※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~




































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不安しかなかった…







大隈君は真面目だから仕事に行かないという選択はしない事も分かってた…


分かってたけど……あんな事があったばかりなのに……

















いつもなら、こんな晴れた日は買い物か公園に行ったりしていた…


だけど今日はそんな気になれなかった。















家の中で配信のアニメを見たり、絵本を読んだり…



昼はインスタント麺に、夜はレトルトカレー……









それで文句の1つも言わない2人…


たぶん、俺の様子がおかしいからだろうな…








スマホを握ってうろうろしてりゃ、そうだよな……














でも…大隈君からの返事がないんだ……



何時に仕事が終わるか聞いても、迎えに行くといっても、今日もこっちに泊まって欲しいという誘いにも返信がないんだ……










仕事がまだ終わらない…?


あと、どれ位待てばいい…?


まさか、何かあったとかじゃないよな…?
















そんな事をずっと考えていると、やっと大隈君から返事がきた。



急いで確認すると、そこには“大丈夫ですから”と泊まりの誘いを断る言葉と、これからの事で話しがしたいと書いてあった…










俺は手が震えた…











あんな事があった場所に大隈君が1人で帰る選択をした事…




そして…

俺が1番恐れていた“これからの事を話したい”という言葉に……











こうなるんじゃないかと思ったんだ…








大隈君は真面目だから、自分に否がなくても自分の所為だと思う人…

だから、俺達を巻き込み危険にさせたと思ってしまうはず…




だから、その事を気にして俺達と距離を置こうとする為にこういう話しをしてくるんじゃないかって……













ブルブル…




…嫌だ……







いくらでも俺を巻き込んでいい…

それで大隈君が傷つかないなら俺はいくらでも盾になる…






だから…遠くに行かないで……








好きだという気持ちは何度でも隠す…


今まで通り、和臣と潤己の親という立場でいるから…








だから…無事な姿をこれからも見させて欲しい……



“これから”に変わりなんていらない……






















スッ

〈…ないちぇるの?〉
〔…どうちたの?〕



《っ!》



〈…どこかいちゃい?〉
〔…おくしゅりのむ?〕



《…ああ……ちょっと苦しいん…だ………》



〈っ、どうちよう!〉
〔おいしゃしゃん!〕



《…いや、これは医者は治せないから……》


















俺を心配してこんな事を言ってくれるようにまでなったなんて…



これも全部、大隈君がいたからなんだよな……

















《心配させて悪い……俺は…大丈夫だ……》


















本当は直ぐに大隈君の所に行きたい気持ちがある…


どうにかして引き止めてたいって…







…だけど、2人を連れて行く事はできない。



昨日は運が良かっただけで、同じように安全とは限らないから……






それに、この2人が怪我なんてしたらそれこそ大隈君が自分を責めてしまう事になる……



こんな時、2人を見ていてくれる誰かがいたら___


















〈おくしゅり!〉
〔はやくはやく!〕



《…いや、これは家にある薬も効かないから……》



〈じゃあ おかいものいく!〉
〔どんなおくしゅりならいいの!?〕



《…どんなって………ボソッ大隈君……》



〈くましゃん?〉
〔くましゃんがおくしゅり?〕



《ハッ!》















なに言ってるんだ、俺……
















《いや、なんでもない。気にするな。》



〈くましゃん よぶ!〉
〔くましゃんにきちぇっていう!〕



《…それは…無理だ……大隈君は来てくれない…さ…》



〈……〉
〔……〕



《…ふぅ。悪かったな。
ほら、この通り俺は問題ないからさっきのは忘れて
__ 》



〈じゃあ いく!〉
〔うん!くましゃんとこいく!〕



《それは駄目だ!》



〈!〉
〔!〕



《…あ………ほら、こんな時間だろ?子供は危ないから…な?》



〈…じゃあ おとしゃんいく。〉
〔…うん。おとしゃんだけ だいじょぶ。〕



《!》














“おとしゃん”…?


それって…まさか……俺か…?















〈かじゅ じゅんいりゅからへいき!〉
〔じゅんも かじゅいりゅからへいき!〕



《…いや…平気って……2人だけで留守番なんてさせられる訳な__ 》



〈でも くましゃんおくしゅり!〉
〔おとしゃんに ひちゅよう!〕



《っ!》



〈いたいいたい なおちて!〉
〔げんきに なっちぇ!〕


















お前達……














ピッ!

〈〔 はやく いっちぇ! 〕〉
















早く行ってと息を揃えて言われたけど、はいそうですね…とはいかないんだよ……



だけど……

















《……本当にいいのか?》



〈〔 うん! 〕〉



《……分かった。じゃあ貴雅に連絡する。
それで家に来てくれるようなら……行かせてもらっていいか?》



〈〔 どじょ! 〕〉



《…ありがとう。》



















2人から許しを貰った俺は貴雅に連絡した。


事情を話すと、店を抜けて直ぐに来てくれると言う…










ありがたい友人に、ありがたい息子達…








そんな3人に感謝を伝えてから、俺は貴雅の車を借りて大隈君の家へと急いだ。
















カチッ!



早く……


早く出てくれ……

















『櫻坂さん?どうしたんで__ 』



《大隈君!開けて!》



『…え……』



《お願い!》



『あ、はい!今、行きます!』














近づいてくる大隈君のシルエット…


ガチャと開いた玄関の鍵…






そして玄関のドアが開きその姿を確認すると…
















ガッ!
《大隈君!それだけはやめて欲しい!お願いだ!》
















俺は大隈君にそう懇願した……