※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~




































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タンッ!
『そんな事言わないで下さい!』
















嫌に決まっているとか、自分の方がとか……
















『お願いですから、櫻坂さん……結翔さんの言葉を聞いてもいないのに決めつけないで下さい。』



「!」
「っ……」



『…これは僕から言う事ではないと思ったのでお手紙にも書きませんでしたが、僕が結翔さんと知り合ったきっかけは道端で倒れている結翔さんを僕が見つけたからです。』



「えっ!?」
「!?」



『過労でした…』



「…っ…結翔……」
「……」



『…そんな状態の結翔さんでしたけど、病院のベッドの上で目覚めた時に最初に看護師さんに何を聞いたか分かりますか?
…和臣君と潤己君の事でした。
真っ先に自分の側にいない子供達の事を心配したんです。
…お2人の中の結翔さんも間違いなく結翔さんだと思います。
でも……変わろうと思った人は変われるんです…』



「っ!」
「!!」



『確かに “どうして俺が…”と結翔さんは仰ってました。
だけど結翔さんは2人の手を離したりしませんでした。
それどころか倒れてしまう位2人の事に一生懸命になっていたんです…
僕は……そんな所がお父様に似ていると思いました。』



「…え?私に…?」



『どんなに頭では受け入れたくないと思っていたとしても、実際に突き放すなんてできなかった。
そんな優しい所はお父様譲りなんだろうなって…』



「っ!」



『お母様。結翔さんは絵本の読み聞かせがとっても上手なんですよ。』



「え…?そうなの…?」



『はい。
でもきっとそれは、小さい頃の記憶がどこかにあるからだと思います。
自分はこういう風に読んでもらっていたな…とか、そういう経験があったからこそ自然とできるんだと僕は思うんです。
そしてそういう時に結翔さんが思い浮かべる姿はお母様ですよね?』



「!」



『お父様がお仕事でいらっしゃらなくても、お母様がいた。
もしかしたらお母様はお仕事で疲れてらっしゃっても結翔さんの前では一切そんな姿を見せなかったんじゃないですか?』



「…確かにそう心掛けてましたけど……でもそんな姿は子供に見せたくないというのは当たり前の事で………ハッ!
あぁ…そうなのね……だから結翔は……」



『はい。結翔さんにとって親のお手本がお母様だったのでしょうね。
だから無理してでも頑張ろうとしてしまった…』



「私の所為なのね……」



『それは違います。』



「!」



『お母様。結翔さん最近では徐々にですがお料理も始めたんですよ?
甘い卵焼きを作れるようになりたいと言って…』



「あの不器用な子が料理を…?
それに甘い卵焼きというのはもしかして小さい頃あの子が毎日のように食べたいと言っていた…?」



『ふふ。はい。
結翔さん曰くお母様の料理といったら卵焼きだそうです。』



「っ……もぉ…あの子ったら…
私はもっと手の込んだ料理だって作ってたっていうのに…」



『じゃあ、また作って思い出させてあげて下さい。
あとできれば和臣君と潤己君にも食べさせてあげて下さい。
“おばあちゃま”の美味しいご飯を。』



「!」



『…お母様。
先ほどの質問の答えですが、僕はとっても素敵な事だと思います。
だけど、すみません。
僕からは結翔さんに何も言えませんし聞けません。
理由はご家族の問題でしょうし、結翔さんは僕が間に入るのをよく思わないかもしれないからです…
でも僕は願っています。
皆さんが笑えている事を。』



「…大隈さん……」



『こんな事しか言えなくて…お役にたてずすみません…』



「……いいえ。そんな事ありません。」



「お父さん?」














お父様…?















「…母さん。大隈さんの話しを聞いてよく分かったよ。
私達は腹を括らないといけないね。」



「…お父さん。
……そうですね。大隈さんにここまで言ってもらって結翔に拒否られたらどうしようなんて私達が怖がっている場合じゃないですね…」



「…ああ。」



「…ふぅ。大隈さん。」



『あ、はい…』



「今日は本当にありがとうございます。
貴方にお会いできて良かった。
貴方のお陰で私達はもっと3人に……息子と孫2人に会いたくなりました。」



『っ!』



「私からもお礼を言わせて下さい。
貴方のお陰で私も息子と正面から向き合う覚悟ができました。
大隈さん。本当にありがとう。」


「ありがとうございました。」















っ、いいえ……


僕は何も……だけど……















『…僕も…結翔さんのお父様とお母様にお会いできて嬉しかったです。
こちらこそありがとうございます。ペコッ















願っています…


5人が一緒に笑っているそんな素敵な家族を……