※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~




































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全てがどうでもよくなった18歳の3月…





「君みたいな若い子がそんな瞳をしていてはいけない」




そう言って寒空に俺に暖かいコートを掛けてくれた人がいた。












そして俺に新しい居場所をくれたのが……



















「大嶌君。今日の3時に予約されている坂本様、2名様でのご来店ですので奥の部屋の準備をお願いします。」



『かしこまりました。』


















この奥田さんだ。




そして、あんなどうしようもない俺を見棄てる事なく仕事まで与えてくれた恩人……俺の師匠でもある。














そして受かった大学に入学する事なく18歳から働いているここは、Leggiero(レッジェーロ)というテーラーとジュエリーショップが併合している店。



8年の間に内装工事等何回かあり今のような隠れ家的な店になったが、俺が落ち着けるもう1つの家のような職場。










”家“なんて言っているが、表の売場や裏の作業場を合わせたら借りて住んでいる部屋より面積が何倍も大きいけど、生地の匂いだったり中世ヨーロッパ風の内装がそう感じさせてくれているんだ。



だからこそ輸入品の家具はよく磨くし、掃除だって糸くずすら落ちていない程に気合いを入れている。











それだけ俺もこの店が大事なんだ。


気品があって外界とは別空間にも感じられるこの店が……




























それなのに、その店に相応しく無い客が現れた。



















3時にご予約頂いていた坂本様は覚えている。



少し前にも秋用のコートをオーダーメイドされたお客様で、容姿が整っている上に性格も申し分なくとても良いお客様だ。










だから、そんな坂本様が”紹介したい“と仰る方だから坂本様のような方がいらっしゃると思っていたのに……


















奥田さん達と一緒に現れた”そいつ“を見て俺は挨拶を忘れるくらい固まってしまった…




奥田さんに言われてやっと我に返ったが、頭を上げ再び”そいつ“を見ると…














スタスタ





っ、止めろ……こっちに向かってくるな!







しかも、何だその顔!



あと!






俺しか見えていないから2人には気付かれないとは思うけど、お前の息子!

何で形がハッキリ分かるくらい主張させてんだよ!











回避したい…


近づくなと声に出したい…







でも、この場でどっちも出来る訳がない!


















タンッ!



『お…お客様……』



《フーフー……見つけたぞ……グリッ!



















近い!鼻息が荒い!


そして、当たってんだよお前の息子が!








この店でなんて事を……マジであり得ないから!!