※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~




































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週に1度。

土曜日の今日、今でも変わらずに僕と年間契約をしてくれている姫乃さんと殿井のお宅に伺う日。


 


ただ、いつもなら平日に伺うんだけど今回は珍しくあちらから日時指定があって土曜日の今日になった。


というのも、今日はお宅でゆっくりお酒を飲みたいらしく料理を作って欲しいと頼まれているんだ。








姫乃さん達なら美味しい物をいくらでも食べれるのに、僕の作った料理でいいなんて……


嬉しいけど、ちょっと緊張するよね…









この仕事の役に立つと思って調理師免許は取得してあるけど、どこかのお店で働いていた訳じゃないから僕が作るのは本当に誰でも作れるような物ばかり…



……でも、それでもいいって言ってくれるんだから僕は僕に出来る事をしなきゃだよね、うん!
















ザワザワ




そんなこんなで、午前中にお家のお掃除を終わらせて僕は街に買い物に出て来た。


食材は他のお店で買って既にお家にあるけど、見たらお酒が少なかったから買っておこうかなっと。








…お2人とも沢山飲まれる人達だからね。


僕に家で飲むと連絡をくれたくらいだから、あの量じゃ足りないと思うんだよね。





でも……







ゴソッ


……う~ん。やっぱり重いね。



ちょっと買いすぎちゃったかな…?














スッ
  ❪お荷物お持ちしましょうか?❫



『っ!?』














え……なに急に……


こういうの嫌だし早く立ち去ろう。















『いえ結構です。』



  ❪そんな事言わずに俺を使って下さいよ、”那智さん“。❫



『……え?』














今、僕の名前を……














クルッ…

『……あっ!暁翔君!』














彼は、櫻谷 暁翔君。


3月まで姫乃さんのお宅で暮らしていて、僕がご飯とかのお世話をさせてもらっていた子。






高校生になるのと同時に一人暮らしを始める事になったから、最近は全然会えてなかったんだよね…



















  ❪ハハ。お久しぶりです那智さん。❫



『うん、久しぶりだねぇ。
ちゃんと食べてる?一人暮らしで困ってる事はない?』



  ❪っ!……ハハハ。那智さんは変わらないですね。❫



『…え?僕、うざかった?』



  ❪違います。
俺の帰りを待っていてくれたあの頃の那智さんと変わらなくて凄く安心するって意味です。❫



『暁翔君…』



  ❪タイミング合わなくて中々会えなかったから寂しかったんですよ。
でも、今日は1日中家にいてくれるって殿様から聞いたから行ってみたけどいなくて…
でも買い物に出掛けたと分かったのでこうして探しに来てみたんです。❫



『え?わざわざ来てくれたの?
家で待っていてくれれば__ 』



  ❪でも2人の為に酒を買いに行ったんだろうなって推測できたので、荷物持ちなら俺でも手伝えるかもって思って。❫



『っ!暁翔君……なんか…変わったね……』



  ❪え?俺、そんなにガキっぽかったですか?❫



『あ、そうじゃないよ!
ただ…前の暁翔君は子供っぽくないというか無理して大人びてるというか……』



  ❪あ―、ハハハ…やっぱりバレてましたか…❫



『…うん。でも暁翔君はそうしているのが楽だという事も分かってたつもりだし否定する気も一切ないから。』



  ❪!❫



『だけど、今の暁翔君は年相応というか……肩の力がやっと抜けたように僕には見えるんだよね。
それが……うん、なんか凄くいいよね♪
前の暁翔君が楽しそうに見えなかった訳じゃないけど、今の暁翔君はもっとキラキラしててなんか僕も嬉しくなっちゃうよ♪』



  ❪那智さんって本当に……❫



『うん?』



  ❪ハハハ。やっぱり今日那智さんに会えてよかった。❫



『え?あ、うん。僕も久しぶりに暁翔君に会えて嬉しいよ。』



  ❪ありがとうございます。
じゃあ…荷物いいですか?❫



『え?あ、でもこれは__ 』



  ❪実は、那智さんにお願いがあるのでその為に荷物運びをさせてもらいたいんですよね。
だからこれは預かりますね。スッ…❫



『あ……ありがとう…
でも、僕にお願いって…?』



  ❪はい。実は振舞いたい人がいるので俺の料理を味見してもらって駄目な所を指摘してもらいたいなって思って…❫



『料理!?暁翔君が!?』



  ❪…やっぱり…驚きますか?❫



『うん!だって暁翔君は………ハッ!
ううん、今の無し。
誰だって挑戦する事は自由だし、暁翔君は努力を惜しまない子だもん。
だから……本当は怪我とか心配だけど…僕、応援する!味見も任せて!』



  ❪パァ!那智さんならそう言ってくれると思ってたんだ!
今日の午前中に作ったやつを持ってきてるから家に帰ったら早速意見聞かせてもらえますか?❫



『うん、勿論だよ。』



  ❪よかった。じゃあ家に………って、ん?なんか…❫



『どうしたの?』



  ❪…真っ直ぐこっちに走ってくる子供が2人……❫




トンッ!
   ポフッ!


『!?』















そう暁翔君が言ったと思った直後、僕の足に何かがぶつかった。


そして……














〈くましゃん!〉
〔みっけ!〕












…え?この声って……













『…和臣君に潤己君?』



〈うん!かじゅとじゅんだよ!〉
〔でも じゅんたちだけじゃないよ!〕



『…え?』



スタッ…
《……》



『あ、櫻坂さん。』















こんな所で会うなんて凄い偶然。





でもここにいるって事は……


フフ。そっか~。お出掛けできて良かったね。















《…大隈君。》



『え?あ、はい。』



《…断れないなら代わりに俺が断るよ?》













……へ?