「人気ドラマ「時間ですよ」における

飾り気のない容姿と自然な演技で

一躍人気者になった天地真理の、
デビュー曲「水色の恋」(71年10月発売)

をフィーチャーした

ファーストアルバム(71年12月発売)。


あわてて制作されたアルバムのようで、

オリジナルは「水色の恋」のみで、
あとはすべてカバー曲となっているのだが、
以後も、おそらく同様の事情によって、

内外の数多くのカバー曲を

残していることは
意外に知られていないと思う。


本アルバムでは

「時間ですよ」でもよく歌われた、

「涙から明日へ」(堺正章)、
「恋は水色」(ヴィッキー)をはじめ、

「なのにあなたは京都へ行くの」(チェリッシュ)、
「悲しき天使」(メリー・ホプキン)、

「虹と雪のバラード」(トワ・エ・モワ)、
「恋人もいないのに」(シモンズ)、

「忘れていた朝」(赤い鳥)など、
彼女の声質と音域に合った

内外のヒット曲が12曲収録されており、
ほぼすべて、軽めのポップスや

フォーク系の楽曲で

まとめられているせいか、
全体の風通しもよく、

この当時のアイドルのアルバムとしての

完成度はかなり高いと言っていいと思う。
(★★★★)」(2009.6.30記)


天地真理さんという芸名は、

同時期に放映していた、

「太陽の恋人」というドラマで、

吉沢京子さんが演じていた

ヒロインの役名から

とられたというお話しだったとおもいます。

 

真理さん(ご本名・斎藤真理さん)は、

このお名前がとても気に入って、

原作者である梶原一騎さんのところに、

芸名としての使用をお願いしにいったと

言われていました。

 

続くシングル「ちいさな恋」(72年2月発売)

「ひとりじゃないの」(72年5月発売)

がオリコン1位の大ヒット、

国民的人気者になって以降は、
テレビ、ラジオ出演や雑誌の取材などに

忙殺される毎日を送りながらも、
ほぼ3カ月おきに

シングルとアルバムを出すという、

脅威的な日々を

約2年間過ごすことになりました。

 

ただ、無理がたたって体調を崩し休養、

復帰後は徐々に

大人路線への転向を図りますが、

商業的なヒット曲が出ることはなくなり、
徐々に人気が終息してしまった

不憫なアイドルとして

記憶されることになってしまいます。

 

すべてのアルバムを

全曲聞いたわけではありませんが、

このアルバムが、

真理さんが無理なく

歌っている曲が多いという意味で、

ベストアルバムではないかと

思っています。

 

 *過去記事

虹をわたって

コンプリート・シングル・コレクション

 

 ↓「涙から明日へ」。堺正章さん24歳、天地真理さん19歳です。