※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~
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”やめておけ“ って何を勝手に…
……いや、こんな事で腹を立てても仕方ない。
この人はこういう人だ。
勝手に決めてそれを押し付けてくるタイプ。
良かれと思って……いや、この人の場合そうならないと気が済まないんだろうな。
取捨選択して生きてきた人だろうから…
そして俺も昔、この人に取捨選択された人間だ…
怪我が治っても上田君の家に厄介になり続けていた俺に ”いつまで居座る気だ?“ と面と向かって言われ、家主より上の立場のこの人に俺は不要な物と認定されたから直ぐに出て行くしかなかったんだから…
ただ、それはこの人が間違ってた訳じゃない。
上田君の優しさに甘えすぎた俺がそう言われるのは仕方ない事だったんだから。
それに、上田君の家を出て数日後には奥田さんと出逢えてそのまま拾ってもらえたしこうして今の仕事も持てた。
だから結果をみると取捨選択されても悪い事ばかりではなかった。
…だけどあれは、全てを諦めてしまうには充分な言葉だった。
決して、この人を間違っているとは言わない。
でも俺は、この人が絶対的に正しいとは思わない。
だって俺は……
『…俺は上田君じゃない。』
❬は?何を言ってる?❭
『俺はあなたの部下でも何でもない。
だからそんな言葉に従う気はないし、こんなものいらない。』
❬…お前。
俺が折角金を出して調べてやったというのに__ ❭
『頼んでないし、そういうのは自分の身近な人にだけすればいい。
あなたに”必要“な人にだけね。』
❬…それはお前の事には一切口出すなという事か?❭
『何を言ってるの?
当然でしょ。俺とあなたはなんの関係もないんだから。』
❬…俺はお前の所の客でもあるんだが?❭
『だから?
ありがたいお客様なんだから俺のプライベートに口出しするのは当然だって言うの?
なら俺が今後あなたとは一切関わらないって言えばもう口出ししないって事なんだよね?』
❬…お前……まだ昔の事を根に持ってるのか?❭
『……』
❬あれはそういうつもりで言った訳じゃないって分かってるだろ?
だからあの時上田がお前を探し回る事も止めなかったし、俺だって一応は気にしてやった。
それに数年ぶりに再会した今だって、お前が作った物だからこうして積極的に買ってやってるんだろうが。
それなのに何故こんなにもしてやっている俺の善意がお前は分からないんだ?❭
『!』
…そう…いう事……?
予期せぬ再会だったから驚きはあったし、正直客として紹介されて来た事に戸惑いもした。
でも、客だから…
俺だってもう大人になったしそこは割り切って接客したし、店以外でも嫌な素振りを見せないように対応してきた。
それに、俺が作った物を見て ”いいな“ と純粋に褒めてもらってると思ったから……だから俺は、何も持ってなかったあの18歳の頃とは違うって…必要とされる大人になったんだってこの人にも見せつけたくて色々無理してきたのに………
それなのにこの人にとっては……
『…ただの…贖罪のつもりだったんだ……』
❬罪?俺にそんなものがある訳ないだろ。❭
『っ……』
…あぁ……うん、そうだよね。
…あなたがそんな事思う訳ないよね。
数年前にほんの少し顔を合わせていただけの厄介者の俺なんかには。
だからきっとあれだな…。
上田君とも再会した俺がまた連絡を取り合う仲になったから……”上田君の知り合い“ だから気にかけてやってるって感じなんだろう。
そんな奴に安くもない金を使って、助言までするとか……
ほんと、お優しい事で……
❬そんな事よりさっきの話だ。
あの櫻島という男には、お前が交際していた男みたいに女性の影はなかった。
だからそこは心配しなくても良さそうだが、男を取っ替え引っ替え遊び回っているのが分かった。
そんな男にお前が真剣になる価値は___ ❭
『そんなのわざわざ調べなくてもヤれば1発で分かるよ。』
❬…だが、他にも性格とか合わないとかあるだろ?
それにお前を探っていたりしたみたいだから、何か疚しいことがあるかも__ ❭
『だから何?
そもそも、それはあなたに関係がある事なの?
翔奏と俺が付き合ったとして、何かあなたの不利益にでもなるっていうの?』
❬…おい。俺はお前の為を思って態々__ ❭
『俺の為?ハハハ、笑える。
あなたが俺の為なんて思う訳ないじゃん。
俺が上田君と会ったりしているから、余計な事で上田君を煩わせたりする事がないようにする為でしょ?』
❬あ?何を言って__ ❭
ペコッ
『どうぞご心配なさらないで下さい櫻木様。
2度と上田君に迷惑をかけるつもりは御座いません。
お望みなら金輪際ご連絡もしません。』
❬…おい?❭
『ですから “私” の事にも関わらないで下さい。
勿論、あなたが勝手に調べあげた櫻島 翔奏にもです。
ご理解の程宜しくお願いします。』
…あぁ、本当に胸糞悪い。