決して、完全を求めないで。個性が消えてしまから。 | “迷い”と“願い”の街角で

“迷い”と“願い”の街角で

確固たる理想や深い信念があるわけではない。ひとかけらの“願い”をかなえるために、今出来ることを探して。

「たくさん弱い部分を出そう。たくさん泣こう。たくさん心から笑おう。怒りたいときは、怒ろう。感情を出していこう。決して、完全を求めないで。個性が消えてしまから」


非常に印象に残ったフレーズです。高橋いずみ著『パニック発作、自分が壊れていく―私はアダルト・チルドレン』の終盤で書かれていました。この本は、パニック発作等の病気に苦しみながら生きてきた著者が、その病気の根底にあった心の傷に気づき、癒しを得ていく過程が綴られたものです。


アダルトチルドレンという言葉については、「幼稚な大人」というような理解がされる場合もありますが、本来は、十分に機能しない家族で育ったために心に傷を負い、大人になってからも何らかの生きにくさを抱えたり、生きることに苦しみを感じる人のことをいいます。


自尊心が低く、自分の感情がよく分らない、楽しめないというようなこともアダルトチルドレンの特徴として挙げられますが、最初のフレーズは、まさにそこからの癒しを表しているように思います。


また同時に、アダルトチルドレンということから頭を離しても、示唆的なフレーズといえるのではないでしょうか。


完全を求めるあまり、完全でないことに大きなマイナスの感情を抱く。自分の欠点、他人の欠点が目につき、自分も他人も傷つけてしまう。そんなことはないでしょうか。


そもそも、私たちはいったい何を目指しているのでしょう。多くの人が、願わくば全ての人が幸せであるのがいいに決まっています。ゆとりをもって、自分も他人も許していくほうが、それに近づくのではないかと思うのです。


高橋 いずみ
パニック発作、自分が壊れていく―私はアダルト・チルドレン