※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~




































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〈もういっかい しゅたってちてくだしゃい!〉
〔ぴょんっ!もみたい!〕



〘…やんねぇよ。〙



〈できりゅよ!〉
〔はじゅかちくないよ!〕



〘……なんでだよ。〙


















あの双子が藍さんの足元から離れない…



そしてよく喋る…








…忍者効果って凄いな。














迷惑になると思って双子を引き離そうとしたけど、櫻井さんに止められた。


”任せて大丈夫ですよ“ と…










その言葉通り藍さんは双子の相手をしてくれていた。


藍さんは面倒臭そうにボソッと言うだけだったけど、双子の言葉には必ず返事をしていたし、目線も外さなかった。



そして何より表情が……優しく見えた。













藍さんと貴雅が双子の相手をしてくれている間、俺は櫻井さんと話す事ができた。



櫻井さんも俺と同じで同性を好きになったのは藍さんが初めてだったらしく、それまでは同性と付き合うなんて想像もしていなかったらしい。




だからこそ俺の気持ちをよく分かっていてくれた。














  ❬自分の中で最悪な結末を想像するんです。
その結末を迎えないようにしようと思うと選択肢は限られてきますから行動に迷いはなくなるんです。❭



《なるほど…》



  ❬誰でも最初は怖いと思いますよ。
それこそ性別関係なく、告白するという事は勇気がいる事だと思いますから。
ただそこでも”最悪“を考えると意外とすんなり言えたりするものだと思います。
例えばその相手が自分以外の人と付き合っている姿を想像したりとか。❭



《!》



  ❬だから自分の気持ちに正直になって頑張ってみて下さい。
言わないで後悔するのも、言って後悔するのも同じくらい嫌な事ではありますが、相手が直ぐそこにいて伝えられるはずなのに伝えないのは…勿体ないです。❭



《…勿体ない……》



  ❬はい。一度きりの人生で出逢えた人なんですから何もしないという選択は勿体ないです。❭




















一度きりの人生…


そんな中で出逢えた大隈君という存在…








確かに、告白しないからいつまでも会えるという保証はない。

何もアクションを起こさなければ簡単に終わりが来てしまうのが今の関係だから…







勿体ない……か。



経験した事なのか…すごく分かりやすくて有り難いな。
















そろそろ仕事に戻らなければならないという事で、櫻井さん達が帰ると言い出した。



そういう時に駄々をこねないのが双子ではあるけど…その今にも泣きそうな顔をしていれば誰が見ても気持ちが分かると思うぞ。







この双子を放置していいものか考えていると…















ポンッ

〘よく食って寝て遊べ。
もっとでかくなったらお前達が見たいものをまた見せてやるよ。〙



〈っ!うん!〉
〔わかっちゃ!〕















…本当に懐いたな……




双子達の機嫌を直してくれた藍さんは、櫻井さんが貴雅からお土産を受け取っている間に俺にも話しかけてきた。














〘あいつ等はお前の子じゃねぇだろ?〙



《っ!…似て…ないからそう思われたんですか?》



〘いや、匂いが違うから分かったんだ。〙



《…匂い……?》



〘俺にも育ての親がいる。
感謝してもしきれねぇ親が。
だから言わせてもらうが……〙



《……ゴクッ…》



〘お前はよくやってるよ。〙



《っ!》



〘あいつ等の素直な所や顔を見ていれば分かる。
だからこれからも変わらずあいつ等を見守っていてやれ。〙















…まさか……そんな事を言ってもらえるとは思ってなかった……
















スッ
  ❬藍。緑太へのお土産貰いましたよ。じゃあ行きましょうか?❭



〘ああ。じゃあな。〙



  ❬櫻坂さん応援してますね。それではまた。❭



《あ、ありがとうございました!》
















貴雅から手渡されたであろう袋を持って櫻井さんと藍さんは店を出ていった…




乗り気じゃなかった今日…

でも終わってみれば、感謝しかない出会いになった…














そんな俺の考えが分かったのか、ニヤニヤ顔で俺に近づき櫻井さん達に渡したのと同じ袋を差し出してきた貴雅…















[ね?俺の言ったことは正しかったでしょ?]



《…なった。……ありがとう。》



[クフフ♪どういたしまして。
はい、これ。俺の手作り餃子。
結翔に任せると黒くなりそうだったから既に焼いてある。
だから温めて食べて。]



ガサッ
《…ありがとう。あ、お金__ 》



[何言ってんの、いらないよ。]



《でも櫻井さん達に渡したのとか…俺の方がお礼しないと__ 》



[皆を呼んだのは俺。
それなのに貰う訳ないじゃん。
でももしお礼したいっていうんなら、いい報告を待ってるから。]



《!》



[ふっ切れたみたいな顔してるし……言う事に決めたんでしょ?]















お見通しか……
















《…もし駄目な時はまた酒に付き合ってくれるんだよね?》



[その時は、双子達が寝た頃にお邪魔するよ。]



《よろしく…》



[はいよ!]















見てると元気がもらえそうな貴雅の笑顔で見送られ、俺達も店をあとにした。




大隈君に気持ちを伝えようと決めたけど、セッティングや言葉なんかは慎重に考えたいから帰ったら時間取ろうと思っていると、手を繋いで前を歩いていた双子が立ち止まった。





何かと思ったら店のショーウィンドウにあるマネキンを見ていて……














《どうした?》



〈こりぇ…〉
〔にんじゃしゃん…〕















そこには藍さんが着ていたような黒い服を着ているマネキンがいた…




服とか興味なかったのにな…

忍者効果は絶大か……














《……今度、黒い服買いに行くか?》



〈!〉
〔!〕



《藍さんを真似するなら全身黒い服になるけど…》



〈くましゃんがかいてありゅやちゅ!〉
〔くろにくましゃん!〕
















忍者効果は絶対でも、クマ柄は健在なんだな……


今日も熊がプリントされた服だし最近は自分達で選んで着る下着も全部クマのマーク入り……







好みがあるのはいいと思うけど、黒い服にクマのマーク入りって…


探すの大変そうだな……














〈くましゃん?〉
〔くましゃんだ。〕



《ああ、分かった分かった。
クマが描いてある黒い服だろ?ちょっと探してみるから___ 》



〈あしょこ。〉
〔くましゃんいりゅ。〕



《え?》















”いる“って、まさか双子が言ってるクマは大隈君の事か?





双子達の視線の先を見ると確かに大隈君の姿があった。


そんな大隈君を見つけて走り出そうとした双子達だったけど、俺は思わず ”待て!“と言ってしまった。















ピタッ…

〈…だめ?〉
〔どうちて?〕














どうしてって……


大隈君1人なら俺も止めなかっただろう…







でも、大隈君の隣には若い男が立っていたんだ。



そして親しげに笑いながら話す2人……











…あの大隈君の隣にいるのは………いったい誰だ…?