政府が新型コロナウイルス感染者の療養方針を見直したことを受け、東京都は、感染者の入院の判断基準を改定する方針を固めた。血中酸素濃度の基準値を厳格化して入院患者を抑え、今後、増加が見込まれる中等症の患者用に病床を確保する。4日にも都内の医療機関に新たな基準を示す。
 
 血中酸素濃度は呼吸機能の状態を示し、値が低いほど危険な状態となる。改定後の基準では、入院の目安となる血中酸素濃度の値を、現行の「96%未満」より厳しくする見通しだ。都幹部は「血中酸素濃度が95%でも入院しない患者が出てくる可能性があるが、病床が限られている中で対応が必要な患者を優先させなければならない」としている。

 都は、感染者が急増していた昨年12月、血中酸素濃度や基礎疾患の有無などをもとにした入院の判断基準を策定し、都内の医療機関などに通知。「第3波」のピークだった1月以降、都内の保健所はこの基準に基づき、感染者の入院の必要性などを判断していた。

血中酸素濃度が96%未満と言うのは「軽症(SpO2≧96%)」を表すそうで、それ以下ならば「中等症1(93%<SpO2<96%)」や「中等症2(SpO2≦93%)」となり、要するに「中等症」は「入院」とされていたわけです。

 

上記記事を見てわかる通り「これまでの東京都」としては「原則”軽症者”は自宅または宿泊施設」の一方「中等症1と2は通常の病床もしくは中等症2はICU等」を利用し「重傷者はICU等で人工呼吸器またはECMOを利用」とされており、要するに「今まで」は「一般病床は”中等症”のためのもの」であると言う事であったってことです。

 

 

ですが、今回「菅政権」が「重症や重症化する可能性のある患者以外は自宅療養を基本とする」として「それらを地方自治体に”お達し”」を通達したそうで、そうすると「早速東京都」では「中等症1は原則自宅療養」って事にしたそうで。

 

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000672044.pdf

■中等症1

入院の上で慎重な観察が必要
1日3回のバイタルチェック(呼吸数、脈拍数、酸素飽和度)、症状
を訴えない低酸素血症を見逃さない
重症化早期発見のための一般血液、生化学、尿検査等の実施
・抗ウイルス薬の投与を考慮

で、中等症1と言うものは「入院の上で慎重な観察が必要」とされてる「分類」だそうですが、これって「自宅療養」が可能なのでしょうか?

 

正に「菅政権」こそ「新型コロナ」を「相当甘く見積もって」いて「中等症はひどい風邪程度」だろ!?って思ってるからこそ、こんな「デタラメ」な事ができるのか?って思います。

 

 

前回でも記載しましたが「自宅療養」ってので「入院レベルのクウォリティをある程度担保」する場合は「却って”無駄に多くの医療従事者”が必要になり”実質対応できなくなる”」わけで、結局の所「中等症1は大したこと無い」と思ってるから、こんな「身勝手の極意」的な「デタラメ」が「できる」のかと思いますね。

 

そもそもですが「軽症者」は「現在でも原則自宅療養」で、中等症は「入院」なわけですよ。

 

だけど今回「菅政権の”重傷者以外は原則自宅療養”」では、実際には「中等症1」と言う「入院の上で慎重な観察が必要」な人を「自宅療養」とするわけで、そんな人を自宅待機にするってのは「見せかけ上医療崩壊していない的な”病床使用率の引き下げ”」の為だけに、正に「菅政権のコロナ対応は失敗していない」を演出させるため「だけ」のものでしかないって事が、はっきりとわかる話だと言えます。

 

 

で、菅政権は今回の「重傷者以外は原則自宅療養」とする理由は「自宅療養を基本とし、症状が悪化すれば、すぐに入院できる体制を整備する」と言ってるわけですが、現状でも「自宅療養者」が「入院まで半数以上がたどり着けない」わけで、これをどうやって「すぐに入院できる体制」が作れるのか?

 

そして忘れてはいけない事ですが、東京では「ダブルスタンダード」的な「重傷者情報管理」がなされており、標準で利用している「東京重傷者基準」は現状「重症者数 112 人(うち重症病床数 392 床)重症病床利用率:約28.5%」と「まだまだ”空き”」があるように見えますが、一方の「国基準」では「重傷者数 840 人(うち重症病床数 1207 床)重症病床利用率:約69.6%」と実際には”あと3割”と逼迫状況にあるわけです。

 

これは「国基準ではICU(集中治療室)や人工呼吸器やECMOを利用している患者」を「重傷者」とみなしてるに対して「東京基準では人工呼吸器やECMOを利用している患者」としており、その結果「実態と乖離した病床の空き状況」となるわけです。

 

言い換えると「東京基準」では「ICUを利用している中等症2の患者」が大体「728人」もいるわけで、今回のような「中等症1」を「自宅療養」とした「デタラメな対策」によって「本来入院できれば”回復”したかも知れない”中等症1”の患者」が「自宅待機」によって「マトモな医療を受けられず」その結果「中等症2や重症化」してしまい「ICUが埋まってしまう」と言う事になって、その結果「本来助かる命」も「助からなくなる」のではないか?って思います。

 

今からでも「宿泊療養先を増やして、そこに”中等症1”の患者を入院させて”臨時的な病院”とする」べきじゃないのか?

 

そして「感染源を減らす」ために「東京五輪を中止」して「選手村」等を「宿泊療養先」として利用する事や「全国一律の緊急事態宣言」を出して「夏休みやお盆などでの”他県の移動の制限”」をかける事も考えるべきじゃないのか?って思います。

 

このままでは「自宅療養」が「破綻」して「重症病床も破綻」する事が目に見えてるわけで「東京が第2の大阪」以上の「死者数」が出ない対策をとってほしいと思いますが、まあ「すだれハゲ」では「無理」でしょうね。