※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~




































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ガチャ  キィー……



ソロリ…
『…お疲れ様でーす……』
















そぉーと、そぉーと……














「あら?大隈君?」



『ビクッ!』



「今日はお休みのはずよね?それなのに__ 」



『しー!しー!』



「あ~。ふふ、コソコソしたいのね?」



『そうなんです…
ちょっと忘れ物を取りに来ただけなので見逃して下さい…』



「ふふ。休みの日に事務所に来ている事が社長にバレたら大目玉をくらっちゃうものね。」















そうなんだよね…


前、休みの日に事務所にきてちょこっとだけ事務的な事をしていたら後日それが松丘社長にバレてお説教されちゃったんだよね…








だから、今日もビクビクしながら事務所に来たんだ…



松丘社長は神出鬼没だから土曜日だといっても絶対にいないとは限らないし…









でも、どうしても今日の内に忘れ物を取りに来たかったんだよね…



昨日、仕事終わりに事務所で着替えた時にロッカーに忘れちゃった2人からの贈り物である僕の似顔絵を…









僕の似顔絵を描いてくれた画用紙…


大事に大事に持ち帰って折り目がついたら嫌だからって事務所のロッカーに置いてあったクリアファイルに入れたんだ…





それなのにバッグに戻さずにロッカーの棚の上に置いたまま昨日は帰っちゃった……


家に帰ってその事に気づいた時は本当に泣きそうだったよ僕……










月曜日になれば必ず持ち帰れるけど、それすらも待ってられなくて…だから今日来たんだけど……
















『遠藤さん…この事内緒にしてくれますか?
パッと取って直ぐに帰るので…』



「ふふ。えぇ、私は何も見てないわ。」



『っ、ありがとうございます!』


















僕は急いでロッカーに向かい中からクリアファイルを取り出した。







ギュ…

置いていっちゃってごめんね…








ちゃんと額も買ってきたんだ。

家に帰ったら1番目立つ場所に飾るから待っててね。










大きめのバッグにそのクリアファイルを入れ足早に事務所から帰ろうとした時……
















「あ、ねぇ大隈君?
なんだか雨が降りそうだけど大丈夫?」



『はい。降水確率高かったので折り畳み傘持ってきてますから大丈夫です。』



「そう良かったわ。じゃあ気をつけてね。
あ、いけない。私は何も見ていないんだったわ。」



『フフ。ありがとうございます。それじゃあ。』

















何も見てないと言ってくれた遠藤さんだったけど、手を振って僕を送り出してくれた。



今日の事、松丘社長にバレなさそうで良かった…













事務所を出て数分でポツポツと雨粒が落ちてきた…



僕は急いで傘を出しバッグが濡れないように脇に抱えた。







走る事も考えたけど余計に濡れるかもしれないと思い少し早歩きで駅へ……



電車に乗ってしまえば心配はないしね。















電車に乗ると、僕が立っている場所の向こう側に家族4人で座っている人達が見えた。






雨が窓に当たって外が見えないとがっかりする男の子…


そして、それを宥めるお父さん……











その家族の姿が櫻坂さん達に被って見えた……














僕はあと何日櫻坂さん達親子と過ごせるだろう…?



この前、櫻坂さんのお父様とお母様にお会いした時の様子できっとお2人は考えを櫻谷さんに伝えると思った…






だから僕はいつ櫻坂さんからその話しをされてもいいように覚悟はしてるんだけど、未だに何も言われていない…


僕の方はもしかしたら契約が終わるかもしれない事を松丘社長に既に話しているんだけど……









ご家族で一緒に暮らさないのかな?


それとも、もう少し先とか?













…できれば早めに聞きたいな。


時間が経つにつれ、もっと2人と離れたくなくなっちゃうだろうから……













プシュー


……あ、着いた。降りなきゃ。














駅から出るとさっきよりも雨足が酷くなっていた。



バッグを守る為に傘を斜めにして歩いているから、持っていない方の肩は雨に濡れて冷たい…







でも、こんなのはどうって事ない。


大事な贈り物さえ濡れなければ何だっていい。












漸く家に着いた頃には服の半分が絞れちゃうくらいになっていた。


でも、そっちは気にせずに玄関を開けて直ぐ僕はバッグの中を確認した。








スッ


…ホッ、良かった。こっちは濡れてない。









僕は画用紙が無事な事を確認してから外に置いたままにしている傘を片付けようと玄関を開けた。



そして、玄関横に投げ捨てたみたいになっていた傘に手を伸ばした時……














ガシッ!

『っ!?』



「…ハハ……やっと見つけたよ大隈君…」



バッ!
『っ、嘘………どうして深溝さんがここに…?』