※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~




































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今は午前中の数時間お掃除に伺っている姫乃さん宅からの帰り道…


いつものクリーニング屋さんにお洋服を出してお店を出ると、見た事のある大きな車が停まっていた…









…まさか…ね?













ウィーン
「よう、那智。」



『!』












そのまさかだった…













ペコッ
『お、お疲れ様です松丘社長…』



「おう。」



『…あの……この辺りにご用があったんですか…?』



「偶々な。それで那智を見つけたって訳だ。」














…たまたま?


でも僕がクリーニング屋さんに入る前はこんな目立つ車は見かけなかったけど…














「那智。お前暇だろ?飯食いに行くから乗れや。」



『え?…ご飯…ですか?』



「まだだろ?」



『そうですけど……松丘社長とですか?』



「あんだよ。嫌なのかよ?」



『いえ!そうじゃないです!…ただ……その…お高い所だと持ち合わせが__ 』



「ばぁ~か。俺がお前に金を払えという訳ないだろうが。
蕎麦か?鰻か?何が食いたい?好きなもんたらふく食わせてやるよ。」



『っ!…じゃあお蕎麦が食べたいです!』



「決まりだな。よし、乗れ。」



『はい♪』
















僕が車に乗り込むと”オススメの蕎麦屋に連れってやるよ“とニカッと笑って言われ、松丘社長の運転する車は発進した。





松丘社長はよくこの車で1人仕事現場の視察に向かっていると聞いた事がある。


今の格好もツナギを着ているから、もしかしたら社員に混ざって何か作業をしてきた後なのかも…










社長なのに…


と、思われそうだけど、僕や他の社員にとってはこっちの姿の方が松丘社長らしいかな。




だってスーツを着ている事の方が珍しいと思うくらい、社長室でもTシャツに作業着姿だったりするから…











ただ、この格好は見慣れているとしても、こうして待ち伏せみたいな事をされるのは僕は慣れてない…



だからさっきから何か怒られるような事をしたかな?と、ちょっとドキドキしていたけど車の中で話しかけてきた松丘社長の機嫌は全く悪くなかった。









そして怒られると思ったのも勘違いで、どちらかといえば__













「それでどうなんだよ?
お前の事だからうまくやるとは思っていたが、無理はしてないか?しっかり休んでるか?」



『無理はしてないです…。お休みの日もゆっくり過ごしてます。』



「そうか。…じゃあ子供達の方はどうだ?最近は暑いだろ?体調は崩してないか?
夜間に行ける病院はちゃんと確認しているか?
それから__ 」















……フフ。


松丘社長は僕に用があったというより、あの子達の話が聞きたかったのかもね。









松丘社長らしいなぁ~。







櫻坂さんとの特殊な契約も、櫻坂さんが大変だからというよりは子供達の事を考えて社長はOKを出したって聞いてる。



”子供は宝だからな“ そう言っていたって… 













だからこうして子供達の様子が聞きたくて待ち伏せされちゃったのかも。


出勤日には必ず業務日誌を提出しているけど、作業の事しか書いてないし…







でも……電話でよくないかな…?



お昼をご馳走になれるのは嬉しいけど、松丘社長は忙しいはず…







それなのにこうして1人で……





…………。








…忙しい…よね?















「それでどうなんだよ?」



『え?あ、そうですね…2人とも元気ですよ。
和臣君はそこまで行動的ではないですけど、1つの事に集中しだすとずっとやっていたりします。
でも、潤己君が声をかければ必ず一緒に遊んだりします。
あと、何かしてても名前を呼べばお互いに直ぐに側にかけつける姿がもう可愛いくて…フフ♪』



「なるほど。双子でも性格は違うという事か。
だが、お互いが唯一無二なのは同じく思っているという所か。
まあ、元気で何よりだな。」



『フフ♪はい。
今度お泊まりに来てくれるらしいので僕の家でも体調を崩さないように気をつけて見ていようと思います。』



「…泊まり?子供達が泊まりに来るのか?」



『2人と櫻坂さんもです。』



「男も一緒…だと?」



『へ?櫻坂さんはお父さんだから一緒にお泊まりしてもらうのは当然ですよね?』



「子供達の保護者だろうけど、彼は男だ。
それなのに泊めるのか?お前の家に?」



『…あ。もしかして社長心配してくれてます?』



「逆に聞くが何故お前は危機感を持たない?
あんな事があったっていうのに…」



『え?だって櫻坂さんは2人のお父さんですもん。
深溝さんの時のような事が起こる訳__ 』



「ないと言いきれるか?
深溝の時だってお前はあんな事になると想像しなかっただろ?」



『…それは…そうですけど……でも櫻坂さんは……』















櫻坂さんはそんな人じゃない…


僕に”して欲しい事がある“と言ってベッドに押し倒してきた深溝さんとは違う…





だって、櫻坂さんは家族である2人を大切に思っているもの…

深溝さんのように、家族がいるのにそれを壊そうとする人とは全く違う……

















「既に何かされたとかないだろうな?もしくは兆しみたいなものは?」



『そんな事は全く…………あ。』



「なんだ?あるのか?」



『いえ……その…僕の方がやらかしてます…』



「はあ?」



『その…服が雨に濡れていたから着替えを手伝っていて…それでベルトまで外しちゃって……』



「……お前‥」



『違うんです!
子供達の着替えを手伝うみたいな感覚になっていてそれで……
僕、襲おうとか思ってしてないです!信じて下さい!』



「……ハァァァ。まあ、お前がそんな事考えてるとは思ってねぇよ。
ただ…それで誤解をうんだかもしれないという事に危惧してる。」



『え…?』



「ハァ……どうすっかな?
いっそ見張りを……いや、それじゃ子供達が怖がるな。
この際俺が那智の家に……いや、俺も子供に泣かれた事がある顔だしな…」



『…あの…?』



「そもそもそのお泊まりというのをなくせば……いや。それを子供達が楽しみにしていたら可哀想か。」



『…あの、社長?』



「……那智。」



『あ、はい。』



「対策するぞ。」



『…対策ですか?なにの?』



「お前の身を守る対策だ。」



『…へ?そんな大袈裟な__ 』



「そう言いきれない事を既に経験しているお前が言える事か?
こういうのはしたにこした事はないんだよ。」



『でも……』



「俺がお前の為に時間を作ってやるんだ。有り難く受けとれ。
あ、でも子供達の迎えには間に合わせるから心配するな。」



『あ、ありがとうございます…』



「それと行き先変更だ。昼は牛丼でパッと終わらせる。」



『え!お蕎麦は……』



「お前の危機管理のなさが招いた結果だ。蕎麦は諦めろ。
じゃあ行くぞ。」

















ぼ、僕のお蕎麦がぁ……