※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~
••✼••┈┈・• • • ❀ • • •・┈┈••✼••
『……あ、偉そうに長く喋ってしまってごめんなさい。
櫻坂さんの話しを聞きにきたのに、こんなんじゃ話したくもないですよね。
すみません。また出直して__ 』
ボソッ
《好きだ……》
『………え?』
…ああ……大隈君が驚いてる。
という事は俺の言葉は届いているって事だ……
…良かった。
大隈君に言えて良かった。
『…あ、えっと…僕も好きで__ 』
《違うよ。》
『え?』
《大隈君の言う好きと俺の好きは違うんだよ…》
『!』
《…こんなタイミングで…こんな事言われて驚いてるよね。
でも今言わないとって思ったんだ。
俺達”家族“を心配して来てくれた大隈君にはその原因をって…。》
『原因………え?
まさか櫻坂さんが悩んでいた事って__ 』
《うん…大隈君に恋をしたから告白するかどうかを悩んでいたんだ。》
『っ……僕が…原因だったなんて……』
《…大隈君…俺は君が好きだ。》
『っ!…お、櫻坂さん…その……僕は__ 』
《ああ、返事はいらないんだ。
分かってるから。》
『…え?』
大隈君の返事は分かってる。
だってさっき大隈君は ”2人と1人なんかじゃありません“ とハッキリ言っていた。
でも、俺が求めているのはその逆…
俺を双子の親以外として見て欲しいと思っていた…
だから、その言葉を聞いて大隈君が何を言うか分かっていたんだ…
俺はフられるって事も…
だけど……
いや、だからこそ大隈君に気持ちを伝えるのは今しかないと思った。
気持ちを伝えようと決めたのにそれが出来ないのは…後悔になってしまうから……
俺の我が儘に付き合わせてしまった大隈君には申し訳ないと思う。
でも、俺は今とてもスッキリできている。
大隈君に告白できたからなのか、これで2つから1つに絞れるようになったからなのか…
どちらか分からないけど、今の俺が思う事はこの人を好きになれて良かったという事だ。
双子…いや俺達3人を本当に大切に思ってくれる人に出逢えて良かった……
《大隈君。お願いがあるんだ。》
『は、はい…』
《俺は絶対に変な事はしない。
大隈君が望むなら出来るだけ顔を合わせないようにもする。
だからこれからも変わらず双子の側にいてあげて下さい。》
『!』
《戸惑わせるような事を言ったのに図々しいお願いをしていると分かっているんだ…
でも、大隈君と会えなくなると双子が悲し__》
『勿論です!
僕も2人と会えなくなるのは寂しいです…だから……櫻坂さんさえよければ……今まで通りでお願いしたいです……』
《っ……ありが…とう…》
困惑しているだろうに俺にまで気を遣ってくれるんだな…
相変わらず優しい人だ……
カタンッ…
《ん?ああ、双子がトイレにでも起きたのかな?》
『あ、じゃあ僕はそろそろ……』
《そうだね…時間も遅いし……》
『はい……』
《送っていけなくてごめん。
くれぐれも気をつけて…》
『はい…ありがとうございます……』
《……》
スクッ
『じゃ、じゃあここで…
あ、鍵は締めて行きますので櫻坂さんは2人の様子を見に行って下さいね。』
《うん。そうさせてもらうよ。》
『はい…じゃあお邪魔しました……おやすみなさい…』
《おやすみなさい…》
スタスタ
大隈君がリビングから出て行って程なくして、本当に静かに玄関の鍵が締まる音がした…
そしてそれと同時に体が冷えるような感覚がした……
トテトテ…
トテトテ……
スッ
《どうした?眠れないのか?》
〈……ちっこ。〉
〔…コクッ……〕
《そうか。じゃあ暗いから一緒に行こう。》
〈……いっちょ?〉
〔…いいの?〕
《ああ……勿論だ。》
〈っ……うん…〉
〔うん!〕
ああ…本当に俺は今まで何を見てきたんだろうか……
双子はこんなに表情が豊かだったというのに……
『2人は本当に櫻坂さんの事が大好きですから。』
双子の成長の為にも、これからはもっと俺が安心させてやらないとな……