結論としては「タイトル」の通りで「マイナンバーカードに何でも紐づける」これで「これまで以上にコストカット化できる」そんなわけはない訳ですよ。

 

と言うのも「分かりやすく」言えばこんな感じ。

  1. そもそも紐づけ対象が二重管理の場合、たとえば「運転免許証」を紐づける場合、これに対して「100%」全てを「強制的に紐づけ」をしない場合、確実に「マイナンバーカードに紐づけられた内容」と「本来の運転免許証のみ紐づけられたもの」の「二重管理」となってしまうので、逆にコストが高くなる
  2. そもそも「マイナンバーカードのシステム」って「他の情報と紐づけを前提に作られてる」ものなのか?たとえばマイナンバーカードのシステム自身が「他の既存の紐づけ想定を考えてるシステムと、システム連携ができやすい共通規格化」のような仕組みが無いと「紐づけ」を行う時の「システム改修」に「膨大なコストがかかってしまう」のと「システム連携後に何らか全体に影響する仕様変更」が起きた場合に「膨大なコストが発生する」ことに
  3. マイナンバーカードが「様々な認証承認を行うカード」となった場合「マイナンバーカード=汎用的」なので「目視でたとえば運転免許証の確認ができない」訳で、そのため「すべてNFCカードリーダーでマイナンバーカード読み取りが必須」となるので、システムの負荷やネットワーク負荷が膨大になり「それを維持するために非常にコスト高」となる
  4. マイナンバーカードに様々な「認証情報のカード」が紐づくと「マイナンバーカードで問い合わせするためのシステム」が「停止」すると「大変な事になる」から「システムダウン防止対応」や「迅速な復旧対応の強化」が必須で「それらのシステム運用コスト」が「膨大」になる
  5. マイナンバーカードの電子認証用の暗号キーが「5年で更新が必要」なので、多くの国民が「5年に1度役所に行く=役所の業務が増えることになり、大変になる」となって「新たな業務対応が増えることでのコスト増」となる
  6. 項4に関係するが「これまで目視」で出来た「証明書確認」が「すべてマイナンバーカードで電子認証が必要」となるので、その仕組みが必須となり、そのための「投資」や「作業が増える」これが「日本全体で負担増」となる
結局のところ「アナログ」はアナログの良さがあって「目視で確認すれば良いレベルの確認は目視」でやれば良いものが「完全デジタル認証」の場合は「必ず認証のためにシステムにアクセスが必要」となり、その結果「アナログよりコストが増えるケース」が出てしまうってことですよ。
 
あともう1つは「アナログ」の場合は「システムダウン」しても「カード情報を目視で認証して運用は可能」だけど、一方で「デジタル」では「システムがダウン」してしまうと「システムで認証ができない」ので「資格確認ができない」結果となってしまうので、これを「回避するため」の「対応」を考えると「巨大な並列システム化」が必須で「システムダウンがほとんど起きない仕組み」にしなければならず、結果的に「コストが膨大に増える」ことになる訳ですよ。
 
あと、これ一番「問題」なのが、たとえば「運転免許証」の確認なら「目視+運転免許証の番号の問い合わせ」で「運転免許証情報管理データベースシステム」にアクセスして「番号が存在するなら終わり」だけど、これが「マイナンバーカードに運転免許証が統合」された場合「まずマイナンバーカードの電子認証」を行い、それがOKなら内部的にさらに「運転免許証の情報を管理してるデータベースシステムにアクセス」して「その免許情報の具体的な資格(原付資格や普通乗用車資格等)を取得して、それを「確認システムに表示させる」等で、目視確認と「複数のシステムにアクセスが必要」となり「複雑化」してしまう問題。
 
これ「マイナンバーカードの認証システムでエラー」や「運転免許証システムでエラー」が起きてしまうと「認証」できないし「具体的な資格(原付資格や普通乗用車資格等)」これが確認できない。
 
一方で「アナログの運転免許証」なら「具体的な資格(原付資格や普通乗用車資格等)がカードに印字」されてるので、システム問い合わせでエラーでも「目視で確認ができる」いやあ「これどっちが利用者に利便性」あるのか?って言えば「アナログ」だと思います。
 
結局「何でもマイナンバーカードに紐づけると便利になりコストカットできる」と言う「河野太郎」のような人間は「システムの""正常系""」のみで「物語ってる」訳ですよ。
 
たとえば「原発を""正常系""のみで考える」と「非常に素晴らしいエネルギー」となる訳で、何故って「原発=正常系のみ=100%事故が起きない=使用済み燃料棒の事も考えなくて良い」となれば「石油燃やす火力発電は悪」そのものとなる訳ですが、そもそも「原発を使わない理由=危険=事故るとやば過ぎる=使用済み燃料棒の捨て先は?」があるから「世界的に使われなくなった」訳で、いやあ「こんな重要すぎる""異常系""」が一切考えられてないのが「今のデジタル庁のマイナンバーカード事業」な訳ですよ。
 
そもそもですが「筆者25年以上IT関連で飯食ってきた」訳ですが、その中で「使い勝手の良いIT化」って、どんな感じかと言えば
  1. 現場を知らない奴らが""合理化""でシステム入れるのはヤバい
  2. その組織に見合った形の「デジタル化」を行う
  3. アナログだと「全体的に面倒な事例が発生」して「それによって日常業務が大変になる」もの「デジタル化で全体の対応軽減」ができるものは「デジタル化」する
  4. アナログで「問題ないもの」は「アナログとして残す」ようにする
ざっくり言えばこんな感じで、たとえば
  • 失敗例:レジ入力対応から支払いまですべてデジタル化して、利用者にやらせる
  • 成功例:レジ入力等は従来通り人が行い、支払いの部分だけデジタル対応する
最近の分かりやすい事例としてレジのデジタル化での失敗例、何故失敗するかって言えば「たとえば酒類の購入は20歳未満は買えない」から「別途従業員が目視で確認しに行く」とか「キャッシュレスカードに現金チャージができない」とか「この辺のよくある""例外対応""」これをやるには「人間の対応が必要」な訳で、なので「従来通りそれらを含む対応は人が行う」その後の「決済対応はデジタルで」と「正にデジタルとアナログのハイブリット」が一番最適な場面もある訳ですよ。
 
まあ有体的には
  • デジタルは手段の1つ
  • デジタルは目的ではない
訳で、なのでそもそも「マイナンバーカードを普及=目的」だし「様々なカードをマイナンバーカードに紐づけ=目的」であり、このパターンこそ「IT導入で失敗するアンチパターン」そのものな訳ですよ。
 
結局「マイナンバーカードを普及させる」何故「普及させる必要があるか」これが「何かこれをやることで利益が出る具体的なもの」このための「手段」としてなら、普及は必要でしょう。
 
そして「マイナンバーカードと既存のカードの紐づけ」も「紐づけ自体が目的化」せずに「これをやる必要があるから紐づけが必須」と言うものを「紐づけ」しなければ「意味の無いデジタル対応」でしかなくなる訳で、まあ「この観点でマイナンバーカード」の今の「河野太郎の現状のマイナンバーカード政策」を見てると「まあこれは失敗しかしない」正に「アンチパターン」に陥ってるって思う「今日この頃!!」