※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~




































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《ちょ、ちょっと待って!
食べるって…どうしてそうなるの!?》



『大丈夫ですよ。
箱がお洒落だったのでどこのケーキ屋さんかなって思って検索したら有名なお店でしたし。
あ、それでも心配なら僕が先に1口頂きますよ?』



《いや、そういう問題じゃなくて!》



『……』



《俺が聞きたいのは…なんで…俺が送り返すって言っている物を食べるなんて言うの…?》



『だって、せっかく2人の為にって櫻坂さんのお父様が選んで送ってくれたケーキじゃないですか。』



《っ!だからってあんな奴が送ってきた物を__ 》



『まだ“あんな奴”なんでしょうか?』



《……え?》



『…櫻坂さんの記憶の中にあるお父様は“あんな奴”なんだと思います。
でも、今もそうでしょうか?』



《!?》



『僕はこのカードを書いた方が“あんな奴”だとは思いません。』



《そんなの適当に何とでも書けるよ!》



『だけど字までは適当に書けませんよ。』



《……字?》



『それ…1文字1文字丁寧に大切に書かれてますよね。
でも筆に少しの躊躇いがありました。
まるで相手に届けと願って書いたけど本当に自分がこんな事を書いていいのかと悩んでるみたいに……』



《っ!?…そんな事が分かるの?》



『僕も一応は書道の段持ちなので…。
でも後半は僕ならそうなるかな…と、思っただけですが……』



《……》



『櫻坂さん。お父様は変わろうとしているんじゃないでしょうか?』



《…変わる?……何を今更……》



『はい。過去は変えられないし、した事は変えようがありません。
だけど、変わろうとしている人を止める権利は誰にもありません。
それは……和臣君と潤己君と出逢って“変わった”櫻坂さんが1番分かる事じゃないですか?』



《!》



『僕は櫻坂さんとお父様の関係に何かを言うつもりはありません。
でも、2人へと贈られた物はやっぱり2人に渡すべきだと思います。
祝ってくれる人がいるというのはとても嬉しい事ですから。』



《…俺が……間違ってるの?》



『いいえ。間違っていません。』



《でも今大隈君は__ 》



『悲しい経験や心に深く残ったものを無理に消そうなんて決してできません。
だから櫻坂さんは間違っていません。』



《……》



『…ただ、全てを決めつけないで欲しいとは思います。
未来は誰にも分かりません。
和臣君や潤己君が将来どんな大人になるか分からないように…
櫻坂さんはそんな2人にあれこれと勝手に決めて歩かせますか?』



《……そんな事しない…》



『はい。櫻坂さんはしませんよね。
2人が大好きなお父さんで、2人を大切に思うお父さんですからきっと2人を見守りながら自由に歩かせるんだろうなと僕は思ってます。』



《っ……》



『だから、成り行きを見守りませんか?
2人の事も…そしてお父様の事も……』



《……》



『僕、代わりにお手紙を書きます。
ケーキのお礼とか、あとこれからどうされたいのかを。
答えを出すにしてもその後で__ 』



カタンッ
《ここに……あの人の答えはあるよ…》



『…え?』















ノートパソコンが置かれているデスクの引出しの中に何が…














《…きた手紙は全部ここにある。》



『!』



《そこには…俺への謝罪の言葉とか……困ってる事がないかとか書かれてた……》



















届いた物は送り返しても、手紙は残してたんだ……




なんだかそれって、櫻坂さんの中でも迷いがあるみたいにみえる……
















『櫻坂さん。』



《…なに?》



『今回は僕のせいにして下さい。』



《え?》



『僕が勝手に箱を開けて、ケーキを取り出し2人に食べさせたという事にしましょう。』



《勝手にって…違うのに?》



『それでいいんです。
それで、櫻坂さんの気持ちは少しは軽くなるはずです。
焦らずに今後どうするかも考えられるはずです。
それにほら…賞味期限がある物ですし、食べ物を無駄にするのが嫌な僕ならしそうじゃないですか。』




《っ!…だからって…そんな大隈君が悪いみたいな事、俺には__ 》



『2人にケーキがあると喜ばせてしまったのは僕です。
だから、ある意味僕が悪いですよね?』



《それは違う。悪いのはそんな物を送ってきたあの人で……いや、あの人と素直に双子に渡せない…俺…だよ…》

















やっぱり櫻坂さんは自分の中の迷いに気づいてる…






僕から言わせてもらえれば、どちらも悪くないと思うんだけどね…






過去を悔いて謝罪し変わろうとしているお父様…

過去があるから変わりたくても変われない気持ちを持ち続けている櫻坂さん…





そんな2人を誰も否定できる訳ないのに……















《……決めた。ケーキは仕方なかったという事にするよ。
腐らせたりしたら大隈君も悲しがるだろうし、食後にケーキが出ないと知ったら双子も…それに、冷蔵物は送り返す料金も余計にかかるし……》



『!』














…フフ。

送料の事なんて取って付けたような理由みたい。







でも、良かった。

櫻坂さんが新しい選択をしてくれて。






修復したいって大それた事を考えている訳じゃないけど、ここから何か変わっていけたら…もしかしたらこの先、和臣君達にとって“家族”と呼べる人が増えるかも……

















トントントン

《!》
『!』



〈どうちまちた?〉
〔ぼくたち まってまちゅよ?〕

















フフ。

お父さんが帰ってきたのにお部屋から出てこないから呼びにきたのかな?















《ああ、悪い。
着替えたら直ぐに行くから。》



〈はやくちてくだしゃいね?〉
〔しゅぐでしゅよ?〕














 
ちょっと怒ってる風に言う2人も可愛い。


僕、先に行ってよう。












スッ
『じゃあ僕はご飯の用意始めておきますね。』



《あ、大隈君……》



『はい?』



《その…色々とごめん。でも…ありがとう……》



『!』



《もしよかったらまたアドバイスをもらえるかな?》



『…アドバイスなんて大層な事は僕はできません。
でも、“お話し”なら僕はいつでも聞きます。だから遠慮なく仰って下さいね?』



《っ……ありがとう……》



『フフ。はい。それでは。』











__パタン


櫻坂さんの部屋から出るとドアの前には2人の姿があった…


そして僕を見てくる2人……















〈…なかよち?〉
〔いっちょに あしょんでたの?〕



『フフ。お父さんとは仲良しだけどお話をしていただけで遊んでいたわけじゃないよ。』



〈じゃあ…かじゅたちといっちょにあしょぶ?〉
〔くましゃんも おえかきしよう?〕



『嬉しいお誘いをありがとう。
でも、ご飯の用意をしたいから…』



ガクッ…
〈…しょ…う…〉
〔ざんねん…〕















あ、悲しませちゃった…















ガチャ
《あ、お待たせ。》



〈!〉
〔♪〕



《さあ、大隈君の邪魔をしないように俺達はあっちに行ってような。》
















櫻坂さんが出てきたお陰で暗い顔から一気に明るい顔に変わった2人…


フフ、良かったね。








でも……








チラッ



急いで着替えてくれたのかな?


櫻坂さん……着ているTシャツが前と後ろ反対ですよ?フフ。
















体調不良の為
明日のお話しは
お休みさせて頂きますm(_ _)m