《不可思議話シリーズ》
原題 : OTNo.137 となりの怪談2006
☆前回の 「髪を結んだ女」の話にも初めからイメージ図を付ければ良かったなあと、後悔役立たず中ではありますが...、
これはトイレで髪を結んだ女性を見る一年くらい前、2006年夏の話しになります。
当時、映画フラガールでお馴染みになっていた
『スパリゾートハワイアンズ』
に家族で遊びに行くために、まだポッチャリだった私の巨大海水パンツをふたつ隣町のショップでめでたく購入して帰る途中の出来事です。
国道を車で走っている時に交差点左手にあるコンビニをふと見ると、横断歩道のところにおじさんが座っているのがだいぶ手前の方からもハッキリと見えた。
夕方の5時は過ぎていたがまだまだ明るい季節、何物にも見間違えるはずがない。
昔、小学生の夏休みに東京でこの目を生かしてひったくられた親戚のお姉さんのバッグを発見して以来、目だけは自信があった。ただ、信号待ちにしてはおかしい?おじさんは歩道にしゃがみこんで一升瓶のお酒を飲んでいるのだから。
私は手前からおじさんの前を過ぎるまでずっと指差してファミリーに地元の言葉で、
「ほらあれ、あそごに変な人座ってっぺ」
奥さん
「どこ、どれ?」
息子
「ねえ、どこお」
「ほら、そごにいっぺえ」
奥さん
「どごっいないでしょうっ!」
「ほらっ見ろ見ろ見ろっあそごっ!!」
通り過ぎて後ろを見て指差しても見えないと言い張るファミリー、
「目えわりいのがっ目の前にいだのわがんねのが(怒)」
奥さん
「だがらどごにいだのよ(怒返)」
「信号んどごに変なあだましたおっさんが酒飲んで座ってだべ」
奥さん
「そんな人いだらすぐにわがんでしょうっ!」
息子
「誰もいないよねえ」
「よっく見ろよ、んじゃ戻っからもう一回よっく見ろよっ!」
私はちゃんと見て無いファミリーに激怒し、すぐにUターンして交差点に向かった。
「いいが、いいがっ今度はよっく見ろよ!」
前後の車がいないのを確認して、車の速度を落として念入りに通過した...が、
奥さん
「ほおら誰もいないでしょう...」
...本当に誰もいなかった。すぐに戻ったし、おじさんは酒を飲んでいたからそんな敏速な行動が出来るはずないのに、みんなで近くを見渡したが全くおじさんの姿はなかった。
これが髪を結んだ女性の一年前に体験した出来事であり、思えば日中にハッキリと不可思議な人物を見た最初である。
全く同じ時に自分しか見えていなかった事が我に返ってからとても怖くなった。
自分には霊感などないと思うし、よく、見える人の話だと事故にあった人はその時の状態で血を流した姿で見えるとか聞くが、自分は二回ともほぼ普通に生きている人にしか見えなかった。
なのでその場では全く怖さはなく、後からじわじわ来る感じ。
ちなみにこのパターンはその後もう一度だけ体験する事になる。
《初出展》
livedoorフレンドパーク
2007年08月14日 22:32
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240608/04/o-tn/30/30/p/o0650085915448742144.png?caw=800)