※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~
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《…断れないなら代わりに俺が断るよ?》
……へ?
断れないって……なんの事だろう?
トントン
❪那智さん。❫
《ピクッ…》
クルッ
『え?暁翔君なに?』
❪もしかしてですけど、俺が那智さんをナンパしてると勘違いされたのでは…?❫
『えっ!?』
《……》
ナンパって……
あ、だから櫻坂さんは”代わりに断る“とか言ってくれたんだ……
『櫻坂さん違うんです。暁翔君は知ってる子で…あ、これから一緒にお家に帰るのでこうして荷物も持ってくれているんです。』
《…一緒に家に…帰る?》
『え?あ、はい。そうです。』
《……》
…え?
どうしてそんな睨むように暁翔君を見るんだろ…?
『あ、あの…櫻坂さ__ 』
スッ
❪初めまして。櫻谷といいます。
ハウスキーパーとして来てくれていた那智さんに中学の頃お世話になっていました。❫
《……え?》
❪高校に入って家を出てしまったので今日は久しぶりに那智さんに会えると知って嬉しくて、こうして荷物持ちに来てしまいました。
といってもこの中身は家の大人達が飲むお酒なんですけどね。❫
《じゃあ…家っていうのは……》
❪はい。勿論那智さんがハウスキーパーとして来てくれている家ですよ。
今もお仕事中ですし。❫
《っ!》
❪ね?那智さん?❫
『……え?』
❪え?今って”仕事中“なんじゃ…… ❫
『ハッ!』
そうだった仕事中だった。
僕は時間換算だから当然この時間もお金を払ってもらう事になる訳だからこんなのんびりしてる場合じゃない。
…場合じゃないんだけど……でも……
チラッ
櫻坂さんの様子気になるんだよね……
この前から様子がおかしいと思ってはいたんだけど、今日もやっぱり……
3人でお出掛けしたっていうから今日は違うと思ったんだけど……
❪那智さん。じゃあそろそろ行きますか?❫
『え?あ、う、うん……』
櫻坂さんは気になるけど今は仕事中…
ここにいつまでもいる訳には__
ギュゥ
〈くましゃん…いっちゃう…?〉
〔いっちょ…いりぇない?〕
『っ……』
2人とお休みの日に会う時はいっぱい遊んだりできてたから、今日みたいな事はなかった…
会って直ぐさよならなんて……ぅぅ…僕も寂しい……
だけど……
『…ごめんね?
僕、お仕事中でこれから行かなきゃいけないお家があるんだ…』
〈っ…〉
〔やぁ…いっちょがいい…〕
『っ!』
あぁ……どうしよう……
そんな事言われたら僕も2人といたくなっちゃう……
❪君たち那智さんと一緒にいたいの?❫
〈……コクッ〉
〔……コクッ〕
❪じゃあ俺、連絡してみ__ ❫
バッ!
《お前達、帰るぞ。》
っ!
《大隈君は仕事をしてるんだ。
俺達が邪魔する訳にはいかない。分かるな?》
〈……〉
〔……〕
《分かるな?》
〈……コクッ〉
〔……コクッ〕
クルッ
《さっきは変な事を言って申し訳なかった。》
❪え?あ、いえ……❫
《…大隈君も……ごめん……》
『…櫻坂さ…ん?』
《じゃあ…また。
さあ、お前達帰るぞ。》
『あ……』
スタスタスタスタ
トテトテ
トテトテ
櫻坂さんが2人の背中を押すようにして3人は駅の方へと歩き出した……
その姿を見つめる僕……
❪ちょっと可哀想でしたね。…那智さん?大丈夫?❫
2人にあんな言い方するなんて…
櫻坂さん…本当にどうしちゃったんだろう……?