なりのペースやリズムができていく。
疲れたときは立ち止まりながら、時には少し休みながら。
「大丈夫じゃないかもしれない」と認めることで、
少しだけ心が軽くなる瞬間がある。
言葉に出さなくても、そう感じるだけで、自分への負荷が和らぐ。
“言い切れない”ままでいい。
それでも続いていく日々のなかに、
ほんの小さな安心や、静かな満足が見つかる日がある。
また明日、「大丈夫ですか?」と聞かれたら、
そのときの自分なりの言葉で、静かに答えられたらいい。
それが「はい」でも、「まあ、なんとか」でも。
それだけで十分、生きている証になる。